滝子山~大鹿峠

(天候)11月15日:晴

11月2日に続き体力維持のためのトレッキング第2弾を計画。前回も今回同様、大菩薩エリアのルートもいろいろと検討したのだが、車を使おうとするとあまり面白いルート設定ができずに見送った経緯がある。今回は鉄道のみでのアプローチにして、滝子山を中心に周辺の歩いていない区間を繋ぐルートを設定して計画書を提出した。

今回登りに使った滝子山南陵は、山歩きを始めた当初から気になっていたルートである。しばらく忘れていたのだが、一昨年星野さんが歩いた記録を読んで、そう言えば歩いてみたかったところだなあと改めて思い出したルートでもある。
滝子山から北の大谷ヶ丸との間は歩いていない空白区間。大鹿峠から道証地蔵へ直接降るルートは以前に歩いた時に気になったルート。という次第である。

滝子山南陵から滝子山へ

JR笹子駅で甲府行きの列車から降りる。同じ列車からは数組の登山姿のグループが降車した。過去数回はもう少し静かだった記憶があるので、今日は人出が少し多いのかもしれない。改札を出る前に”お湯の出る蛇口”をひねって「ああ、何時ものとおりお湯が出る」とにやっとしてから改札を出る。甲州街道を渡り、笹子餅のみどりやさん前を通過。このお店は土日祝日限定営業らしいが、朝7時からやっており暖簾が出ていた。帰りに買って帰ろうと思ったのだが…。

甲州街道から住宅地の中を通り、中央自動車道を越えて道証地蔵へと続く林道の入り口まで30分ほど。入り口のゲートを入ったところでカロリー補給。車でアプローチする人がぽつぽつと駐車してあったが、余地はまだたくさん残っている状態である。

ゲートから5分ほど、南陵への入り口は「山火事注意」の看板が目印だ。3人連れのパーティが休憩中だったので、お先にと声を掛けて先に進む。落ち葉が積もって進路が分かりづらいが、うっすらと人の通った跡があるので拾いながら奥へと進む。途中「寂惝苑」と札の懸かった建物の前を通過。だいぶ荒れていおり、もはや使われてはいないようだ。この建物の所有者だった方が南陵に登山道を拓いたらしく、それ故南陵は「寂惝尾根」と通称されているとのこと。

荒れた斜面を少し登ると、階段が出てきて林道に飛び出す。ここから先が南陵の本番だが、林道の反対側の登り口をうっかり見落とす。右に少し進んで尾根を回り込むあたりで「?」と思い、持ってきた登山地図を確認すると林道に出てから登り口はすぐ目の前だったことが判明。
10分のロスで正しいルートへ復帰。尾根の側面を急登して尾根に乗る。途中で、少し前に追い越した2人連れを追い越す。ちょっと恥ずかしい…。

追い越す際に、おふたりから「何か鳴き声を聞きませんでしたか?」と聞かれる。そう言われれれば下の方で犬がだいぶ騒いでいたようだったので「ああ、犬がだいぶ鳴いてましたね」と答えると、「ああ、犬ですか…」と。どうも熊を警戒していたようだ。
帰宅してから、記録を見てみたら数日前にこの辺で熊が目撃されていたらしい。まあ、今日は人も多いし気配はまったく感じなかったのだけれど…。ぼくは犬の鳴き声で、狩猟シーズンなのかなあとぼんやり考えていただけなので、受け答えがちょっとちぐはぐだったかもしれない。

林道からは急登で尾根に乗る
林道からの登り始めはなかなかの急登だ。

南陵は岩場が連続する難コースという宣伝が行き届いているので、チャレンジするハイカーも多いのだろう。思ったよりも人が多く入っていたのはちょっと意外だった。
林道から1時間ほど登ったところに「鳥獣保護区」と書かれた赤い看板が立っており、ちょうど倒木も横たわっていたので腰かけて休憩。

