三条の湯


【1月2日】
奥多摩に行く日には珍しく朝ゆっくりして、8時半に自宅を出る。お正月ということで、中央線はガラガラ。青梅線はまあまあ人が乗っていたが、大部分が御嶽駅で降りて行った。11時ちょうど奥多摩駅発の丹波行きのバスは10名程が乗車しており、お祭で下車したのは大きなザックの外人さん2人組と私だけであった。早速林道を歩き出し、30分で片倉橋に到着する。ここでウエアを1枚脱いだり、靴紐を結んだり、パンを食べたりしていると後続の外人さんが見えてきたので出発する。時々法面から落石があったりガサガサ音がするので、何かいるのか?とちょっと怖い。塩沢橋の先で、背後から音がしたので、“なになになに?!”と後を振り返ってキョロキョロしていたら、ちょうどおじさんが下山してきて挙動不審なところを見られてしまった。沢沿いの林道を気持ちよく歩いていくと出発から2時間半で登山道に入る。登山道と言っても非常によく整備されており、公園のなかの遊歩道と言ってもいいくらい歩きやすい。沢の様子を見ながら進んでいくと、谷側の斜面中腹に何か黒い物体を発見する。正体はカモシカ。ずーっと目が合ったままカモシカの脇を通過する。カモシカが見えなくなるところまで進んだが、フェイント的に戻ってみるとまだこっちを見ていた。

カモシカ

そんなことをやっているうちに、テントが1張見えてくる。三条の湯のテン場に到着。混雑していないテン場は魅力的だが、テン場の脇の沢には氷が張っており絶対寒い。テン場から一登りして小屋で受付を済ませる。まだ14時過ぎと時間は早いが、案内された大部屋に行くと既に7組もお布団が敷かれている。隣が男性なのか女性なのかわからないが、適当なところに布団を敷く。女性のお風呂は奇数の時間帯なので、15時までやることがなく本を読んで過ごす。15時少し前に、お風呂に行っていたと思われる男性陣が続々と戻ってくる。単独の男性3人、和歌山から来たというご夫婦、あとの二人組は小屋の人のようだ。なぜ小屋の人が同じ部屋に寝るのか不思議だったが、夜中も薪ストーブに薪をくべるためだと後で判明。15時ちょうどにご夫婦の奥さんがお風呂に行ったので、少し時間をずらして15時半にお風呂に向かう。ちょうど入れ違いとなったので、ゆっくりと入る。お風呂から上がるとまたやることもないので、ひたすら本を読んで過ごし、17時半に「夕食の準備ができました」と声が掛かる。6人でひとつの食卓を囲むが、単独の男性3人もご夫婦も60代くらいで、場違い感が半端ない。食事が始まると小屋のお兄さんがサービスの一環と思われるトークを色々してくれて、皆さん興味津々で質問したりしているが、正直あまり興味がない。私の“社交性スイッチ”も正月休みに入っているため黙々と食べるが、さすがに感じ悪いかなと思い時々話を聞いている風に相槌を打ってみる。食事が終わった後はまた本を読んだり、2回目のお風呂に入って過ごす。20時前からおじさんたちのいびきが大部屋に響き渡っていて、寝れるか不安だったが消灯の21時近くになるとなぜか静かになる。21時5分に部屋の電気が消え、気づいたら眠っていた。

