社山

天候:曇

アプローチ

奥日光は中禅寺湖の南岸尾根は奥日光と足尾との境をなす尾根である。現在は、足尾地区も日光市に編入されてしまっており、行政上の境界は存在しないのだが、中禅寺側と足尾側はだいぶ趣が違うように感じる。この辺りで双方を結ぶ半月峠・阿世潟峠は、どちらも日光側は道もしっかりしているが、足尾側は辿る人もまれになり廃道化が進行している。

以前、久蔵沢・安蘇沢の源流を歩いた際に、半月峠や阿世潟峠の峠道を歩いたこともあり、社山にも2度登頂している。社山は眺めのいい山頂というイメージもあり、春のハイキングにのんびりと歩く計画を立てた。天気予報は、前日雨だが土曜日は回復基調であり、男体山や日光白根の予報もさほど悪くないことから、予定通りいろは坂を上がって歌ヶ浜の駐車場を目指した。
朝8時半ころ歌ヶ浜の駐車場に到着。ところが、普通車の駐車スペースは満車状態。殆どが釣りをする人の車のようだ。実際に釣り支度をする人、竿を持って歩く人の姿が目に付く。
困ったな、半月山の方に上がって駐車しなければダメかなと思いつつ、一応ぐるっと駐車場内を一周したところ、偶然にも1台出庫する車がいた。ラッキーである。地元の方だろうか、レジャーではなく業務中にトイレにでも立ち寄ったような感じだった。

無事駐車できたことにほっと安心して準備をする。天気はと言えば、まだガスが晴れないものの、一部に晴れ間ものぞきこれから好転するのではと期待も持たせる。

出発時は青空も覗いたのだが...
出発時には青空も覗いたので、天候の回復を期待したが…

歌ヶ浜駐車場から半月峠

歌ヶ浜から狸窪(むじなくぼ)まで湖岸沿いを進む。途中、イタリア大使館別荘記念公園英国大使館別荘記念公園を通過。両公園とも朝9時開園なので、開園前だと少し迂回する必要があるが、9時を少し過ぎていて問題ない。建物に入るにはお金がかかるが、公園内に入るだけなら無料だ。よく手入れされた道で歩きやすい。
英国大使館別荘は、明治維新期に通訳として日本を訪れた(後に駐日英国公使)アーネスト・メイソン・サトウの別荘を後に大使館別荘として長年使っていたものだそう。サトウは、尾瀬とも縁の深い武田久吉博士の父君でもある。2階にはスコーンと紅茶を嗜めるティールームもあるそうで、機会があれば建物の中で展示物などにも接して優雅な時間を過ごすのも悪くないかも。

さて、話がそれたが駐車場より30分ほど歩いて狸窪に到着。ここからは湖岸を離れて、半月峠へ進む。樹林の中で展望はあまりない。おまけに、石組みの段が少し高くて歩きづらい。今日は妻の足慣らしでもあるので、ゆっくりと半月峠までの道を上がる。

半月峠への登り道にて
半月峠への登り道にて

半月峠から阿世潟峠

半月峠で少し休憩。久蔵沢の谷の先に足尾側の景色が少し見える。一時青空ものぞきこれからの天候の回復を期待させたのだが、何となくガスが途切れない。
休憩後、阿世潟峠に向けて歩き始める。最初は少し登って1,655mピークを越える。山頂には「中禅寺山」と書かれた札が木に括り付けてあった。名前があるのか…。

1655m峰にある中禅寺山の山名標
1655m峰は中禅寺山という名前らしい

半月峠までは何度か歩いたことがあるのだが、いつも変な方向に降りてしまうので半月峠~阿世潟峠を歩くのは初めてだ。で、よく地図を見ると、阿世潟峠は半月峠より200mも標高が低い…。社山だけを考えると、半月峠に寄るのは余計なアップダウンを伴う訳だが、まあ大した上り下りでもない、と考えることにする。

半月峠への登りでは、シロヤシオ、アカヤシオも盛りを過ぎている風であったが、稜線上は標高が高いせいか丁度盛りという感じである。一か所、石楠花の大きな木があって満開の花が咲いていて見事だった。

稜線上のアカヤシオ・シロヤシオ
アカヤシオ・シロヤシオの競演
斜面のアカヤシオと久蔵川の谷
斜面のアカヤシオと久蔵川の谷
久蔵川の谷の奥に松木川の谷
足元の久蔵川の奥には、松木川の谷も遠望された

それにしても、相変わらず霧が晴れず中禅寺湖も見えない。秋の眺めのいい時期にしか来ていないが、今日は少し残念な天候になってしまった。半月峠から45分で阿世潟峠着。途中、単独の方に抜かれ、2組ほどの登山者とすれ違ったが、歌ヶ浜の駐車場の混雑ぶりから考えると静かな登山が楽しめて好ましい。

阿世潟峠から社山山頂

山頂はガスの中
山頂はすっかりガスの中である

阿世潟峠から社山の山頂までは400mほど標高を稼がないといけない。時間には余裕があるので、ゆっくりと歩いて高度を稼ぐが、白いガスに取り巻かれた単調な登りにテンションは上がらない。

こんなところに高尾登山電鉄の切符が
こんなところに高尾登山電鉄の切符が落ちていた

阿世潟峠からは1時間と少しで山頂着。山頂には5人ほどのグループが休憩中で少し賑やかだった。とは言え、湖岸と比べると山中は本当に静かだ。5人グループが出発すると、とたんに静かな山頂に戻る。ゆっくりと昼食を食べ、コーヒーを飲んで寛いだ。景色は全然見えないけれど。

頂上からの眺望は次回にお預け
期待していた眺望はガスのため得られず

社山から阿世潟峠・阿世潟経由で下山

ゆっくり休んで下山を開始、山頂から阿世潟峠まで戻り、阿世潟峠から中禅寺湖畔へと降りて湖畔沿いに駐車場まで戻ったが、中禅寺湖は霧に包まれて対岸も見えない。天気予報も、朝の空の様子も、だんだんと晴れてくることを期待させたのだが、むしろ朝よりも霧が深くなったようだ。中禅寺湖の遊覧船も終日濃霧で運航を止めていたらしい。

阿世潟の風景
阿世潟からは湖畔道をのんびりと戻った

戻っても駐車場は相変わらず満車状態。釣りシーズンは常時こんな感じなのかもしれない。
荷物を片付けて、いろは坂を下り、途中で何軒かなじみのお店で日光名産を仕入れて、今市から日光宇都宮道路に乗る。途中、都内の首都高速で事故渋滞があったが、迂回ルートを採って順調に帰宅した。


メンバー:古巻 ほか会員外1名
山域:日光
山行形態:ハイキング 個人山行
コースタイム:
歌ヶ浜第一駐車場(8:55)-狸窪(9:30)-半月峠(10:10/20)-阿世潟峠(11:05)-社山(12:15/55)-阿世潟峠(13:45)-阿世潟(13:58)-狸窪(14:20)-歌ヶ浜第一駐車場(14:50)
地形図:中禅寺湖
報告者:古巻

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