休憩がてら登山地図を眺めてルートを確認。ここから少し岩場度がアップするようだ。少し痩せ尾根気味で左右が切れ落ちているところもあるから転げると剣呑であるが、転がり落ちるのが心配になるほど細い尾根というわけでもない。鎖が一箇所垂れているが無くても問題ないし、逆になんでそこだけ?という感じで不思議な鎖である。下りで使う前提なら、もう何か所か設置されていてもよさそうだし…。ちなみに、このルートを降りに使うのは推奨されないようだ。
ちょっとだけ岩登りっぽい雰囲気を楽しみながら30分ほど登ると浜立山方面への分岐となる頂稜に登りつく。右へ進むが、意外とアップダウンが続いて最高点までさらに20分ほどかかった。

南陵上部の岩場
南陵の上部は岩場が続く。
樹間に滝子山最高点を望む
樹間に最高点のあるピークが望まれた。

最高点付近には、10人ほどが休憩中。南を望むと裾野は雲で隠れていたが、雪の乗った頂上部のみ富士山が顔を覗かせていた。北側は大谷ヶ丸から黒岳へと続く南大菩薩の山々と大峠の鞍部を隔てて雁ヶ腹摺山が大きく見渡せた。

南大菩薩のスカイライン
最高点から北を望むと南大菩薩の稜線が大きい。

昼休憩には少し早いので、写真を撮って15分ほどで頂上を後にする。頂上直下の分岐をいったん右に取り三角点に寄り道。滝子山の三角点は1590.3mの二等点だが、最高点から少し下ったところに設置されている。最高点の賑わいに比べると、こちらには誰もおらず静かな佇まい。先に進むと、藤沢集落を経て初狩駅に至るが、一番最初に滝子山に登った時はそちらへ降りている。もはや大昔の話だが…。

滝子山三角点
最高点から少し下ったところにある滝子山の三角点。

滝子山から大谷ヶ丸へ

三角点からは来た方向へ引き返し、頂上への道を分けて右のトラバースルートに入る。ずみ沢方面への分岐を過ぎるとトラバースから幅広の尾根上を行くようになるが、落ち葉が積もって道が分かりづらい。足元の感覚も動員して道を辿るが、途中からどうも道を外している様子だ。足元がもふもふしている。地形を見ながら、道が続いていそうな方向へ進むと、やがて足元がしっかりしてきて道型に復帰したことが分かる。ただ、今日のルートはそれ以降そんなところが多かったように思う。まあ、尾根を外さなければ方向を誤ることはないので安心なのだが…。

うっすらと分かる踏み跡をたどる
うっすらと判別できる踏み跡を追って大谷ヶ丸へ。

それにしても今回はずみ沢道の分岐を過ぎた後、道証地蔵に降り着くまで、誰にも会わなかった。滝子山周辺は、ずみ沢ルート・南陵・初狩駅ルート以外はあまり歩かれないようだ。おかげで静かな山歩きが楽しめるのだが、なんだかちょっと勿体ない気もする。

静かな登山道を1時間ほどで大谷ヶ丸の山頂。誰もいない。
ここは2度目かな…。前回は北の方から湯ノ沢峠を経て大谷ヶ丸、曲沢峠と歩いて大鹿峠の手前から景徳院方面へ下山し、甲斐大和駅まで歩いた記憶がある。
山頂で大休止、昼食タイムとした。

大谷ヶ丸から大鹿峠

大谷ヶ丸山頂から大鹿峠までは以前に歩いたことのあるルートだ。大鹿峠手前の景徳院分岐までは同じ方向で、大鹿峠から曲沢峠まではお坊山方面から逆ルートで歩いている。

広葉樹の林の中を辿るトレイルは落ち葉が積もっていて、階段のところなどはちょっと滑りやすいので気を遣うが、静かで雰囲気がいいのでもう少し歩く人が多くてもと思うが、展望があるわけでなし、地味なのが不人気の理由なのかもしれない。

稜線の登山道は初冬の佇まい
すっかり葉を落とした雑木林の道

大谷ヶ丸からは1時間ほど、ガサガサと落ち葉を蹴散らしながら歩くと曲沢峠に到着する。少し左へ戻る方向へ分岐する道を降るとずみ沢沿いの登山道に合流する。
今日は直進してさらに大鹿峠まで行くのだが、最初は”オッ立”と呼ばれている1301m峰の北面のトラバースである。その後景徳院方面へ降るルートを分岐して大鹿山を越えて進む予定だったのだが、知らずに大鹿山の南面を巻くルートに入っていた。う~む、登るのを本能的に回避したのかも…。戻るのも面倒なのでそのまま進む。

