小坂志川湯場ノ沢(オキノ万六沢~ナカノ万六沢下降)

(天候)晴

今期の沢始めは、少し遅いが南秋川の小渓から

例年だと、3月か遅くとも4月にはシーズン最初の沢登りに出かけるのだが、今年は4月まで雪山・スキー優先で山行を組んでいて沢に入っていない。

今週末は鶏冠谷の計画に参加表明をしているので、その前に少し沢を歩いておいた方がよかろうと、平日に仕事を休んで沢トレに出かけた。単独になるので、無理なく行けるところで、滝も適当にあり、沢下降とも組み合わせて歩ける場所として思い浮かんだのが、湯場ノ沢の遡下降であった。

ナカノ万六沢出合まで

自宅を出てから、林道ゲート前の駐車地点まで車で1時間半ほど。手軽で近い。7時15分に車を停め7時35分出発。出合まで、林道をテクテクと歩く。
35分で湯場ノ沢に架かる橋に到着。橋を越えた上流側の踏み跡を辿って沢に降りる。

久しぶりの沢登りである。最初の小さな滝場までは穏やかな流れの河原を辿る。最初の滝場は手前の2m、奥の3mと足元の感覚を確かめつつ越える。次の2m滝は少し深い釜を持っていて、股下くらいまで濡れれば越えられそうだが、練習のために右岸をへつって滝に取りつく。ここを越えるとトバノ万六沢出合だ。

少し深い釜のある2m滝
少し深い釜を持つ2m滝は右岸をへつって滝に取りつく

出合先の4m幅広の滝は、左のバンド状を巻き気味に登れば楽だが、ここも練習で前回同様水流右を登って越えた。
さらに進むと、小さいながら滝が続きなかなかの渓相である。

トバノ万六沢からナカノ万六沢までは滝場が続く
トバノ万六沢を過ぎ、ナカノ万六沢出合まではしばらく3~4m程度の滝が続く

ナカノ万六沢出合手前のヒョングリ4m滝は右から越えるが、落ち口には古びたリングが残置されていた。

中ほどがヒョングった4m滝
中ほどがヒョングった4m滝の落ち口には残置リングがあった

トバノ万六沢出合からナカノ万六沢出合まで45分ほど。出合を越してしばらく歩くと大きな倒木が通せんぼをしている。アスレチック風味で倒木を越えて、さらに傾斜の出た階段状の登りをこなすと、その先は幅の狭いゴルジュとなっている。

オキノ万六沢-核心は2m幅のゴルジュ

かわいらしいが”核心”とも言えるこのゴルジュ、前回は側壁のイワタバコが印象的だったが、今回はまだ時期が早く少し殺風景である。
数え方にもよるが、ゴルジュ内には5つほどの滝が懸かる。どれも3~4mほどなので、威圧感はないが、後半の滝は結構のっぺりしていてフリクションで登る感じだ。途中、前回小さく巻いた滝の落ち口に、残置のハーケンを見る。確保用でもありそうだし、懸垂下降用でもありそうだし、どちらだろうか。兼用?

狭隘部入口
オキノ万六沢を過ぎてひと登りでゴルジュの入口となる
落ち口にハーケンが残置された4m滝
右壁を登ると、落ち口にハーケンが残置されていた
水量もほどほどで快適に滝を登れる
前回ほど水量も多くないので快適に滝を登れる
ゴルジュ後半ののっぺりした滝
ゴルジュ後半ののっぺりした滝はフリクションで登る

ゴルジュを抜けると、傾斜の緩い2条の滝。高さは6mほどか。どこでも登れる。

ゴルジュ先の階段状6m滝
ゴルジュを越えたところに懸かる階段状の6m滝。快適

その先も小滝が続き、飽きずに滝登りを楽しめるのだが、倒木で少々荒れ気味に感じた。

上部も小滝が続く
上部も小滝が続き、飽きずに遡行できる
前回より少し荒れ気味か
上部は前回よりも少し荒れた印象だった

最後のトイ状の2m滝を越えると、だんだんと水が細くなり、荒れた窪を歩くようになる。沢型がはっきりしなくなり、ぐるっと斜面で囲まれた源頭部は、右側の支尾根から少し急な斜面を登ると登山道に飛び出す。藪漕ぎは全くない。飛び出したのは、南35と書かれた道標のある個所で前回と同様である。

本流最後のトイ状の滝
本流の最後はトイ状の滝

前回はここから南へ歩き、林道に出て下山したが、今回は反対へ歩いて、ナカノ万六沢の左俣を下降する計画である。

ナカノ万六沢を下降する

10分ほど歩いて右手の急斜面を下降。山仕事の踏み跡が縦横に付いており、斜面は急だが下降は楽だ。15分ほどで沢床に降り立つ。水のない涸れた窪である。そこを10分ほど下降すると、小滝の下でチョロチョロと水が出てきた。

源頭部の涸れた窪
最初は水のない窪状である

さらに下り、4×7mの段々のナメ滝を降りると、前方が狭く絞られてゴルジュ状に。遡行したオキノ万六沢のゴルジュと同じような幅の狭いゴルジュで、同じように滝がいくつか架かっている。3mに始まり、6m2段、4m、4m、3m2条でゴルジュを抜ける。全て、クライムダウンもしくは小さく巻き気味に下降可能であった。

前方を見ると沢幅がかなり狭まっている
前方は沢幅が狭まり、ゴルジュとなっている
このゴルジュは登っても面白そう
このゴルジュは登っても面白そうだ
狭いゴルジュの連瀑
幅の狭いゴルジュに滝が続く
ナカノ万六沢左俣ゴルジュの3m2条の滝
最後に3m2条の滝を降りるとゴルジュは終了

ゴルジュを抜けると、目の前がCo560の二俣である。水流比は1:1。二俣の下にも小滝がいくつかあるが、いたって穏やかな流れにかわる。
本流と合流する少し手前の右岸に、かなり大規模な崩壊地があり、岩屑が沢にも大量に押し出してきている。そのため、そこからしばらくは伏流しており、出合の直前で水流が復活する。ナカノ万六沢の下降は1時間半ほどであった。

ナカノ万六沢出合近くの大ガレ地帯
ナカノ万六沢出合近くで右岸が大きく崩壊している

本流に合流してからは、巻き降りられる滝は巻き降り、河原を歩けるところは河原を歩き、とせっせと下降して、合流から約30分で出合の橋に帰着した。ナカノ万六沢が思ったよりも面白く、いい沢トレになった。

ところで、出合の橋のところに巨大なミツバが生えていて、思わず写真に撮ってしまったのだが、ミツバにとって生育に適った条件が揃っていたのだろうか。ミツバもこんなに大きくなるんだなぁと、大変に印象に残った。

大きなミツバの葉っぱ
湯場ノ沢出合の橋のたもとに大きなミツバが生えていた
遡行図(20230524_南秋川小坂志川湯場ノ沢)
遡行図

メンバー:古巻
山域:奥多摩
山行形態:沢登り
コースタイム:
駐車地点(7:35)-湯場ノ沢出合(8:10)-トバノ万六沢出合(8:30)-ナカノ万六沢出合(8:53)-ゴルジュ出口(9:23)-登山道(10:35)-下降点(10:50)-ナカノ万六沢左俣Co760付近(11:05)-Co560二俣(11:55)-ナカノ万六沢出合(12:13)-トバノ万六沢出合(12:27)-湯場ノ沢出合(12:44)-駐車地点(13:33)
地形図:五日市
報告者:古巻

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