大菩薩峠(日向沢登山口から周回)

天候:晴

大菩薩峠・大菩薩嶺というと、最近は南側の裂石、上日川峠からのアプローチが主流となっているが、大菩薩峠を丹波や小菅と塩山・甲府方面を結ぶ「峠」として考えた時に、あまり多くは歩かれない丹波山や小菅からの道も歩いてみたいと思っていた。

一昨年、サカリ山から三条新橋まで山道を辿り、丹波山・小菅からのアプローチにも親しみを覚えたこともあり、GWの個人山行に、小菅林道終点から小菅大菩薩道を登り、牛ノ寝通りから林道終点へ降る山道を使う周回ルートで山行を計画した。

日向沢登山口~フルコンバ

早朝自宅を出て小菅林道終点で車を停める。林道終点は、山側の斜面にモノレールの起点施設があり、広場になっているので数台の駐車が可能である。駐車場から少し林道を戻り、日向沢を渡ったところに「日向沢大菩薩登山口」の看板が立っていて、そこから山道に入る。

日向沢大菩薩登山口
日向沢大菩薩登山口の道標

日向沢沿いに少し登り、すぐに右手の斜面をジグザグで高度を稼いで行く。登山口から10分ほどで、赤沢からの登山道と合流するが、そこまでは少し道が細い。だが、ここで赤沢からの道に合流すると道幅も広がり歩きやすくなる。フルコンバまで緩やかな登りが続き、のんびりと新緑を楽しみながら登る。途中、桟道箇所もあるが、しっかりした桟道で危なげない。

赤沢登山口からの道と合流する
赤沢登山口からの道と合流する
桟道が続く
新しくしっかりとした桟道があり、安心して歩ける

フルコンバ~大菩薩峠

フルコンバに登りつくと、眺めが広がる。眼下は小室川谷の源流部で、大菩薩嶺北尾根の向こうに奥秩父の主脈が大きく横たわっている。

フルコンバから奥秩父主脈
フルコンバからは、小室川谷を挟んで北尾根、そして遠くに奥秩父の主脈が…

眺めもいいし、歩きだしから1時間半ほど休憩なしだったので、ここで暫しコーヒーブレイク。
途中、大菩薩峠の方からトレイル・ランニングの男性が降りてきた。暫くしたら、女性の方も降りてきた。女性が降りてきたくらいのタイミングで、こちらも出発。

フルコンバからも穏やかな登り道が続く。途中、通行に支障はないが登山道の上の斜面が崩落している箇所があり、大岩が転がっていたり、さらに斜面の下の方まで転がり落ちていたりしている。道の上下の斜面はザレているところもあり、脆い岩質のようだ。

登山道の上、少し脆い
登山道の上の斜面がザレて崩れている

フルコンバから30分ほど、右手に笹の斜面が出てくると、人の話し声なども聞こえるようになり、間もなく大菩薩峠に到着する。

小菅大菩薩道は2~3組のグループと遭遇したのみだが、大菩薩峠に飛び出した途端ものすごい人の数に圧倒される。時間もお昼時なので、座って昼食を楽しんでいるグループも多い。
石丸峠あたりまで行けば、人も減り落ち着いて食事ができるだろうと、こちらは写真だけ撮って熊沢山の登りにかかる。

喧騒の大菩薩峠
いやもうすごい喧騒でした

大菩薩峠~牛ノ寝通り分岐(石丸峠)

大菩薩峠も久しぶりだったが、熊沢山経由で石丸峠へ歩くのもかなり久しぶり。大菩薩峠からの登りは少し急。人が多く歩くため、踏み跡が入り乱れている。(最近はロープが張られていて、正規ルート外への逸脱は少ないと思われる。)

