小赤沢20m大滝

笠科川小赤沢


(天候)9月14日:晴

敬老の日の三連休。中日が仕事というありがちな展開のため、14日日帰りでの山行を計画した。単独なのでハイキングにでもしようかとも思ったが、せっかくなので沢に行きたい。しかし丹沢、奥多摩では詰まらないので、笠科川流域で遡行していない小赤沢を選択した。が、さて下山はどうしようか。鳩待峠から車道を下山というのも味気ないし、井戸沢は以前下降したことあるし。地形図とにらめっこをして、井戸沢と同じ1866.9m峰から流れ下る津奈木沢の枝沢を下降する計画を捻り出した。

前泊は久しぶりの道の駅白沢。相変わらず静かで落ち着いた雰囲気である。翌朝、コンビニで朝食などを摂りつつ、戸倉方面へ向かう。車は津奈木橋で左折して井戸沢橋手前の広くなったところへ停め、身支度を整える。車道を津奈木橋方面へ戻り、小赤沢の出合まで約40分。車道が笠科川本流を渡った先で、本流へと降り立つ。少し上流で対岸から小赤沢が出合う。出合の下流が少し深くなっており、腿くらいまでの渡渉となる。小赤沢の出合には小滝が懸っており、先は少し薄暗い雰囲気だ。

小赤沢出合
小赤沢出合

30分ほど岩の転がるゴーロ状を遡るとハングした3m滝が現れる、ここは左から小さく巻き気味に越え、さらに15分ほど進むと、右岸から多段滝で流入する枝沢を迎える。この辺りから、徐々にスラブの滝とナメを交えた渓相になる。小さな沢だが、天候もよく、きれいだなと思わせる風景にも出会えた。

多段の滝で出合う枝沢
多段の滝で出合う枝沢
下流部はしばらくゴーロが続く
下流部はしばらくゴーロが続く

Co1440付近に左岸から出合う枝沢を見たところで一旦休憩。そこから上流は、徐々に沢が開けて明るくなる。ナメが優勢となり、なかなかいい雰囲気だ。

少しづつナメが出てくる
少しづつナメが出てくる

Co1600付近で4mのハングしたスラブ滝が懸かる。滝の下で左岸から枝沢が合流している。この滝は直登が難しいので左岸の草付きを少し上がり、小さく巻いて越えた。滝の上はしばらくナメが続く。

小赤沢、ハングした4m滝
小赤沢、ハングした4m滝

そこから約10分で、いよいよ20mの大滝が登場。小さな沢の割にはなかなか立派で見映えがする。下の方はかぶっており直登はできない。手前の草付き斜面から大きく巻く踏み跡も見えたが、滝本体すぐ右手の岩斜面を登れば、少し小さく巻けそうだ。赤茶の濡れた岩場を登り、最上部のみせり出した大岩を右手から巻き上がり、笹の斜面をトラバースして滝の上に出る。10分強の高巻きだ。

小赤沢20m大滝
小赤沢20m大滝
小赤沢20m大滝
小赤沢20m大滝を巻きの途中から

大滝より上流は、開けた気持ちのいいナメが続く。大滝前後が、この沢のハイライトだろうか。

開放的なナメと煌く水
開放的なナメと煌く水
開けたナメが続く
開けたナメが続く

やがて、流れも小さくなり源頭の雰囲気に。ボサもかぶってくる。右に2:1、1:1と枝沢を分けると、藪漕ぎに突入する。背丈よりも高い笹薮を押し分けるように進む。方角は北へと進めば登山道へ出るはずなので、時々コンパスをのぞきながら藪漕ぎを続けること40分ほどで笹が途切れがちになり、樹林を進むようになる。さらに数分進むと、木道が横切り登山道へ到着である。

詰め上げた地点は、横田代と鳩待峠の中間地点辺り。時間が中途半端なためか、人通りはない。樹林も少し開けているので、笹薮からいきなり登場せずに済み、ハイカーにとっても優しい(クマが来たと驚かせずに済む)詰めである。
水分補給で少し休憩したのち、木道を鳩待峠方面へ向かう。時間的には、沢下降でもそれほど遅くならないだろうと読み、予定通りのコースを進むことにした。鳩待峠まで30分弱。ハイカーでなかなかの賑わっており、沢を詰め、藪を漕いだ後の風体はかなり場違いだ。ヘルメットは外しておいたが、目立たぬようそそくさと広場を横切り至仏山への登山道へ入る。

