牛ノ寝通り~奈良倉山

天候:晴

今年の沢登りシーズンは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、極めて遅いスタートとなってしまった。その上、個人的な事情もあって、日帰り山行しかできていない。長距離の歩きも不足気味、かつ、夏の定番、灼熱下山も同様。汗水たらす下山をテーマに、石丸峠から牛ノ寝通り、奈良倉山を経て、佐野峠から葛野川へと「下山訓練」をすることにした。(単に、安近短の沢登りに飽きただけとも…)

アプローチは、JR高尾駅から中央線の普通列車で甲斐大和まで。車内も結構混雑していたが、甲斐大和で降りる人の数が凄い。皆さん大菩薩へ行かれるのだろうが、バス何台で運ぶことになるのだろうか。幸い1台目に乗車できたが、途中下車なので補助席に座ることになった。
小屋平では、10名程度が下車。荷物を整理して出発。最初はそこそこの急登で、結構汗をかく。石丸峠に着くと風が通って気持ちがいい。人も、それほど多くなく、居心地のいい場所だ。水分補給の後、小金沢山方面へ。

石丸峠
石丸峠を振り返って

他の皆さんは、熊沢山の斜面を上がっていく。夏の盛りに標高の低い方へは行かないということなのだろうが、小金沢連嶺なら人も少なくて気持ちいいぞ~と思う人は少ないのかもしれない。”withコロナ”でも、登山者は分散するわけでもなく、相変わらず人気エリアに人が集中するようだ。もっとも、その昔から「避衆登山」などと言う言葉があるくらいだから、人気の山に人が集まるのは今に始まったことではないということか…。

牛ノ寝通りへの分岐
ひっそりとした牛ノ寝通りへの分岐点

石丸峠から数分で牛ノ寝通りの分岐へ到着。今までの喧騒が嘘のような静けさである。牛ノ寝通りへ入ってしばらく後ろから熊鈴の音が聞こえてきたが、すぐに聞こえなくなった。音の主は、おそらく小金沢山方面へ行かれたのだろう。分岐からは急な下りが続くが、1429m地点(萱ノ尾山)まで下ると、あとはほぼ平坦な道になった。樹林の中で眺望はきかないが、ブナなどの広葉樹の森なので明るくて気持ちがいい。途中で4人ほどの登山者とすれ違う。

大マテイ山の手前で、ぽっかりと樹林が切れる場所があった。なんでここだけ伐採してあるのかと思ったが、道標に「棚倉小屋跡」とあり、納得。かつては、ここに小屋があったのかと合点がいく。ちょうどお昼時なので、少し木陰に入ったところで、昼食休憩とした。

棚倉小屋跡
突然、ぽっかりと開けた場所に出るが…

昼食後は、大マテイ山を巻く道を進む。ピークまでの比高が6~70mくらいあるので、エネルギー節約だ。「日向みち」と道標にある。その先も「日向みち」をメインに進むが、鶴寝山は予期せずに登頂してしまった。大マテイ山はオプショナルだが、鶴寝山は必修課題のようだ。何故だ~。鶴寝山からは、一投足で松姫峠。車が3台ほど停まっていたが人の姿はなし。皆さんどこへ行かれているのだろう。

鶴寝山山頂
予期せず到着してしまった鶴寝山山頂

松姫峠からは、林道を奈良倉山方面に進むが、最近整備をしたようで、真新しい砂利を均したような箇所が多い。奥で作業の予定でもあるのだろうか。
林道から、左に「奈良倉山」と案内のある山道に入ると、10分ほどで奈良倉山の山頂に着いた。展望もない林の中の平地である。一か所、”天望所”と書かれて樹林が伐採された一画があるが、霞んで遠望がきかず残念な感じ。往路を戻らずに林道へ下る道がありそうなのだが、判然としない。”天望所”の先が怪しいのだが、夏草の藪に覆われており、ぞっとしないので、そのまま来た道を林道まで戻る。

奈良倉山から佐野峠へ向かう林道
奈良倉山から佐野峠へ向かう林道は、最近補修がされたようだ

林道を佐野峠方面へと向かうが、最近整備された様子が続いて、非常に殺風景である。旧林道の趣を期待してたので、少々残念。汗をかきながら黙々と歩いて佐野峠着。ここから直接中風呂へ下る道は、「登山道ではありません。西原峠から下山してください。」と注意書きが出ている。しばし思案したが、刈り払いなどされていないだろうから、ヤブ漕ぎになってもなあ…と思って、西原峠まで進む。しか~し、そこから下る道もたいがいだ。夏草がモリモリ育っていて凄そう。

西原峠から下る道
写真だと判然としないが、実際にはもう少し道があるのが判ることは判る…

これだったら、佐野峠からの道の方がよかったりして…。とは言え、降りないと帰れないので、意を決して突入!植林帯に入るころには、ややまともになるが、終盤あたりで、ついに道が崩落している。滝の高巻きかっ!!ていうような、ザレ&藪のトラバースを数十mこなして、廃屋の裏へ到達。表に回ると、やっぱり夏草に覆われて道も判然としない。地図の破線を信じれば、右方に回り込むと橋があるはず…。

…あった。よかった。橋を渡るとすぐに国道に出るが、バスの時間を1分オーバー。行っちゃったかな~と思ってウロウロしていると、奇跡のようにバスがやってきた。手を挙げて停まってもらい、冷房ガンガンの誰もいない車内でクールダウン。

中風呂橋
あってよかった中風呂橋。葛野川を渡れば、すぐに国道である

このまま一人きりかと思ったら、途中で中高年登山者のグループが乗ってきた。猿橋駅で下車し、灼熱下山完遂祝いということで、コンビニで冷えたビールを調達。猿橋駅のホームに先に入り、誰もいないのをいいことにTシャツのみ着替えて、ビールをごくり…。電車山行のよさはこれだよね~。

さてさて、西原峠からの下り道は、下山訓練の締めくくりとしては想定外の「成功」だったが、正直夏に歩く道ではないな。それに、最後のトラバースは道を外した可能性も否定できず、いつか草のない時期に再確認したいと思った次第。


メンバー:古巻
山域:大菩薩連嶺
山行形態:ハイキング
コースタイム:
小屋平BS(9:00)-石丸峠(9:45)-萱ノ尾山(10:56/11:00)-大ダワ(11:56/12:21)-鶴寝山(13:02)-松姫峠(13:16)-奈良倉山(13:52/57)-佐野峠(14:45)-西原峠(15:10)ー佐野峠入口(16:07)
地形図:大菩薩峠・七保
報告者:古巻

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