GW某日、房総の郡界尾根の最西部を歩く。
突然ですが、千葉にグランドキャニオンがあるのをご存知でしょうか。
千葉のグランドキャニオンこと、【小鋸山】の採石場跡地。
千葉県の山と言えば鋸山(のこぎりやま)が有名ですが、その稜線の先に小鋸山があります。正式な山名ではない196mの小ピークですが、この小鋸山の直下に採石場跡が広がります。
岩肌がごっそりと削り取られ、開拓の跡がポカンと残るこの広大な空間は、荒涼としていて空虚な雰囲気が漂います。風の吹抜け音が耳に響く静けさと、人工と自然が混じり合った美しさがあり、とても秘境味溢れる良い場所です。
誰が名付けたかはわかりませんが、千葉のグランドキャニオンと名乗ってしまうネーミングのセンスもとても好きです。
そんな景色が広がる小鋸山ですが、ここに辿り着くには、鋸山からそこそこ険しいバリエーションルートを歩くことになります。
今回の山行では、鋸山から小鋸山を経て嵯峨山までの【郡界尾根】上を歩いてきました。
・郡界尾根について
【郡界尾根】というのは千葉の房総半島の南北を分ける「上総」と「安房」の境目の尾根のことで、今回はその最西部分の鋸山〜嵯峨山間(①~③)を歩くことになります。
今回の山行では
❶鋸山を【バリエーションルート】で登り、
❷東ノ肩から【房州キレット】を超えて【小鋸山・千葉キャニオン】に
❸峠を越え【スイセンピーク】を通り【嵯峨山】山頂へ
という、限界尾根の稜線を歩く縦走コースです。
鋸山より東側は登山道ではなく破線ルートとなり、倒木続きの荒道をピンクテープ頼りに歩くことになります。低山ですが、終始アップダウンが激しく、痩せ尾根の岩稜歩きや断崖絶壁、キレット状の稜線(房州キレット)や急登急降下のトラロープ…等が所々にあり、非常に変化の富んだ道で歩き甲斐のある楽しいルートです。
とはいえ基本的に終始悪路なので歩行に注意が必要です。
前日が雨で岩が滑りやすかったので慎重に歩きます。
スタートはJR浜金谷駅から、ゴールは町へ降りて小保田バス停にて保田駅へ。
❶鋸山 (アドベンチャーコース)
「鋸山」と聞くと観光名所というイメージが強いかと思いますが、鋸山には複数のルートが存在し、初心者向けの安全なコースからバリエーションルートまで難易度別に登山が楽しめます。今回はバリルートであるアドベンチャーコースへ。
テープに沿って歩けば基本的に迷うことはありませんが、急斜面が多く、危険箇所や分岐での道迷いの恐れもあるので、歩行には注意が必要です。(過去に滑落事故の事例もあります)
途中に現れる石切場遺跡や岩壁はとても見応えがあり、登っていて飽きることがありません。
❷小鋸山(鋸山東ノ肩~小鋸山区間)
鋸山を降り林道を超えると、そこから小鋸山までのルートは更に荒れた道になり人通りはほぼありません。倒木や細い道、岩綾をテープを頼りに歩いて行きます。かなりの量のテープが設置されているので迷うことはありませんが、分岐などでルートを見失うとすぐ道迷いに合い、危険箇所に出てしまいます。(私も2度ほど道を見失いました)
❸嵯峨山(白虎峠~小保田峠~嵯峨山区間)
小鋸山を越えて白虎峠を下ると、前述の千葉キャニオンの採掘場跡の広場に出ます。ここから小保田峠の道は更にアップダウンが激しく、大きな倒木も多いので、かなり膝に来ます。(個人的な理由でザックの重量がかなり重かったこともあり、嵯峨山に着く前に既に足がガグガグしてました)嵯峨山から山頂までの道でも急登とアップダウン続きます。
途中で自分が今登っているのか下山しているのかわからなくなりました。
嵯峨山を下山し、保田のバス停に向かう際に一箇所道迷いに合い、
大変荒れた沢ルートを歩くことになりました。
道迷いの時間ロスでバスの時間がギリギリになってしまい、バス停までは全速力で走りました。しばらくトレラン状態です。3分前にバス停に到着しなんとか乗車。最後までバタバタでしたが無事時間通りに保田駅に到着し山行は終了です。
お疲れ様でした。
浜金谷駅(08:00)-車力道入口(08:15)-鋸山(09:15)-小鋸山(10:55)-嵯峨山(13:50)-小保田バス停(15:05)
毎度楽しい山行報告ですが構成が玄人裸足ですね!才能に嫉妬しちゃいます笑
ありがとうございます!逆に全然真面目に書けないのでやり過ぎだったら言ってくださいね!(汗)笑
鋸山、機会があればぜひ(^^)