【1月3日】
夜中に何度か目が覚めたものの、寒いと思うことはなくよく眠れた。暖かいお布団で、薪の心配をすることもなく眠れることが幸せだった。5時に部屋の電気がつき、5時半からおせちとお雑煮の朝食を頂く。まだ外は暗いのでお布団に戻り少しゴロゴロして、6時半過ぎに出発する。沢沿いの登山道を行くこと2時間で、サオラ峠に到着する。右手に富士山を見ながら進んでいくと30分程でだだっ広い尾根に出る。道が不明瞭で、こっちであっているのかな?と一瞬思うがピンクテープがあったのでそのまま尾根を進む。だんだん踏み跡もなくなり、やはり何かが違う。本来のルートからは外れているようだが、このまま突っ切って行けば登山道に出るだろうと更に進むが、色々考えてやはり戻ることにする。緩やかに下っていた尾根を登り返すと、「こっちであっているのかな?」の違和感は、「絶対違う」の確信に変わる。沢ヤ的には上等な道だが、奥多摩の一般登山道でさすがにこれはない。元の地点に戻り、倒木の上に座ってじっくり地図を確認してみる。方角はあっている、地形的にもこの尾根で間違いない。やっぱりさっきのルートであっているのかな?と一瞬思うが、いやいやあれは一般ルートであるはずがないと思い直す。尾根に乗るのではなく、尾根を巻くのか?と思ってキョロキョロすると細い登山道を発見。無事本来のルートに戻る。尾根を巻くように進むと、だだっ広い丹波天平に出る。尾根に乗るルートでも結局ここに出たなと思うが、軌道修正したことで良しとする。

丹波天平

引き返したりなんだりで、サオラ峠から1時間も掛かってしまった。それでもまだバスの時間に余裕があるので、分岐で少し休憩する。バス停のある親川方面に下りていくと、またもやだだっ広い空間に出る。山小屋の1軒、2軒は建てられそうな広さだ。でもこんなところに小屋があっても誰も泊まらないし、水場もないよなと思いながら下山していくと住居跡が出てくる。1軒目のすぐ先で登ってきた登山者とすれ違う。私は気づいていたが、そのおじさんはギリギリまで私に気づいていなかったようで、声を上げて驚かれる。たしかに場所が場所だけに、人が出てきたら怖いだろう。1軒目から少し行くと2軒目の住居だ。1軒目は建物が潰れてしまっていたが、2軒目はまだ住めそうなくらいしっかりしている。家が建っているだけあって日当たりもよく、手前には広場もある。少し前に腹痛の痛み止めを飲んだため、あくびが止らず眠くて仕方なく、まだまだバスまでたっぷり時間があるので、ここで昼寝をすることにした。広場まで行くのも面倒なので、登山道のすぐ脇のスペースでザックをまくらにして本格的に昼寝を始める。しばらくすると何か物音がしたので、動物か?と思って起きたらおじさんが登って来ていた。誰も来ないと油断していたが、よりによって廃墟跡で寝ているなんてさぞかし驚かせただろうなと思い、照れ隠しのために元気よく挨拶してみると、怪訝そうな顔で、「もう下りるの?どっから来たの?三条?」等と聞かれ、恥ずかしい思いをする。おじさんが通過して、また横になったところにまた登山者が来たがもうどうしようもない。30分くらいゆっくりして、腹痛も治ったので出発する。順調に高度を下げて行くと、おじさんが倒木を運搬具に積んでいる。一見怖そうなおじさんだったが、私が脇を通るときに「気をつけて通ってね。木が倒れていたから邪魔かなと思ってさ」と、めちゃくちゃいい人で、自然と「ありがとうございます!」と体育会系バリの声が出た。道路に出て、まだ時間があったのでお祭バス停まで歩く。12:15のバスのはずが時間になってもバスが来ない。何度も確認したけどな・・・と不安になっているとバスが到着。一番前の席に座りたかったが、他にお客さんもいないのにその席に座るのもなんだか気まずく後部座席についた。バスは貸切のまま奥多摩駅に到着した。


山行実施日:
2019年1月2日~3日
メンバー:
K
山域:
山行形態:
コースタイム:
1月2日 奥多摩駅(10:52/11:00)-お祭(11:40)-片倉橋(12:12)-塩沢橋(12:47)-青岩谷橋(13:43)-三条の湯(14:10) 1月3日 三条の湯(6:35)-サオラ峠(8:28/8:35)-丹波天平(9:30/9:40)-住居跡(11:00/11:30)-お祭(12:00/12:18)-奥多摩駅(12:55)
地形図:
丹波・雲取山
報告者:
K

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