9月も半ばに差し掛かりましたが、まだ夏模様で暑い日が続いています。気温もやや落ち着いてきましたが、泳ぎの沢へ遊びに行くにもちょうど良い気温です。そんな中、斎藤さんが中央アルプスの岩倉川の計画を立てて下さいました。

「東京起点沢登りルート100」の表紙にもなっている樽ヶ沢。序盤から綺麗な滝が連続します。水の色は透き通り、釜はエメラルドグリーン。一言でいえば「登攀も楽しめる美渓沢!」。滝も水も岩肌の色も全て美しい…綺麗が大渋滞する沢です。


下降で行った岩倉沢本流も明るく開けた沢で、キャニオニングのように滝を滑って下れる滝が多く夏の沢遊びに最適でした!
遡行から下降まで終始、とても楽しい山行になりました。
アプローチ
中央道伊那ICより県道19号を経て柿其川より岩倉林道方面へ。岩倉林道のゲート前にて駐車スペースがあるのでそこに駐車し、林道を歩き入渓点へ15分ほど歩くと橋が見えるのでそこが入渓地となります。


樽ヶ沢 遡行開始(7:40〜)
■ Co800〜
初めの3m+4m → 2段5m+8m → 8m(巻き)→ 20m大滝
入渓地からすぐに美しい滝が出てきます。F1から大滝までの短い距離の間、美しい渓相の滝が続きます。



そして現れる堂々たる大滝。かなり迫力がありますね。ここは左側の水流を登ります。古巻さんにリードして頂き、途中ハーケンを打ちながら支点を作成しつつ登っていきます。岩の滑りが強く、リードで登るのは大変そうです。

■ Co875〜
3段滝 → 美釜4m&滝の連続 … → 大滝20m
以降もずっと美渓は続きます。このあたりから美しい釜をもつ滝が目立ってきます。色はまさにエメラルドグリーン。岩のスケールもすごいですね。20mの大滝では先方パーティーの方が登攀されておりましたが、混み合ってるので私たちは右より巻いていきます。



■Co960〜
5m → 階段状6m → 2段10m → ナメ滝6×10m → ナメ滝4m → 岩くぐり4m滝
滝が多くて、記録に全部載せることができませんが、連続する滝を越えた後にナメ滝も出現します。これがまた立派でして…

Co1015の4m滝は、右側の岩の隙間から潜って登ることになります。意外と足のスタンスがなくて難しい。狭い隙間に体を挟みながら登ります。


■ Co1020〜
大滝13m → ゴルジュ→ 倒木あり5mチムニー滝
そしてまた現れる大滝13m。こちらは1段目を上がったところより右側から巻いて越えられます。その上には両岸が狭まったゴルジュゾーンを抜けて、倒木がある5mチムニーの滝になります。



この5m滝ですが、ちょうど倒木がありそれを利用して登るのですが、滝に取り付くのが意外と難しい。滝前に行こうとしてもちょうど良い足場がない上に水流が激しくなかなか取り付けません。私はかなりの水圧で水責めを喰らった後、2度ほど取りつきに失敗して流されて溺れかけました・・・


斎藤さんにお助け紐を出して頂き、なんとか突破。ここの取り付きが樽ヶ沢で一番苦しかったかな・・・
この滝を登ると連続していた滝は終わり、渓相がだいぶ変わってきます。
■ Co1070〜
風景・渓相が変わり穏やかに。水が少なくなり始める。
激しいチムニー滝を登ると、その上からは急に穏やかな渓相になります。倒木やゴーロなどを経て水がだいぶ少なくなり、源頭部に近づいてきた気配がします。そのままCo1100あたりまで遡行し、右側のザレを行くと木の堰堤があるのでそこから脱渓。林道に向かって詰めていきます。



■ Co1100〜
尾根を登り林道へ
一応林道までに作業道があるということですが、最初は道がわからず迷いました。目印となるものはないのですが、所々に人工的な切り株があり、不安ながらもその切り株に沿って登っていくと、金網やブルーテープが現れて正しい道であったことがわかりました。切り株の目印、とてもありがたかったですね。その後は林道に無事に出ることができました。


岩倉川本流 下降開始(12:10〜)
林道でお昼休憩を取った後は岩倉川本流を下降して、麓に向かいます。 岩倉川本流までの支流を下る行程中、滝の脇にはしっかり残置ロープがありましたので、高度ある滝でも降るのは安心でした。3箇所ぐらいロープが設置してあります。


■ Co960〜
本流合流 。大きい釜をもつ2段 5m+17m大滝(美しい!)
目下に岩倉川が見えてきて、岩倉川と支流の出合部分にはめっちゃ綺麗な釜が見える!この時点でテンションが上がります。かなり深く美しい釜と滝がありました。降りた後3人でしばらく見惚れてしまいました。(テンションが高い齋藤さんは釜を泳いでいました)


その後も岩倉川を下降していきます。
全体的に明るく、綺麗な釜をもつ滝が連続します。いや、これは素敵すぎる。

滑り降りるのにちょうどいい傾斜とサイズの滝が多く、斎藤さんと私は積極的にキャニオニング的に滑って釜にドボンして降りていきました。3〜4ヶ所ほど良い感じに滑り台になっている滝があるので積極的に遊びます。(それを暖かく見守る古巻さん)
いやー素晴らしい!

■ Co910 ・870
懸垂下降2回。大滝30m 懸垂下降で降る
Co910あたりでロープを出し懸垂下降で降ります。(ここは懸垂しなくても降りれたような箇所でしたが、念の為)続いてその後、大滝30mが出現。結構切り立つような崖になっているので、ロープを連結して懸垂下降で降りていきます。
降りた後ロープを回収する際に、ロープが木々に引っかかってしまいどうしても取れない。古巻さんが切磋琢磨で苦労しながらなんとか2つとも回収できました。古巻さんありがとうございます。危うく残置ロープになる所でした・・・

■ Co810〜
林道合流 下山
以降もいくつか釜を降り、最後少し登り返した後、ようやく林道に到着です。ちょうど降り立ったところにCo800の橋がありました。このまま林道を歩いて、ゲート入り口まで歩いて下山完了です。

夏らしいとても充実した楽しい山行でした。
凄いだの綺麗だの素晴らしいだの、語彙力が乏しく申し訳ないのですが、とにかく美渓の沢遊びができて大満足です。来年の夏も、もっと色々中央アルプスの山域に行ってみたいと思いました。リーダーで企画して下さった齋藤さん、登攀でリードして下さった古巻さん、ありがとうございました。
お疲れ様でした!
岩倉林道ゲート前(07:25)-大滝(08:05)-堰堤前(11:15)-林道(11:51)-岩倉川本流出合(13:10)-林道(15:45)-岩倉林道ゲート前(16:05)