春のレスキュー訓練・B班(葛葉川本谷 下流部)

天候:晴れ時々曇り

毎年恒例の春のレスキュー訓練を葛葉川本谷で実施しました。「葛葉の泉」の駐車場に到着したときには、すでにみずゆきメンバーの車が数台停まっていてみなさん準備を始めていました。準備を終えてメンバー全員が集まったところで、綿貫Lから訓練開始の簡単な説明がありました。ここから2班にわかれて出発です。行先は2班とも同じですが、訓練メニューの段取りやどの場所で訓練を行うかは各班のリーダーに任せられています。最後は大平橋にて空中懸垂と登り返しの練習があります。私はB班となり、リーダーの綿貫さんを先頭に出発です。

「葛葉の泉」駐車場から出発です

歩いてすぐ入渓点で簡単に沢におりられます。訓練場所までしばらく遡行しました。3~4m滝がほどよく続き、どれも直登可能で楽しいです。

下流部遡行中。A班に追いつきました。大人数でのみずゆきメンバーで遡行するのはなかなかないので珍しい光景です。

途中、先行していたA班に追いつきました、沢の横で搬送法をやっているようです。わたしたちは先に進みます~。
幅広8mの横向ノ滝。左の乾いたところをロープなしで登ります。ホールドも豊富ですが高さはあるので慎重に登りました。

横向ノ滝。乾いた左側を綿貫Lが登っています。

板立ノ滝。右の岩に残置支点がいくつかあり、本格的な訓練はできそうですがリスクも伴うので少し戻った左岸側の斜面で訓練をすることになりました。

板立ノ滝。左岩にはいくつか残置支点があり、確認する二人。

最初に、各自持っているロープやシュリンゲが使用に問題ないのか装備の確認をしました。シュリンゲはシーズンごとに新品と取りかえます。ロープワークの確認では、マスト、半マスト、ラビットノット、インクノット、フリクションノット。インクノットは、立木にかける場合、カラビナにかけた状態で作る場合、最初に結びを作る場合とで復習しました。結び方だけを覚えるだけではなく、どういう場面でその結び方を使うのか想定して覚えることも必要です。ラビットノットはトラバースで架け替えるときにも使えることも教えてもらいました。

シュリンゲでラビットノットをつくり、トラバースの架け替えのときに使えます。

続いて、トップが登攀中ケガをした場合を想定して、リードレスキューの一連の流れを行いました。トップ(怪我人)、ビレイヤ―(救助する人)にわかれ各自役を交替しました。その後は、救助者をコントロールする人がいる場合のディスタンスブレーキの一連の流れを行いました。トップ(怪我人)、ビレイヤー(救助する人)、コントローラーにわかれ、各自交代しました。

リードレスキュー。伊藤さんが振り分け救助のシステムを作って、事故者の古巻さんを救出しようとしています。
ディスタンスブレーキ。コントローラーが救助者をおろします。救助者はその分救助に専念できます。

ライジングシステムの復習です。1/3のセットをして実際に人を引っ張り上げます。手で引っ張るのではなく体全体を使って引き上げると、伊藤さんからのアドバイス。1/3システムは1人で人間一人分を引き上げるには相当な力が必要です。
綿貫Lが事前に確認していた1/5システム。システムが複雑そうなので敬遠していましたが、実践してみたところ綿貫さんや高森さんが、男性の伊藤さんを軽々と引っ張り上げていました。システム構築も思ったより複雑ではなく、支点は1か所でもよいとのことで場面によっては使えそうということになりました。ただ引き上げる距離が短くなるというデメリットありです。

1/5システムでは少ない力で引き上げることができました。

次はこの先にある大平橋で空中懸垂と登り返しをするので移動します。A班のみなさんはすでに始めていて大平橋からロープが垂れ下がっていました。B班のメンバーも全員、空中懸垂を行いました。

大平橋で懸垂下降中。

登り返しは時間がなくできませんでした。シュリンゲのセットの確認だけすることになりました。シュリンゲやロープの径、ロープに何巻きするかにもよって制動が違ってきます。私はプルージックでロープにしまってしまい失敗。フリクションノットの選択ミスです、またリベンジしたいです!

登り返しのシステムを高森さんに教えてもらう綿貫さん。

A班は訓練終了のようで下山しようとしています。何やら木を使って担架搬送している。。。!!
真似をしてB班もやってみることにしました。ロープの巻き方はこうかな?と話し合いながらとりあえず出来上がりました~。結構うまく作れたと思ったのですが、持ち上げようとした瞬間あえなく折れてしまいました。全く耐久性なかったですね、、、思っている以上に丈夫な木が必要なようです。レインウェアやザックでも担架を作ることができるので、場合によってはそちらのほうが有効かと思います。

枯れ木とロープで担架を作ってみました!
あえなく崩壊・笑

以上で、レスキュー訓練終了です。
大平橋からすぐの左岸尾根の登山道で下山、駐車している「葛葉の泉」に戻り解散となりました。

沢中で実践訓練を行うと実際に事故が起きたときをイメージしやすいなと思いました。できれば実際に滝場でやってみたいです。1/5のライジングシステムや立木での担架搬送は今回初めてやってみたのでとても良かったです。今回上手くできなかったことは次ちゃんと行えるように復習したいです。ケガをしない(させない)のが大前提なので、レスキュー方法を学ぶのと同時に登攀力、沢の技術の向上も行っていくことが必要だと思いました。あと、葛葉川本谷が遡行できて楽しかったです。


メンバー:綿貫(L) 高森(SL) 古巻 伊藤 星野 
山域:丹沢
山行形態:訓練山行
コースタイム:
葛葉の泉P(9:03)-入渓(9:05)-横向ノ滝(9:40)-板立ノ滝付近の斜面で訓練開始(10:15/14:56)-大平橋に移動(15:10/16:49)-訓練終了下山(16:49/17:11)-葛葉の泉P(17:15)
地形図:秦野・大山
報告者:星野

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