今年の4月に寄沢~小屋ノ沢へ行った時のことを思い出します。
その日は、富士吉田市で雪が降る寒い1日でした。
イイハシの大滝の1段目を登ったところで雨足が強くなり、
思案の末、巻くことになりました。
F1まで戻り、不安定な斜面を高巻いたのを覚えています。
今年もいろいろな沢を旅して満足感もありましたが、
最後に再び寄沢の計画が出されたので、飛びつきました。
予定もありましたが、この機を逃すと「もう行けないかもしれない」と思い、
何とか都合をつけて参加することができました。
今回は秋晴れの晴天が続き、明日から天気が崩れるという絶妙な1日でした。
朝6時すぎに出発し、8時20分頃寄大橋まで着きました。
寄大橋はすでにほぼ満車… みなさんどこに行くのでしょうか。
赤い橋が、秋晴れに映えますね~
ゲートと管理小屋を越えて、どんどん進みます。
ピンクテープのある登山道を進みます。途中何度かゴーロの河原を渡ります。
左岸に崩壊地が見えてくると、寄沢が近いことがわかります。
登山道から離れ、木々に覆われた寄沢本流に向かいます。
この先に大滝があるとは、とても思えません。
すぐにF1 下部の岩がもろい…持ったら簡単に剥がれました。
丹沢の沢は岩がもろいので、慎重にホールドを選択しましょう。
2段5mを越えて、スライダー滝へ…
左の逆層をスラブを進みます。
こちらも支点は、見当たりませんでした。
ホールドはあるので、しっかり足を乗せていけば大丈夫
イイハシの大滝が見えてきました。秋晴れと紅葉が美しい。
半年ぶりにきましたが、やはり緊張感で身が引き締まります。
リーダーが、ルートを見極めながら慎重に進んで行きます。
岩と草付きのコンタクトラインは、変わらずでした。
リーダーが、途中でルートを探している見極めている様子がうかがえます。
残置スリングが2ヵ所ある所、ここが一つ目の核心か…
左から回り込んで岩に乗り上げるのが、難しそうです。
私が使ったのは、極小カチでした。
探せば、もっとよいホールドが見つかるのかもしれません。
すぐに2つ目の核心があります。ハング下の逆層をトラバース…
セカンドの坂部さんは、絶妙なバランスで越えて行きました。
私はリーダーのムーブを下からよく観察していたので、マネました。
(坂部さんはビレイしていたので、見えていなかったですね。)
ただ、左足を置いた岩が崩壊して滝つぼへ…
そこからビレイポイントまでの最後のスラブも慎重に登りました。
ビレイポイントは、以前の記録にあるとおり2人しか立てません。
安定して足を置けるスペースは2ヵ所、いずれも両足を揃えて立てるくらいの広さです。
上段側を見ると下に釜があり、足元からまっすぐ切れ落ちています。
釜があるため、上段の滝に取り付くのは難しそうです。
上段の滝を登った記録を、私は見たことがありません。
ビレイポイントからは、カンテを登り樹林帯へ入りました。
滝を登り切り、ひと安心…
緊張感から解放され、充実感でいっぱいです。
緊張感から解放され、ぼんやり昼食を取りました。
イイハシの大滝の登攀で約2時間、
入渓点からは、約3時間掛かりました。
すぐに寄沢本流の石が積み上げられた堰堤と寄コシバ沢の合流点になります。
寄コシバ沢は、ほぼ枯れ沢でした。
チョックストーン滝は、どちらからでも越えられそうです。
この滝を越えるとすぐに、沢を横断する登山道と合流します。
あとは、そのまま登山道を下りました。
イイハシの大滝登攀は、登攀力のあるリーダーのもと、
メンバーと天候に恵まれた時にのみ、チャレンジした方がよいと思います。
岩はかなり脆いので、十分に注意して挑戦してみてください。
寄大橋駐車場発(9:10)-入渓点(10:00)-イイハシの大滝上(13:07)-寄コシバ沢(13:35)-登山道(13:54)-寄大橋駐車場着(14:52)