徒渉訓練B班

2021.07.11  晴れ

恒例の徒渉訓練を丹波川の三条新橋付近で実施した。今年は新加入のメンバー2人が加わり、総勢9名をA(4名)・B(5名)2班に分けて取り組んだ。私が参加したB班の訓練を報告します。

訓練場所の三条新橋
夏を思わせる空だ

天気予報は確か曇りのち雨だったが8:30に集合場所の三条新橋に着くと雲が多いながらも青空が覗き、時折暑いくらいの日差しが降り注いでいた。10台くらい置ける駐車スペースは既にほかの方たちの車で満車に近かった。その中に沢登りの支度をしているグループがいたので挨拶すると徒渉訓練をしながら花魁渕まで遡るという。連日の雨で丹波川はそれなりに増水しているのに世の中には猛者がいるもんだなと感心すると同時にその実力に少し憧れと羨ましさを感じた。

訓練が始まる

B班は石田(L)、丸山、星野、富田、牛久の5名だ。星野さんと富田さんは今年加入した新人で初めての徒渉訓練となる。事前に防寒と防水対策をアドバイスされていたので準備はしっかりできているようだ。尚、メニューは前年を踏襲するがメンバーやリーダーによって多少アレンジされる。

訓練は色々な方法を試し、出来ることや出来ない事を自覚し経験するのが目的だと捉えているので訓練時には普段は選択しない方法も試せるまたとない機会だと思っている。途中、わからない事ややってみたいことなどがあれば遠慮せずにリーダーに伝え、技術や考え方などを吸収したいと思う。

メニューは大別すると徒渉とゴルジュ突破に分けられる。行きたい沢が水深が浅く流れも緩やかなら所ばかりなら特に訓練する必要も無いがそんな流れは遡行の対象にはならないので安全に沢登りをするために状況に応じた様々な方法を学ぶために訓練を行う。
「徒渉」とは川を渡る事。
濡れるし転ぶ危険もあるので川を渡らずに済めばそれが一番いいのだがなかなかそういう訳にもいかない。
「ゴルジュ突破」とは左右の岸から巻けない時に水線を上流へと遡る事。
へつりや飛び込み、泳ぎなどで上流を目指す。実際には水に浸かる時間が長くなると低体温症の危険もあるので時期や水温など考慮し、大高巻きを選択することも必要だ。

①【徒渉】で大事なことは「流れを読む」こと。より安全に徒渉できる流れを渡り、水流に対して体の向きはどうするか?足の運びはどうするか?視線は?下流の様子は?などを事前に確認しイメージすることが大切だ。以下の順番で取り組んだ
・「1人ずつ」自分がどの程度の水量まで耐えられるのか知る。底石の有無を見つつ視線は下ばかり見ないで進行方向も見ることが大切。渡り切れないと感じたら戻る事。流れが強い時は木の枝など支えを使用する。

先ずは川歩きになれる
1人ずつ渡る
木を支えに急流を渡る。使用する木はある程度の太さと長さが必要だ。手は一つは顔の顎あたり、もう一方は膝の上あたりを抑え込むように掴む。

・「 スクラム」2人、3人と組んで実施した。2人の時は強い人が先。3人の時は弱い人を間に挟む。歩幅は1番狭い人(身長が低い人)に合わせること。歩幅を合わせるのは思いのほか難しい。スクラムは多くても3人までとし、4人の時は2人ずつに分ける。

3人スクラム 歩幅を揃える

・「縦列スクラム」1番強い人を上流側にして縦に並ぶ。先頭以外は水流を受けないので楽に立てるので後続は前の人のザックを掴み上流方向へ押して補助する。隣に人がいないので横に踏み出す足が干渉しないため歩きやすい。

縦列スクラム 大人数で組めて歩きやすい

・「ロープ使用(末端交換法)」木の支えを使用しても流されるような急流ではロープを使用し渡る。上流と下流に確保点を取ったロープを支えに、ロープを「くの字状」に伸ばしながら対岸へ進む。万一流された時でも下流側の確保者がロープを引き救助出来るようにする。対岸へ渡ったらアンカーとなり2番手以降を補助する。

ロープを利用し激流を渡る
上流と下流でロープの角度をつけられればより安全だ
渡渉はなるべく激流を避けるのが鉄則だ

②【ゴルジュ突破】での注意点。真夏の暑い日なら泳ぐのも気持ちいいが雪渓が残るような沢では水温も低く体も冷えるので何度もチャレンジできない。もたもたして時間が掛かるくらいなら大高巻きを検討したほうが良い

・「へつり」両手両足をフルに使い岩壁をつたい上流へ進むこと。水中にも使えるステップがあるので良く観察する事。顔と胸を壁から離すと視野を広く取れるし、つま先に重心が来て安定しやすい。手でしがみ付くと疲れやすいので足でしっかり体重を支えることが大事。

へつりは技術の差が表れやすい 水上のホールド以外に水中にも良いホールドがある場合もある

・「飛び込み」岩壁にホールドが乏しくへつりが出来ず、先へ進めないような状況では流れに飛び込んで対岸へ渡り突破口を作る。飛び込むときは流心を超すように思いきってジャンプしないと対岸へ渡れない。

・「後続引き上げ」先頭がゴルジュを突破したら後続をロープでひっぱり上げる。後続はザックを浮き輪代わりに胸に抱える。

                               

・「泳ぎ」激流を流れ下るときは仰向けになり足を下流側にするとケガをしにくい。流れの緩い淵を泳ぐときはラッコ泳ぎでも平泳ぎでも構わないので疲労が少なければ好きな方法で良い。

この様なトロ場での泳ぎ下降は容易で楽しい

12:00~12:30でA班と合流し昼食休憩をとった。
冷えた体を暖かい食事で温め午後に備えた。

B班は午前中に徒渉訓練のメニューを完了したので午後は丸山さんと石田さんによる新人を対象としたロープ操作の訓練を行った。
ハーネスへのロープ接続から始まり、ロープスリングの作り方(長さが大事!)、支点の取り方を説明した。
その後、緩斜面で立ち木支点の懸垂下降の手順を説明し、繰り返し降下練習を行った。

ロープの束ね方
ハーケンへのカラビナ取り付け
懸垂下降の練習 、先ずは石田さんのお手本を見る
緩斜面で繰り返し懸垂下降を行う

その後、丸山さんが約15mの空中懸垂を始めた。降下するのを見ているだけでも楽しい!丸山さんが降りるのを待って次にやりたかったが先ずは新人の2人がやることになった。星野さん・富田さんともに度胸があるのかそれとも丸山さんの笑顔の裏に隠れたプレッシャーのせいか臆することなく手順を確実に踏んで無事に降下した。2人の後に私も降下したが普段できない事なのでとても貴重な経験が出来た。

新人も続きます

その後A班も合流し懸垂下降を行い14:30に今年の徒渉訓練を終えた。

今年の徒渉訓練は水量の多さに加えて川の流れも去年とは異なっていて別の川のようだったが順調にメニューをこなしロープトレーニングも行えて大変有意義なものとなった。石田リーダーを始め班の皆さんお疲れさまでした。

 

 

 

 


メンバー:石田(L)、丸山、星野、富田、牛久
山域:奥秩父
山行形態:訓練山行
コースタイム:
三条新橋(訓練開始9:30)ー昼食休憩(12:00~12:30)ー三条新橋(訓練終了14:30)
地形図:丹波、柳沢峠
報告者:牛久

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