太田切川中御所谷西横川_大滝

太田切川中御所谷西横川


天候:晴ときどき霧

脱単独行の初回は、伊藤さんの計画した中央アルプスの西横川に参加。当初は、越後方面の予定だったが、天候不順のため、少しでも天候の崩れが少ないエリアに計画を変更。中央アルプスは数年前の空木岳集中山行以来だ。
前夜は、JR塩尻駅集合のため、新宿から中央線の特急に乗車。新型車両でフリーWi-Fiは使えるし、座席にコンセントも付いていて至れり尽くせり。大変快適であった。おまけに、夕方発の列車のせいか、車両に5人程度しか乗車していない。三密を回避し、かつのんびりと久しぶりの列車の旅を楽しんで塩尻駅着。
塩尻駅からは伊藤さんの車にピックアップしてもらい、一路、菅の台バスセンターへ。22時過ぎに到着したが、結構な台数が駐車しており、人気のほどが伺える。
駐車場に隣接する観光センター前にはテントが立てられており、椅子・テーブルも設置された打ってつけの前夜祭会場が。会場には、既ににぎやかなグループがもう一組。関西系のイントネーションの方々だったが、聞いたら、中御所本谷へ行く沢のグループであった。それにしても、ほかの人たちはみんなおとなしく車内…なのかしら。
さて、翌朝は5時半にバス待ちの列に並ぶ。チケットは、往復のバスと片道のロープウェイがまとめて買えた。並ぶこと1時間ほどで、やっとバスに乗車。しらび平駅には7時過ぎに到着。身支度を整えて、皆さんとは逆方向へ。3分ほど道を戻ったしらび橋から入渓。

太田切川中御所谷西横川_しらび橋へ向かう
しらび平バス停から、ロープウェイの駅を背にしらび橋へ向かう

入渓直後に堰堤が2基。それぞれ右岸から巻いて越える。しばらくはゴーロ歩きだ。二つ目の堰堤から10分弱で東横川との二俣で、双方にナメの斜瀑が懸かっている。東横川の奥には大きめの滝が落ちているのが見えた。我々は、左の西横川へ進む。

太田切川中御所谷西横川_最初の滝
西横川、東横川を分ける二俣に懸かる最初の滝を快適に越える

出合の滝とすぐの小滝を越えると、大岩の転がる谷に。大岩をえっちらおっちら越えていくと、滝優勢の渓相になる。花崗岩の沢なので明るく開放的だ。3~5mほどの滝を10以上越えただろうか、どれも快適に越えていける。

太田切川中御所谷西横川_6mトイ状2段滝
下段が少しひょんぐり気味の2段トイ状滝は左岸バンドを斜上

短いゴルジュ状の箇所を過ぎ、再び大岩の転がる少し荒れた渓を進むと、前方に高みから落ちる滝が見えてきた。滝の左壁を先行の二人パーティが登っているのも見えた。そこから、さらに滝を二つ越えると、大滝前に到着。優美に水を落とす、なかなか姿のいい滝だ。ルートは左壁。中段下までは、乾いた壁を快適に登っていける。中段から上部は、草付きの窪状の側壁を直上。途中滑ったところもあるので、上部はザイルを出して登攀する。30分弱で、無事大滝を越える。

太田切川中御所谷西横川_大滝
青空をバックにした大滝は、なかなか姿よく見映えがする

大滝の上で、顕著な二俣。Co1970付近だ。水量比は左1対右3。左右ともに20mのナメ滝を懸ける。右の滝を越えたところで一息入れる。その後は傾斜のある沢に滝が次々と懸かり息をつく暇もない。
大滝を越えるまでは、青空ものぞいていたが、休憩のころからガスが降りて来て、時おり視界が遮られる。それはそれで雰囲気もあるが、やはりこの沢には青空が似合うと思う。
ともあれ、5~10m前後の滝をぐいぐいと登って高度を稼ぐが、はてここは滝なのか、傾斜の急なナメなのか。遡行図を書く人により判断は十人十色になりそうだ。
そして、傾斜の緩む場所のない、滝の連続のような沢をぐいぐい登る伊藤リーダーには「そんなペースで登るとすぐ終わっちゃうよ~」との声もかかる。

太田切川中御所谷西横川_大滝からも滝が続く
大滝を越えても滝が続き、ぐいぐいと高度を上げていく
太田切川中御所谷西横川_中間部ナメ滝
滝?ナメ?…どっち??…まあ、これは滝かなぁ

そんな調子で1時間ほども滝登りを続けると、Co2270付近の変則三俣に到着。左は殆ど水のない窪状。中と右は、水量比3対1。真ん中は、ゴルジュ状の中に小滝を懸けている。渓相は中央が一番よさそうだ。中俣に入って直ぐは、急傾斜のナメとなる。階段状で登攀に労はないのだが、ここはナメ?滝?急傾斜のゴーロ?と、相変わらず判然としない。先人の記録では多段20mのナメ滝としているものもあるが、そういう風に見ればそう見えなくもないか。

太田切川中御所谷西横川_Co2270付近三俣
Co2270付近の三俣は、水量の多い真ん中へ進む
太田切川中御所谷西横川_三俣上部の多段滝
これが世に言う多段20mナメ滝か??