落ち葉に埋もれた登山道
大鹿峠への道も落ち葉に覆われている。

再度、景徳院方面への登山道の分岐を過ぎてひと降りすると大鹿峠である。前回同様、右手が大きく崩れており、そちらへ向けて「景徳院」という道標が設置されている。どう見ても降れないのだが訂正されていないのは何故だろう…。
古びたベンチがあるので最後の休憩ということでパンの残りを食べて、歩き残していたルートへ。

大鹿峠から道証地蔵、そして笹子駅へと戻る

大滝峠からは直接笹子方面へ下山する
大鹿峠から笹子方面へ下山するルートの入り口には道標がぶら下がっている。

大鹿峠から道証地蔵へ直接降るルートはおそらく送電線巡視路なのだろう。道型は比較的はっきりとはしているが、あまり歩かれた形跡がないし、少々荒れている。大鹿峠からの降り出しに「笹子駅」と方向を示す看板がぶら下がっているので、一応登山道としては現役のはずだが…。
途中、古ぼけたベンチが2箇所ほど残されている。トラバース箇所も多い。積もった落ち葉も深く落ち葉ラッセルを強いられる。植林帯を通るところもあって少々薄暗いので歩いて楽しい道ではないように感じた。
一箇所、変な方向にピンクテープが下がっていて、そちらへ行きかけたのだが「いやどう見ても違うでしょ」という感じなので、ピンクテープとは異なる方向へ進んだのだが、それが正解だった。その少し先でも地形図上で分岐となる箇所があり、送電線沿いに直進するルートにもピンクテープがぶら下がっていたのだが、右へ降っていく方が道型がはっきりしているし、直進ルートは下部が沢沿いになっているので、徒渉とかになると面倒なので、ちょっと遠回りにはなるが右のルートを選択した。

そんな調子で40分ほど降っていくと、眼下に車道が見えてきた。地形図では点線の歩道扱いだが、しっかりした舗装路が続いている。右方向へずっと行くと地形図では途中で道が切れているので、左が正解だが、杉林をショートカットできそうなのでそちらへ進んでみたら、間伐されたらしき丸太や枝打ちされた枝が散乱していて大変に歩きづらい。素直に林道を回り込んだ方が楽だったかもしれないと思いながらも、そこから15分ほどで道証地蔵のところに辿り着き、ずみ沢道と合流した。ここで山頂以来初めて他の登山者を見かけた。こちらが歩いてきたルート、人は少なかったが熊の痕跡も見かけなかったので、あまり熊の出没するエリアではないのかもしれない。

道証地蔵からは足早に笹子駅への道を辿る。時間があれば笹子餅を買って帰ろうと思ったのだが、店の前にくると非情にも「本日売り切れました」の張り紙が…。うー朝のうちに買っておくのが正解だったようだ。次からはそうしようと心に誓い、16時8分発の高尾行きに乗車。高尾からは京王線で新宿まで出て、少し用足しをした後帰宅した。

ということで、今回の未踏区間を繋いだハイキングで大菩薩峠から笹子・初狩駅までの間は、マミエ入り沢を詰め上げたところから小金沢山の間を除いて踏破済みとなった。
大菩薩峠の反対側も、ハイキング・沢登りでだいぶ歩いているので気になる未踏区間はかなり少なくなった。また、機会があれば未踏区間を繋ぐ計画を練ろうと思う。


メンバー:古巻
山域:大菩薩連嶺
山行形態:ハイキング
コースタイム:
JR笹子駅(8:00)-林道ゲート(8:30/40)-南陵登り口(8:44)-南陵Co1270付近(10:00/05)-滝子山山頂(11:03/15)-滝子山三角点(11:20)-大谷ヶ丸(12:23/50)-曲沢峠(13:38)-大鹿峠(14:08/13)-道証地蔵(15:07)-JR笹子駅(15:57)
地形図:笹子
報告者:古巻

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