2/9は八良塚(はちろうづか)の北東方向に流れる鹿野川(かんがわ)に行ってみた。事前情報では、ドンドンと呼ばれる川回しでできた滝があるらしい。怒田沢の集会所脇道のスペースに寒々しい風が吹く中身支度をする。房総は温かいとの想定は脆くも崩れダウンジャケットを着ての入渓となる。集落脇の田んぼ脇を下っていくが、泥どろのルートで閉口する。藪を少し下っていくと舗装路にぶちあたり、そこから川沿いまで道が伸びていた。集落から道があったみたいで20分の余計なアルバイトになった。
入渓点からしばらくはナメ床になっていた。右岸は房総独特の泥岩地層が重なった切り立ったガケになっている。
すぐに3:1の二俣に出くわすが、左にまがりしばらく行くと小さいトンネルから7x12mで水を落とす川回しの滝が出てくる。左からも細い流れが落ちており水を浅い釜にためている。地元ではドンドンと呼ばれている滝との情報だ。
2m程の高さしかない可愛いトンネルを潜り抜ける。
出口は水の流れをトンネルに誘導するために掘り込みがあるが十分機能していないようで、下流方向にナメが続いている。
去年の台風の影響か所々倒木の煩いナメ床を遡行(歩いて)いく。
両岸とも泥岩層のガケ地形となっているところが多く、支沢の流れ込みは10m程度の滝がかかる箇所もある。しかし、本流は平らかな流れが続く。
やっと2x4mの釜を持った滝が出てきた。ちょっと深そうなので滑りそうな水際を慎重に辿っていく。
しばらくナメ床を行くと50cmの釜を持った滝がでる。ほとんど平らなのでこのような小さな滝でもうれしい。
ナメ床の所々に小さな落差でできた釜が点在するが大きな滝は無い。
30mの白い壁が右岸に出てきて若干威圧感を覚える。
そこを左に回り込んでいくと、やっと6x9mのナメ滝が出てくる。
そのすぐ先の5m幅広滝には右にトラロープがついている。しかもステップ付きだ。ありがたく利用させてもらう。
この先、Co140m付近の二俣で流れの太い右俣に入るが、これだとかなり八良塚の下で尾根に出てしまうことに気付き、引き返して左俣を行く。その上もまだまだナメが続く。
が、所々で倒木に遮られるのが難点だ。
砂地には、シカやタヌキ?と思われる足跡がついている。鹿の声は時々聞こえるが警戒しているのか姿は見えない。
この先に巨岩がしばらく転がっていて左を巻いて処理する。
その先の2俣で赤テープの見えた右俣を行くが4mの滝に行く手を遮られる。登れそうにないので引き返して左俣をいってみる。
左俣にも6mの滝が架かっていたが、左から中央にステップが切ってありどうにかなるかもしれないと取りつくが、左のステップは泥が堆積しており滑るので結局諦める。
結局再び二俣に戻り、根っこ混じりの泥斜面を3ピッチザイル確保で登り、小尾根に乗りしばらく急登をいくと八良塚(342m)に出た。杉の植林帯の中で展望は全くない。
当初北西面の沢を下降する予定であったが、北側尾根を下ってみる。しばらく植林帯で歩きやすかったが、徐々に急になりついに岩稜の落ち込みになってしまった。
少し戻り、北側の斜面を30m懸垂下降2ピッチで切り立った崖上に出る。30mでは川床に届きそうになかったので、獣道を使い左にザイル確保でトラバースしどうにか下れそうな斜面を降りて行き短い懸垂で川床に立った。これに1時間以上費やした。
北西側の沢もナメ床が続く沢で歩きやすい。この3m2段滝にも右にステップが切ってあり難なく下降できる。
4x6mのナメ滝を下降すると右岸にガードレールが見えてくる。適当なところで林道にあがり、遅い昼飯休憩とした。
林道をしばらく行くと立派な説明看板がある高宕大滝がでてくる。看板には30mとあるか、15m程度の落差のように感じた。
その先の分岐で右折して怒田沢林道の房総独特なトンネルをいくつか抜けていく。
車を駐車した怒田沢集会所脇に15時過ぎに到着した。尾根から川床への下降点が適切でなく時間がかかってしまったのが反省点となる。
遡行図リンク
怒田沢(8:20)-川回しトンネル滝(8:40)-5m幅広滝(9:36)-泥斜面詰め(10:45)-八良塚(11:45)-尾根下降行詰まり(12:25)-川床(13:40)-林道(14:10)-駐車場(15:13)