蓼科山

(天候)6月18日:晴

端正優美な山容の諏訪富士を訪れる

家族との足慣らし登山第2弾として、北八ヶ岳の一角、蓼科山を訪れた。これまでいろいろな場所からその優美な山容を眺めてきた山だが、登るのは初めてだ。
登ってみると、溶岩の堆積した広々とした山頂や山頂からの360度の眺望は素晴らしく、次は秋から冬の空気の澄んだ季節に再訪したいと思った。

竜源橋駐車場に車を停め、女乃神茶屋登山口から山頂を目指す

早朝自宅を出発し、中央自動車道・諏訪南IC経由で竜源橋登山口の駐車場を目指す。下山ルートは山頂から時計回りに竜源橋登山口までとしたため、ここに車を置いて女乃神茶屋登山口までは歩いてアプローチする。
竜源橋には8時頃到着したが、3台先着しているもののまだ数台の余地がある。ちょうど自転車をデポする人もいたが、軽装なのでトレランだろうか。女乃神茶屋登山口まで車通りの多い車道を20分歩くが、歩道の余地が狭く少し怖い。女乃神茶屋登山口の駐車場は数十台が停められそうだが、既に残り2~3台分の余地を残すのみであった。
バス停のところが登山口で、そこから登山道に入る。最初は樹林の中の緩やかな登りだが、徐々に傾斜が増して、岩がゴロゴロと堆積した道になる。1時間ほど歩いて標高2000mを超えたあたりで最初の休憩。ここまではあまり眺めもなく単調な登りに終始する。

登りだしは穏やかな傾斜だ
登りだしの登山道の傾斜は緩やかだ

休憩後、出発してすぐに傾斜が緩み2110mの道標が立つ広場に出る。地図には三角点の記号が書かれているが、標石は確認できなかった。(あまり真剣に探さなかったけど…)広場の先はいったん緩やかな地形になるが、すぐに急登が始まる。ただ、背後の眺めが徐々に開けてくるので、時折振り返ると八ヶ岳南部の稜線や鳳凰山、その奥の白峰の頂が薄っすらと見え開放的な気分になる。

2,113m三角点付近
2,113.7m三角点の周囲は少し開けている

溶岩の堆積した岩場を登り頂上へ~頂上は360度の大展望

山頂直下の岩場
森林限界を越えると岩場の登りに。矢印とロープで進路が示されている

2500m付近からは森林限界を超え、岩の堆積した岩場を登る。眺めはさらに開け、樹林の頭越しに八子ヶ峰や霧ヶ峰方面の視界も開けてくる。中央アルプスや北アルプス南部もパノラマのように見える。目を凝らすと、尖った槍の穂先が確認できた。空気が澄んでいればもっと絶景だろうが、今日は少し水蒸気が多く、遠景はぼんやりと霞んでいるのが残念だ。

穂高岳、大キレット、槍ヶ岳
穂高岳から大キレットの大きなくびれが見えて、右端には槍ヶ岳の尖った穂先が認められた

頂上へは岩場を一気に直登するのではなく、少し右手から回り込むように矢印が付けられており、それにそって登っていく。東側の眺めが広がると、両神山や西上州の山々、さらに目を転じれば浅間山周辺まで見えて、登高の疲れを忘れさせてくれた。

荒船山と西上州の山
頂陵が特徴的な荒船山と、奥は妙義山だろうか
特徴的な両神山頂陵
両神山も特徴的な山容だ

山頂ヒュッテが見えてきたあたりからは、左方へ直登して三角点に達する。一等三角点だ。山名票は固定されておらず地面に置かれた状態なので、みんな手にもって記念撮影をしている。

一等三角点と蓼科山山名標
一等三角点標石と地面に置かれた山名標

見回すと、頂上は直径が100m以上もありそうな円形の広場になっていて、思っていたよりも広くて平らだ。ただ、溶岩の欠片が堆積した岩場なので少々歩きづらくはある。三角点から南の端に向かうと、途中の広場中央辺りに鳥居が建てられており社がある。さらに南の端まで進むとかつて展望の案内盤が設置されていたような円柱と台座が残っていた。台座に登ると周囲の眺望は360°。

広々とした蓼科山頂上
蓼科山の頂上は、溶岩の欠片が堆積した広場になっている

近くは、八子ヶ峰や白樺湖、霧ヶ峰から美ヶ原のたおやかな高原が眼下に広がっている。車山山頂の気象レーダードームが米粒のように見えて面白い。またすぐ東側は北横岳から北八ヶ岳、さらに南へ権現岳あたりまでの稜線が裾野を長く引いて見え、その右には南アルプス北部の名峰が連なっている。裾野を両側に広げた仙丈ケ岳が優美で目立つ。中央アルプスもほぼ全部見えているのではないだろうか。そして、その奥には木曽の御嶽と、少し離れて乗鞍岳から槍穂高連峰。後立山から妙高周辺の山々もうっすらと見える。
いくら見ていても見飽きることのない眺めが広がっており、気分爽快である。