谷が少し開けると、5mほどの滝をいくつか越えて、最後に岩ゴツゴツの特徴的な5m滝を左岸から小さく巻くと、水は減り、ゴーロゴロの急傾斜の谷に変貌。水が無くなりかけたCo2400付近で水を汲み、さらに20分ほどで、伊藤さんが右手に人工物を発見して、長谷部新道に到達した。右手の人工物は、遭難碑だが、台座の岩から剥がれて、岩の基部に立て掛けてあった。補修しないと、無くなってしまいそうだ。
長谷部新道の横断点は、晴れていれば、眺めがよさそうなのだが生憎のガスの中である。昼まで少し間があるが、朝も早かったので、昼食休憩とした。30分ほどものんびりと寛いでから、長谷部新道を千畳敷方面へと辿る。

太田切川中御所谷西横川_長谷部新道
長谷部新道は、概ね歩きやすい道が続いていた

基本的に、水平にトラバースする道で歩きやすい。所々崩壊箇所もあるが、ロープが張られていたりするし、倒れた倒木の枝が払われているところもあったりと、全く人の手が入っていない感じでもない。一応、廃道で地図からも抹消されているのだが、迷いやすい箇所もほぼ無かった。歩いていると、少しずつガスが切れて、上部の稜線が望めたり、千畳敷の様子が窺えたりと、なかなかと雰囲気のいい静かなエピローグであった。

太田切川中御所谷西横川_長谷部新道から千畳敷カールを望む
ガスも切れて少し青空が覗き、千畳敷方面の視界が開けた

さて、そんな静かな道を小一時間辿ると、千畳敷カールの遊歩道の一角に飛び出る。そこから5分で、雄大なカールをバックに写真の撮れる看板の設置された場所に到着。観光客やらハイカーやらが大勢で、写真を撮りあっていた。
当方は、そこでジャラジャラうるさい腰回りの装備を外したりして、一般ハイカーに成りすますが、少しおしゃれ度と清潔度に劣るよね、やっぱり。

太田切川中御所谷西横川_千畳敷カール
観光客やハイカーで賑わう、「千畳敷カール」の看板前

看板からは10分弱で、ロープウェイの千畳敷駅へ到着。かつて、家族と何度も千畳敷を訪れたという高森さんは、感慨深く周囲を見回し、去りがたい風情であった。
ロープウェイは、時間が早いせいもあって30分待ちほどで乗車でき、しらび平でのバスの待ち時間も10分ほどで済んだが、バスターミナルに着く頃に土砂振りの雷雨となった。すぐに、雨雲は通り過ぎて行ったが、山上で遭遇したら怖かったかも~。

その後、温泉でゆったりと汗を流し、坂部さんお奨めのお店で定番のソースカツ丼を食した後、JR茅野駅で伊藤さんと別れて、特急で帰ったのであるが、そもそも20分ほどの遅れで発車した特急は、大月駅を過ぎたところで事故に遭遇して2時間半以上の遅れで到着することになった。

久しぶりのアルプスの沢だったが、ほとんどの滝が登れる爽快な沢であった。贅沢を言えば、もう少し緩急があると適度に休めるのに~と軟弱に思ったりもするが、最近、ひとりで森の中の沢ばかり歩いていたので、新鮮だったし、やはりみんなで歩く沢は楽しかったのであった。

太田切川中御所谷西横川_遡行図
遡行図(太田切川中御所谷西横川)

山行実施日:
2020年9月27日
メンバー:
伊藤(L) 坂部 高森 古巻
山域:
山行形態:
コースタイム:
しらび橋(7:30)-Co1740二俣(7:48)-大滝上(8:55)-Co1970二俣上(9:05/15)-Co2270分岐(10:18)-長谷部新道(11:17/50)-千畳敷カール看板(12:45/58)-ロープウェイ千畳敷駅(13:05/30)
地形図:
空木岳
報告者:
古巻

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