至仏山

(天候)8月6日:曇ときどき晴

アプローチ

至仏山は過去に何度かピークを踏んでいるが、スキーか沢登りだけで夏道からの登頂は初めてだ。今回は、朝発の日帰りでものんびりと歩ける鳩待峠からの往復ルートを計画して、稜線や山頂からの眺望を期待して歩いてみた。

早朝自宅を出発し順調に関越道を北上。高崎から沼田の間で霧が出て結構雨が降っていたので、天候を少し心配したが、休憩した道の駅尾瀬かたしなでは雨が降る様子もなくひと安心。久しぶりに戸倉駐車場に車を止めて、乗り合いタクシーで鳩待峠に向かう。鳩待峠のタクシー・バス乗降場所は休憩所の建つ広場ではなく、2~3分降りた駐車場に変わっていた。

夏雲が湧く8月の尾瀬の空
青空に夏らしい雲が湧いているが、少し雲が多い…

鳩待峠からオヤマ沢田代まで

出だしの登山道は、ところどころ抉れていたり道が荒れていたりする個所もあるが、長くは続かない。鳩待峠から1時間ほどで、右手に眺めが開ける。登山地図には「原見岩」とあるところの直下だ。尾瀬ヶ原がよく見える。尾瀬ヶ原を挟んだ対面にある燧ケ岳は頂稜部が雲の中だ。このタイミングでは、至仏の頂上付近にはガスがかかっていなかったのだが、頂上に着く頃にはどうだろうか。期待しつつ先に進む。

原見岩付近から尾瀬ヶ原を望む
原見岩付近からは、名前のとおり尾瀬ヶ原の眺めが広がる。

尾瀬ヶ原のビューポイントから暫しでオヤマ沢田代に差し掛かる。鹿よけのネットでぐるっと囲われており、木道に出入り用の扉が設置されていた。思えば、スキーの時も鳩待峠から上がったのは1度だけだし、沢の下山も湯の小屋へ下山してしまうので、オヤマ沢田代は初めての訪問だった。

鹿よけの柵に囲まれたオヤマ沢田代
オヤマ沢田代は鹿避けの柵に覆われていて、扉を開閉して出入りする。

オヤマ沢田代を経由して至仏山山頂へ

オヤマ沢田代を過ぎると、数分で笠ヶ岳・湯の小屋方面への道が分かれる。さらに数分歩くと右側の眺めが開け、テラス状の平地にベンチが作られている。ここからも尾瀬ヶ原や燧ケ岳の眺望が得られる。眼下には川上川の谷間と鳩待峠の休憩所も見えなかなか開放的で気持ちがいい。ただ、山頂とは違い越後側の山は見られないのだけれど…。周囲は、綿毛になったチングルマなどの植物群落になっている。

オヤマ沢田代を過ぎた展望のいいベンチ
好展望のベンチからも尾瀬ヶ原がよく見える。山頂付近も見え隠れするが、やはりガスが多い…。
水滴のついたチングルマの綿毛
チングルマの綿毛に水滴がついている
ウスユキソウ
ミネウスユキソウだろうか。何か所かで見ることができた。

ベンチからひと登りで小至仏山の頂上。このあたりから登山道は岩交じりになり、岩を縫って歩く。小至仏からはいったん鞍部へと降りてから少し登り返す。のんびりと岩場交じりの道を小一時間で、ようやくピークが見えてきた。そこから数分で、立派な山頂標の立つピークに到着した。

雲に覆われた楢俣川方面
ならまた湖も楢俣川の渓も雲に覆われてついに姿を現すことはなかった。
楢俣川側の斜面は岩場が続いている
楢俣川方面は岩の斜面が続き、尾瀬ヶ原側と好対照だ
もうすぐ頂上だ
頂上まであと一息。ピークからの眺望はどうだろうか…

ピークからは、尾瀬ヶ原から燧ヶ岳・会津駒ヶ岳、平ヶ岳から奥利根・越後の山々が見渡せるはずだが、ガスが渦巻いて時おり尾瀬ヶ原や燧ヶ岳が覗くくらいで、楢俣側はまったく雲の中、越後方面も雲に遮られて眺めは得られなかった。360度の展望がウリの山頂だが、今日は眺望は諦めなくてはならないようだ。

至仏山山頂標
久しぶりのご対面。立派な至仏山山頂標。

至仏山山頂から鳩待峠への下山

山頂着が予定通りちょうど昼時になったので、山頂の一角で昼食休憩とした。昼食後もしばらく様子を見たのだが、大きくガスが切れることは無さそうだったので下山を開始する。
大岩の間を縫うように進み、少し登り返して小至仏まで30分。さらに20分ほどで、笠ヶ岳分岐手前のベンチに。時間に余裕もあるので、ベンチでコーヒータイムにして寛ぐ。他にも数組の登山者が休憩したり、ベンチ前を行き交ったり賑やかだ。相変わらず至仏山頂付近はガスに囲まれているが、尾瀬ヶ原方面はだいぶ眺望が開け、燧ヶ岳ももう少しで山頂部が現われそうだ。鳩待峠から、アヤメ平に続く中央分水嶺もよく見える。30分弱、尾瀬ヶ原を眺めながら寛いで、足早に鳩待峠へ下山した。

鳩待峠と中央分水嶺
鳩待峠からアヤメ平方面への中央分水嶺がよく見える。
尾瀬ヶ原と燧ヶ岳を望む
もう少しで燧ヶ岳山頂のガスも切れそうだが…

まとめ

楽しみにしていた山頂からの眺めはガスに遮られて、尾瀬ヶ原が少し見えた程度であったが、雨に降られることもなく快適に往復ができた。至仏山はGWと8月初旬のこの時期にしか訪れたことがないので、次は秋に紅葉を愛でに出かけてもいいかなと思う。
帰路は、前回同様ほっこりの湯で汗を流し、山太屋さんで地酒を仕入れて関越自動車道へ。前橋付近で落下物の撤去作業のために渋滞したが、それ以外は概ね順調に東京へ戻ることができた。


メンバー:古巻(L) 会員外1名
山域:尾瀬
山行形態:ハイキング 個人山行
コースタイム:
鳩待峠(8:55)-笠ヶ岳分岐(10:22)-小至仏山(11:00)-至仏山(11:50/12:30)-小至仏山(13:00)-悪沢岳分岐北ベンチ(13:20/45)-鳩待峠(14:45)
地形図:至仏山
報告者:古巻

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