春の集中山行は二班に分かれて只見の沢を二日間かけて遡行・下降する計画だったが、梅雨入りしたとあって天候が思わしくない。日程を短縮して日帰りで帝釈・日向倉山に集中することになった。
A班は入山沢の750M右岸支流から日向倉山へ向かう。本山行の企画担当によれば、2015年には入渓点のすぐ手前まで車で入れたということだが、車が入れるのは管理釣り場付近までで、さらに700M付近で林道は分断されていた。一旦枝沢に降りて渡ってからその先の道を入渓点まで歩いた。
入山沢はさらさらと穏やかに流れていて、徒渉は足首を濡らす程度で何の問題もない。
その支流なので水量は少ないが、花崗岩の岩盤が露出してナメが続く。小滝や小さな釜があるが水線をトレースしても水流脇を歩いても容易に遡行できる。
3Mの基部が小さくヒョングッた滝と2M2条の滝を過ぎると、流れがクランク状に左へ右へと曲がっていく。18M3段になった滝というには緩いナメを行くと890Mで正面に6M滝を懸けた枝沢を分ける。
本流は右に折れて開けている。次第に緩いV字の谷となると小滝を連ねた枝沢を右に分けて、幾分滝らしい滝が懸るようになる。
2M~5Mの滝4本を越えると二俣で、左俣と右俣が(2:3)で出合っている。計画書は左へ進んで日向倉山直行だったが、渓相を見てしまうと右へ進みたくなる。意の向くまま右へ進む。
右俣に入ってしばらくは緩いナメ滝とナメが続いていたが、次第に傾斜が出てきてスラブ滝が続くようになる。岩盤が滑っているところもあるので注意が必要になってくる。
1150Mで水が涸れると、一層傾斜が増して苔生したスラブとなる。稜線まであと50MくらいのところでB班と無線交信のため一時休憩、B班は既に山頂についているという。どうやら何もないスカ沢だったらしい。適当なところで左岸の枝尾根に上がって稜線に詰め上がった。
稜線上は藪っぽいが少し南西側は藪が薄くなっている。15分程尾根を歩いて山頂手前で待っていたB班に合流し、三角点にちょうど11:00に到着した。
山頂からわずかに東に降った所でB班と分かれて踏跡を辿って、1130Mあたりで東電の巡視路に出る。巡視路を辿って北東に延びる枝尾根を下降して林道に出た。
入山沢750M(7:40)-970M二俣(8:55)-日向倉山北西コル(10:40)-日向倉山(11:00)-巡視路(12:05)-林道(12:55)