八子ヶ峰から霧ヶ峰、手前に白樺湖
足元に八子ヶ峰。白樺湖の向こうに霧ヶ峰が見える。車山頂上のレーダードームが米粒のようだ
南八ヶ岳と鳳凰山
裾野を長く引く南八ヶ岳の峰々と、右手奥には鳳凰山が見える
南アルプス北部の山々
北岳、間ノ岳、甲斐駒ヶ岳から鋸岳、端正な仙丈ケ岳の左奥は塩見岳だろうか
中央アルプスと木曽御嶽
中央アルプスの連なりと特徴的な木曽御嶽の姿
北アルプス南部の眺め
槍・穂高から北アルプス南部の眺め。美ヶ原の向こうの白い山は針ノ木岳の周辺か

下山路はなかなかの曲者

眺めを楽しんだ後は、台座を降りてゆっくりと昼食タイム。
そして昼食後、名残惜しいが山頂ヒュッテ方面へ戻り、ヒュッテの横を抜けて将軍平へと降る。この辺りは岩場の急斜面で道が狭く、ちょうど七合目方面から登ってくる人のピークなのか、すれ違いの待ち時間が結構ある。やはり七合目から登る人が多いのだろう。中には20数人というツアー登山らしきグループも…。

山頂から将軍平への下り
将軍平への下りはガレた登山道で、幅の狭まるところではすれ違いの待ち時間も発生する

混雑した登山道をようやっと蓼科山荘の建つ将軍平へ降ると、そこからは竜源橋方面の登山道へ入るが、途端に人の姿がなくなり静かな雰囲気になった。しばらくは樹林の歩きやすい道だったが、次第に礫が撒かれた道に変わり、足元が不安定になる。地図でも沢を下って行くように道が付いていたが、本当に涸れた沢を下るような道で、慣れない人は結構大変だろう。

岩だらけの涸れた沢筋を降りる
登山道はガレた沢筋につけられていて、とても歩きづらい

降り始めてから45分、左後方からもガレた沢が合わさり、水は流れていないが沢下降と変わらない様子に。下部では、沢から外れて樹林の中に道が付いており、沢通しに下らないようロープが張られていた。

ロープで樹林内の登山道へ誘導される
沢にロープが張り渡してあり、樹林内の登山道へ誘導される

道が平坦になると、やがてT字路に出て大河原峠からの道に合流する。1時間強の下りだが、なかなかしんどい下りであった。合流した周辺の開けた付近は天祥寺原と言うようだ。

天祥寺原
傾斜が緩むとほどなく広々とした天祥寺原だ

しんどい下りを終えて、木陰でしばしの休憩を取る。
天祥寺原からは、しばらく笹原の平坦で歩きやすい道が続く。30分ほど進むと、道は沢から離れて山腹をトラバースするようになる。山腹を下るようになると急激に高度を落とし、やがてジグザグを切って最後の下りとなる。

幅が広めの道と合流するとゴールは間近だ。右へ少し進むと分岐。どちらに行こうかしばし迷って幅広の右へ進むと、堰堤の下を横切って暫しで国道へ飛び出す。車を停めた駐車場からほんの僅かスズラン峠方面へ進んだ地点で、そこからは1分もかからずに朝停めた車に戻る。
他の車は既におらず、自分の車がぽつんと1台残されていただけだ。迷った分岐は、左へ行けば駐車場へ直接出られたように思う。もっとも時間的にはさほど変わらないだろうけれど…。

お楽しみの買い物から地獄の渋滞へ

荷物を片付けて帰路に就くが、途中の「たてしな自由農園原村店」で野菜やワインなどを仕入れて、諏訪南インターから中央道に乗る。小仏の何時もの渋滞は覚悟してはいたのだが、何と小仏トンネル内でバイクの単独事故があり車線規制中という情報が…。カーナビが高井戸まで6時間とか戯けたことを言っている。
そもそも須玉ICの先で工事相互通行となっていて渋滞してたため、既に20分ほどの遅れとなっている。一旦双葉SAに入り、休憩を兼ねて作戦会議。試しにGoogleセンセイにご意見を伺うと、そのまま中央道を行けとのこと。運転を交代してご意見通りに中央道を進む。大月ICを過ぎたあたりで渋滞が始まった。再度センセイにお伺いを立てると、談合坂スマートICで出て下道を行けと…。少し迷ったが、結局談合坂から出ると、センセイのお言葉を実践する車が数台連なっている。最初は相模湖ICで中央道へ復帰と言っていたが、途中から上野原ICで復帰に変わり、変更後のルートで中央道に復帰したが、そこからも渋滞が続いており、若干の時間短縮は叶ったが、結局高井戸まで4時間余りかかった。
以前も、小仏トンネルの事故渋滞(その時もバイクの事故)に巻き込まれて、同じようなルートで帰ったことがあるが、パンデミック以降、どうも高速道路での事故が増えたような気がしてならない。バスツアーが減って、自家用車での移動が増えたことも一因なのだろうか。
山の行き帰りは、どうしても車を使うことが多いので、事故には十分注意して運転しなくては…と思った次第である。


メンバー:古巻 ほか会員外1名
山域:八ヶ岳
山行形態:ハイキング 個人山行
コースタイム:
竜源橋駐車場(8:15)-蓼科山登山口(8:35/40)-Co2030付近(9:30/35)-Co2320付近(10:30/40)-蓼科山頂上(11:30/12:20)-将軍平(12:55)-滝ノ湯川・天祥寺原(14:14/20)-竜源橋駐車場(15:28)
地形図:蓼科・蓼科山
報告者:古巻

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