しばらく、前後のグループと抜きつ抜かれつしながら熊沢山を越えると、眺望が開けて石丸峠から小金沢連嶺が望めるようになる。富士山もうっすらと姿を見せている。

熊沢山を越えると富士山が
少し霞んでいるが、熊沢山を越えると富士山が見える

石丸峠へは笹の気持ちのよい降り。前後したハイカーの多くは小屋平方面へ下ってしまい、小金沢連嶺へ足を向ける人は多くない。分岐付近は風が強かったので、牛ノ寝通り分岐近くまで進み、風を避けて、陽だまりのランチタイム。

開けた石丸峠付近の様子
石丸峠からは、ほとんどの人が小屋平の方へ降りていく

牛ノ寝通り分岐(石丸峠)~榧ノ尾

牛ノ寝通りは本当に静かな道だ。よく踏まれていて歩きやすいのだが、地味なせいか人気が今一つで、今日は誰にも会わず…。もっとも、静かなところの方がお好みなので、むしろありがたい。
米代と呼ばれる長峰への分岐から、少しの急降下を交えて榧ノ尾山まで、小一時間。そこから10分ほどで「榧ノ尾」の道標が立つ地点に到着した。

榧ノ尾~小菅林道終点

榧ノ尾付近は鞍部となっている。榧ノ尾からの下山路は、上部は比較的安定した路面である。牛ノ寝通りから、最初はトラバース気味に進み、尾根に乗ったところからはジグザグに尾根を下る。道標などは一切ないが、比較的明瞭な道をずんずん降る。ところどころ、木の杭や石垣で補強してあり、道としてはしっかりと手が入っているという感じ。ただ、少々古い印象はある。

木の杭で補強してある
落ち葉が積もってはいるが、補強してある様子だ
石垣が積まれている
九十九折れのところは石垣が積まれている

Co1150付近でT字路状に仕事道に合流する。右へ進むが、左下へと下る分岐を見落としてそのままトラバース道を進んでしまった。尾根を乗っ越し隣の沢にかかる橋まで来て、ちょっと怪しい感じを抱きつつ、ひとまずそのままトラバースを続けたが、やっぱりおかしいので橋まで引き返して思案。

わさび田のある沢にかかる木橋
この沢まで来ると行きすぎです ^^;)

橋の架かった沢に、ワサビ田の跡が続いている。本流の谷はすぐ下だし、めんどうになって強引に沢筋を降りると、左から沢が合流するところに木橋があり、正規道に合流できた。
ただ、正規ルートも小菅川の本流へ降りるところが崩壊してルートが消失している。ピンクテープを外さずに進むルートが正解で、道型が復活したところから、一段降りると、本流に木橋が架かっている。その橋を渡り、対岸の斜面をジグザグに登れば林道終点広場の入り口へ到着する。

小菅川本流に架かる橋
本流にはなかなか立派な橋が架かっている
消えかかった牛ノ寝登山口の道標
消えかかっているが、牛ノ寝登山口と読める

終盤で道をロストしてウロウロしてしまったが、大菩薩峠から石丸峠以外の部分は静かで気持ちよく歩けるいいコースと感じた。榧ノ尾から下山したルートは、一部分かりずらい部分があったが、荒廃が進まなければ、次は間違わずに歩けるだろうし、土室川の上流部探索のアプローチにも使えそうだ。(強引沢下り以降は、同行した家人からはひどく不興をかったのだが…💦)

周辺で、ほかにも確認したい道もあり、またコースを変え、場合により沢とも組み合わせて計画してみたい。


メンバー:古巻(L) 会員外1名
山域:大菩薩連嶺
山行形態:ハイキング 個人山行
コースタイム:
小菅林道終点(9:45)-日向沢登山口(9:55)-フルコンバ(11:15/30)-大菩薩峠(12:08/14)-石丸峠(12:40)-牛ノ寝通り分岐(12:45/13:15)-長峰分岐(13:24)-榧ノ尾山(14:17)-榧ノ尾(14:24)-小菅林道終点(15:35)
地形図:七保・大菩薩峠
報告者:古巻

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