今シーズン3回目の沢登りは体験山行希望者と共に三つ峠へ詰めあげるアイスクライミングで有名な四十八滝沢へ行って来ました。 この沢は流程に対し高低差があり、自然、勾配がきつく入渓点から詰めまでほぼ平坦な個所が無くずっと滝や滝のような流れをつたい歩く楽しい沢。
朝8時に宝鉱山駐車場に集合、下道でも我が家から1時間30分で到着出来た。とても近い。 この駐車場はとても広く駐車しやすいが緊急時のヘリポートとしても利用されるため駐車は端っこから停めるのがマナーだろう。 天気予報では日中は気温が高くなると言っていたが頭上には雲が被さっていて陽が射す感じではなく少し肌寒い。 今回の主役である体験者は30代と若く、日ごろから鍛えているおかげかとても引き締まったボディーをしていて見るからに敏捷そうだ。 これまでの沢経験を伺うと登攀要素の高い難しいコースをこなしてきたようで今回のコースはいささか容易過ぎたかもしれないが体験山行なので勘弁してもらう。 打ち合わせや身支度をしていると1台の車で3人の別パーティーがやって来た。挨拶すると同じ四十八滝沢に行くとのこと。冬季のアイスクライミングで度々来ているそうだが沢登りは初めてという事だった。 一足先に出発し、汗をかきかき登山道を歩くこと約1時間。2段10m初滝の上、登山道が沢を横断するところから入渓した。
直ぐに5,4,4m連滝、3m斜瀑と滝が続く。水量は少ないが石は苔で黒く滑っている上に皆落ち着きがない感じで不安定だ。足の置き方、体重の乗せかたに気を遣う。
最初の連瀑を過ぎると次は左からガレた涸れ沢が出合う二俣だ。かつて20mだった滝はガレ沢から流れ落ちた大小さまざま岩や石に下半分が埋まり痛々しい姿となってしまっていた。今までは滝の中段で水流を横切った高さまで埋まってしまっているようだ。今回は右から容易に登る事が出来てしまった。いつか元の大滝に戻ることを願うばかりである。
元大滝の上部で少しの間両壁が狭くなる区間を過ぎると七福の滝と呼ばれる連瀑帯が現れる。名前のように7つ滝があるのだと思うが滝と滝が近接していて区切り方がいまいち分かりにくい。私見では2m,4m,6m,6m,2段15mと記録した。 全て問題なく直登できるが所どころ水を被ってしまい少し寒くなってきた。 この後も3~5mほどの滝(段差?)が無数に続き寒いけど楽しい。
小休止後白竜の滝と呼ばれる連瀑帯に取りつくが基部から上流を望むと霧でガスっている。陽差しが強く気温も上がるという予報はどこへやら。 どの滝もステップ、ホールドとも豊富でルート取りに迷うことは無いが所どころ浮いていたりウェハースのように薄くパリッと剝がれるものもあるので荷重する前にしっかり確認する必要があった。
夢中で登っていると時折ガスがとれて陽が射す瞬間もありテンションが上がる。 周りを見ると岩壁も低くなり、植生も変わり上部まで登ってきたことを感じられた。Co1500付近で右から滝を落とす枝沢を過ぎると逆さくの字滝だ。 落ち口に1mくらいの岩が乗っているが伊藤リーダーが前回登った時からあるらしい。ところでこの滝は逆さくの字という名前が付いているが今回は左にもう一筋水流があり2条の滝となっていた。 この滝の上部で左から涸れ沢が出合うと間もなく2段10mトイ状。数えきれないほどの滝を超えてきたがいよいよこのトイ状滝がラストだ。
斜面に乗った岩壁の根元から滾々と湧き出す源頭で昼食を摂り、電波塔目指し詰め上がった。
いつもはピークを踏むことは無いが体験者の希望で三つ峠まで足を延ばした。 行ってみると眺望が広がり気持ちがいい。山頂には数組のハイカーがお弁当を広げていた。陽射しの下で皆さんニコニコ、幸せな空間が広がっていた。
下山は北口登山道で下ったがあまり歩く人がいないのか所どころ荒れた個所があり注意が必要だった。2か所ほど道を外してしまい苦笑いしたのは秘密。 約2時間で駐車場に戻った。 今回参加してくれた体験者はとても登攀力がありなるべく水流沿いの直登を楽しんでいた。もう少しハード目の沢にもご一緒したいと思った。ご縁があり入会してくれたらとても頼もしい会員になるだろう。 今回、体験山行の場所選びおよびリードをしていただいた伊藤さんに感謝です。
次は来月の集中山行、今から楽しみです。
宝鉱山駐車場(08:15)ー入渓点(09:20)ー大滝(09:50)ー七福の滝(10:00)ー白竜の滝(10:30)ー逆さくの字の滝(11:10)ー源頭(11:30)ー電波塔(12:20)ー三つ峠(12:30)ー宝鉱山駐車場(15:20)