ハイカーで賑わう鳩待峠
ハイカーで賑わう鳩待峠

下山してくる人がたくさんいるなかを逆に進む。下山する人から見ると、これからどこへ行くのか?と思う状況だ。下降地点と目星を着けていたあたりで、ニ人組のハイカーとすれ違う、通り過ぎてから笹薮に突入しようとしたら、眺めがそこそこいいせいか、後ろで休憩しているではないか…。このままでは、下降に移れないぞ。止む無く、こちらも写真を撮ったりして時間を潰す。二人組が歩き始めて姿が見えなくなるのと、次のハイカーがしばらく通らないことを確認して、笹薮突入。
下降のヤブ漕ぎは早い。5分も笹をかき分けると窪状に沢型が現れ、更に5分で水が流れ始めた。

津奈木沢枝沢最上流部
津奈木沢枝沢最上流部

隣の井戸沢はナメ主体の渓相だったので、ここも同じような渓相だろうと予想していたが、しばらく石の転がった狭い沢床を下ると、予想通りスラブ状に水を落とす渓相に変化した。赤茶のスラブで、このままスタスタ下って行けば順調…と思ったところ、この岩は濡れると大変に滑りやすいようだ。突如つるっとフリクションの効かなくなるポイントがある。沢は傾斜もだんだん出てきて、スラブの斜瀑が連続したような渓相になる。傾斜がある場面では、笹を掴んで一歩一歩確かめながら降りることになり、とても神経を使った。井戸沢を下降したときにはそんな感じはなかった…と思い、帰宅して記録を読み返したら「結構滑りやすく気を遣う」と書いてあった。記憶とはいい加減なものだ。

赤茶の滑る岩質
赤茶の滑る岩質
傾斜のあるナメが続く
傾斜のあるナメが続く
滝と言える傾斜の部分
滝と言える傾斜のところは慎重に下る

1時間弱でCo1495の左岸枝沢出合。そこから4m、5x7mの滝(と認定した部分)を下ると、ようやく傾斜が緩んでひと安心。ナメはしばらく続くが、やがてゴーロ状となり県道の橋が現れた。県道をそのまま下ってもいいのだが、味気ないので橋を潜りそのまま下降を続ける。と、県道の擁壁が切れた辺りで堰堤が現れた。地形図では津奈木橋のすぐ上流に堰堤記号があるが、早くもここで堰堤が現れたとなると、先は堰堤の連続だろうと予想できた。本流の方はどうか、と思って小尾根を乗っ越して本流を覗くと、こちらも連続する二基の堰堤が確認できた。堰堤を巻き下るのは時間もかかるし、何より詰まらないので、そこからワープ航法にて津奈木橋へと戻った。実働10分。津奈木橋からは、さらに10分弱で駐車地点へ戻り行動終了。

天候に恵まれたこともあり、小赤沢は意外と楽しめた。大滝は思ったよりも見映えがしたし、藪漕ぎもそれなりに手応えがあった。下降の沢も、滑るけど初見のプチワクワクを味わえたのでよしとしたい。

帰路は、途中のコンビニで川場ビールを買い、関越道のSAでは、最近職場で頂いて美味しかったお菓子を仕入れて、充実の(何が?)山行を締めくくった。

遡行図(笠科川小赤沢)
遡行図(笠科川小赤沢)

山行実施日:
2019年9月14日
メンバー:
古巻
山域:
山行形態:
コースタイム:
井戸沢橋付近P(8:05)-小赤沢入渓(8:40)-Co1440付近(9:55/10:00)-20m大滝(11:00)-登山道Co1770付近(12:23/35)-鳩待峠(13:00)-津奈木沢枝沢下降点(13:35/14:00)-Co1495二俣(14:57)-県道橋潜る(15:20)-津奈木橋(15:45)-井戸沢橋付近P(15:53)
地形図:
至仏山
報告者:
古巻

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