松木川ウメコバ沢~仁田元川 天候:快晴
こんにちは、牛久です
今回は旧知の友人と以前から気になっていた足尾のウメコバ沢へ行って来ました。目的は日本離れした景観に次々に現れる見栄えのする滝とそれを巻くルートファインディングです。景色を見るのが一番の目的だったので詰めまで行けなくてもいいかな?という呑気な感じで出かけました。なお、土日のスケジュールが埋まり、平日の山行となったため会山行ではなく個人山行ですが記録を残すためこちらに報告させていただきます。
朝5時に銅親水公園に集合、支度を整え5時20分に出発。松木川に沿って林道をひたすら歩きます。途中、河原にはシカの群やイノシシ、ヘビなどが闊歩し、なんだかサファリパークを歩いているような感じでした。林道は途中踏み跡が無くなり川原へ降りる個所もありますが暫くすると再登場するので復帰します。途中ではこれまた気になっている無名沢の出会いとガレている詰め個所も確認出来ました。単調な林道歩きに疲れを感じてきた頃、ようやく最後の堰堤を超えウメコバ沢の出会いに到着です。ここまで約1時間40分。早朝にもかかわらずたっぷり汗をかいてしまいました。
装備を付けて7時10分入渓。この沢のお楽しみは滝が集中している前半分です。最後のF6から先はのんびり詰めあがるルートとなります。
入渓後、すぐにF1、F2です。どちらも直登はしないで右壁を登り巻きます。F1(15m)の巻きはルンゼにロープが垂れています。ウォーミングアップをするつもりで慎重に登りました。F2(CS3段15m)は右の藪から登ります。
F3(CS6m)は左からルートが取れます。一歩目が水の中ですが取りついてしまえば足場が豊富にあるので見た目より容易です。
そしていよいよ核心のF4(40m)です。「要塞のような岩壁から流れ落ちる滝」と紹介されていますが想像通り見ごたえがあります。周囲の空間が開けているので錯覚して落差を感じさせないですが、近づいて下から見上げるとまさに大迫力です。ここは初めから巻く予定なので先人たちの記録を良く調べましたが「右のルンゼを登る」とあるだけで具体的なルート記述が見当たらなく心配していました。実際には「ここ」という所には僅かですが踏み跡がありました。トラバースも高度感はあるものの、しっかりした灌木を手掛かりに落石に注意して進めば危険は感じませんでした。そして、この巻きルートからの景色がとても素晴らしかったです。
沢に戻るとすぐF5(50m)です。F4と一緒に巻くこともできますが時間に余裕もあったので一度降りました。こちらは茶色っぽい滝で見るからに滑りそう。水流左に直登ルートがあるようなのでフリーで行ける中段のステップまで下見がてら行ってみました。その先は…私ではセカンドでも怖いかな。ここの巻きも右の木が茂っているルンゼから。トラバース点をイメージしてから登りました。ここの巻きでは岩場で体を持ち上げる際に注意する箇所が一部ありました。豊富にある灌木が荷重に耐えられるか確認すれば大丈夫でしょう。また、灌木が豊富なため、ロープは引きにくいです。
その後、ゴーロを進むとほどなくF6(2段20m)が迎えてくれます。この滝が最後になるのと落ち口の突破がポイントらしいのでじっくり時間を掛けて登りました。落ち口は滑るので注意が必要ですが水流を受けながら進んだので汗ばんだ体がクールダウンされ気持ち良かったです。落ち口上部のハーケンは新しいものに付け替えられていました。セカンドの同行者にはロープを垂らして確保してから登ってもらいました。(結局、ロープを出したのはここのみ)
ここまでくれば尾根までの行程は残り約半分です。これ以降危険個所は無くなります。
CO1685で左へトラバースして石塔尾根へ。到着は11:40
下山は石塔尾根を進むのと、反対側へ下り仁田元川を下降する2パターンあります。今回は暑かったので枝沢経由で仁田元川を下りました。これがなかなか流程が長く、駐車場に戻るまで4時間弱と思いのほか時間が掛かりました。下流に行くにつれ巨石や釜が目立つようになり、やがて巨大なスリットダムが現れます。長かった下降もようやく終点です。ここから林道を約40分歩きますが整備された砂利道の歩きやすさがありがたかったです。心配していた夕立もなく予定より早く15:30に下山出来たので一安心しました。*仁田元川は地形図では「川」、登山大系には「沢」と表記されています。今回は「川」を使用しました。
遡行図は省略します