こんにちは
コロナ禍の影響で思うように山行へ行くことができない日々が続いております。加えて西日本を中心に異常な降水量となり、山は崩れ、氾濫した川が町を飲み込んでしまいました。川を愛し、沢登りを楽しむ者にとってもとても心が痛みます。被害にあわれた方がたへ心より哀悼の意を表します。
どうにもならない出来事が続いたため気持ちの切り替えがうまくつかなくて困っていますが我が山岳会は年間スケジュールで参加がマストとなる全員参加の訓練がいくつか予定されています。その中の一つ、「徒渉訓練」が実施されましたので今回初参加の私(牛久)が報告いたします。
それにしても雨雨雨、雨ばかりの今年の梅雨。訓練会場となる山梨県丹波山村も毎日のように雨です。ただせさえ先輩方から毎年「寒いよー」とか「冷たくてブルブル震えちゃうよー」などと脅かされていたのにこれに「増水&濁り」が加わるなんてすごく気が引き締まる。
*ウェットスーツ持っててよかった♪
朝、集合場所の三条新橋につくと空はカラッとした五月晴れ! 増水も濁りもちょっとだけ!急にやる気が出てくるからほんとに天気は大事。全員参加が基本だけど残念ながらケガ、体調不良により3名欠席。(みなさんお大事に)
参加6名、2班体制で三条新橋を起点に上流下流に移動しながら下記のメニューに取り組んだ。
- 一人ずつ
- 二人スクラム
- 三人スクラム
- 流木を利用した耐風姿勢?
- 三人で縦列スクラム
- ゴルジュ突破
- ロープ末端交換法
訓練時間 9:30~15:00(途中、班ごとに昼食休憩30分)
~今回確認したポイントや注意点など~
1 見極めの重要性・・・徒渉するうえで、まず渡れる場所かどうかを見極める「目」が必要。それには水量・水流・水勢・底石の状態・下流の状況などに気を配る必要がある。あえて危険な場所で徒渉せずにより優しい場所で徒渉点を見つけることが大切。一般的に水深が浅ければ川幅が広く、深ければ狭い。渡る距離が長くなっても浅いほうが安全。水面が波立っているところは底石が大きいためで足元が不安定で歩きにくく転びやすい。また、波が立っていなくて一見穏やかそうでも大きいプールなどで流れが速い場所は水量も多く、圧力が強く重い流れとなる。渡り切れないと感じたら手遅れになる前に戻る事。徒渉点の下流状況を確認しておくと万が一流されたときに対応が出来るかもしれない。下流が急流になっているところは用心し、ロープを使用するなど安全対策をしっかりとる事。
2 徒渉の仕方・・・川を渡るには岸に対し直角に渡らないでなるべく下流側に角度を取る。これは前に出す足を流れに逆わらず力を逃がすため。疲れにくくもなる。水の抵抗を減らすため、体の向きは横向きが良い。パンツもバタつかないようなスリムなものの方が抵抗が少ない。足は片側ずつ、すり足で底石を探りながら運ぶ。両足とも力を入れて踏ん張ると動けないのでカニ歩きをする時は軸足への体重移動を交互に行う。目線は沢歩きと同じく足元を見ないで進行方向を見る。ロープを使った徒渉はロープを頼り過ぎないこと。あくまで補助とする。ロープにしがみつくと足に力が入らないで体が浮きやすくなる。スクラムは歩幅が合わないと危険なので体格揃えたほうが良い。*今回は三名縦列スクラムを試したがこちらのほうが歩きやすいと感じた。
3 飛び込み突破・・・へつりでのゴルジュ突破が無理な時に壁から対岸へジャンプして突破する。この時、飛び込み先の水深が十分あるか目測する。浅すぎるとそこに足をぶつけて痛める。へっぴり腰にならないよう思い切りが必要。
4 ザックピストン方・・・ゴルジュ突破後に後続を渕尻からロープで引き揚げようとしたが水量が強く不可能だった。支点を作成し、プーリーや三倍力システムを利用する状況が出るかもしれないのでこれらの練習も必要だし空身ではなく最低限のギアを持っていかなければならないと感じた。
5 ロープ末端交換法・・・今回一番練習が必要だと感じた。やはりロープワークが手こずる。システムを憶えて無駄を省きスムーズに安全にセットできるように繰り返し練習したいと思った。
最後に:訓練は普段の山行では試せないことが試せる良い機会だと考えているが、これはフォローしてくれる仲間がいて、思い切ってチャレンジできるからだ。トライ&エラーを繰り返し、今出来ない事を確認し、それを出来るようになるよう練習して自分の幅を広げることにつなげる場だ。私が山岳会に入りたかった理由の一つがそれである。だから訓練は大好きだしこれからも積極的に参加していきたい。
訓練が好きなのは、もちろん沢登りを安全に楽しく行うため。経験を積んで心に余裕が持てればより沢登りが深く楽しめると思います。会の皆さんよろしくお願いします!
以上、次は沢でお会いしましょう。
訓練時間(9:30)ー(15:00)
見極めの重要性・・・これが一番大事です。付け加えるなら水に浸かってる時間が長ければ体力を消耗します。上流に雪渓が残るような沢だと特に留意しなければなりません。どのくらいの冷えまで耐えてよいのか、引き際の見極めが重要になります。冷えすぎるくらいなら大高巻きした方が体力温存できる場合も多々出てくるでしょう。
ロープを使った徒渉ではハーネスにしっかり腰を預けることによって腰を介してロープの支持力を使います。個人的には補助というよりは積極的にロープを利用する感覚だと思います。ハーネスに腰を預けることにより、水流を受ける力点よりも上流に足をつくことができるので、水流に足をさらわれにくくなります。手で「ロープにしがみつく」のはNGです。
NGさん
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