(天候)11月25日:晴ときどき雨
11月下旬、市中は紅葉を求めて全世界から人が集まり大混雑の京都だが、山に入ればほどほどの混雑。山頂からは眺めも開け、また違う京都の魅力と出会える。京都旅行のついでに、喧騒を逃れて大文字山で半日ハイキングを楽しんできた。
のっけから大文字山ではない写真で恐縮だが、京都市の南、宇治のまちも平等院界隈は少し混雑していたものの、それ以外は人出もそれほどではなく落ち着いた雰囲気が好ましかった。
ただ、来年の大河ドラマの主人公が紫式部ということで、宇治市も観光に力を入れているようだ。某アニメも4月からは新シーズンがスタートするので、来年の宇治は少し人出が増え混雑するのかもしれない。
さて、閑話休題、大文字山である。
大文字山を巡るトレッキングルートは多いが、今回は銀閣寺から火床経由で山頂に至り、日向大神宮経由で蹴上に降るルートを歩く計画である。
朝、雨がパラついていたが、銀閣寺道でバスを降りる頃には薄日も差す天候となっていた。ただ、雲の流れが速く、日本海側からの雲が切れ切れに流れ込んできているようでもあり、予断を許さない。
バス停からは銀閣寺の参道を歩き、法然院通りにぶつかったところで、銀閣寺には入らず左折。突き当りの神社前も右折気味にカーブしてしばらく行くと「大文字入口」の看板が出ている。
看板を過ぎると、道は未舗装になり沢沿いをしばらく歩いて堰堤前で右手の橋を渡って対岸の山道へと入って行く。
歩きやすい山道を20分ほど登ると、長い石段が出てくる。登り切って5分ほども歩くと、前方が開けてくるが、同時に雨もパラパラと…。すぐに雨脚が強まり本降りの様相となる。
大文字の火床に出たが、樹林からも出るので雨を避けることができない。傘を出すのも面倒なので、ひとまず火床中央にある弘法大師堂へ逃げ込む。
目の前には京都市街の眺めが広がっている。麓から40分ほどでこの眺めが得られるというのはなかなか貴重だ。人もそれほど多くないので落ち着いて眺めを堪能できる。
しばらくすると雨も小止みになったので、弘法大師堂から出てあちこち周辺を歩き回った。
晴れていれば、紅葉の色合いももう少し鮮やかなのだろうが、日光が届かないのでややくすんだ紅葉なのは残念か。
弘法大師堂は「大」の字の中央部の縦横の線が交わるところにあるので、左右を見下ろすと左右のはらいの部分の様子がよくわかる。
右手は山腹の紅葉がきれいだったが、曇り空でちょっと色が冴えない。
正面中央の小山は、送り火の「法」と「妙」が焚かれる山である。
弘法大師堂から真っすぐ斜面を上がると「大」の字の一番てっぺんまで行ける。
一番上の火床は、目印のためか石が三つ川の字に並んでいる。
大文字山の山頂へは、「大」の字のてっぺんからさらに奥へ進めばよかったのだが、よく分からないものだから一旦弘法大師堂まで降りて、左手へ進んで急斜面を登って行くと、また「大」の字のてっぺんに出てしまった。う~ん、エネルギーの無駄遣いである…。
火床からは、20分ほどで三角点のある大文字山山頂だ。
山頂からは、やはり西側の眺めが開けているが、さっきより少し南寄りの風景が広がる。
だが、こうして山の上から京都の街を見ると、高い建物が少ないことがよくわかる。もちろん、厳しく高度規制をしているせいではあるが、高層ビルだらけの東京とは全く違う景観だ。
東京都心からは、富士山すら年々見える場所が減ってきている。
お天気もだんだんと安定してきたようで陽差しも暖かいからと、頂上でコーヒータイム。
出がけに宿の側の「進々堂」で買ってきたすぐきピロシキとしば漬けカレーパンを試食した。打田漬物とのコラボなので両方ともなかなか美味しかった。
しばしの休憩の後は、頂上から四つ辻を経由して日向大神宮方面への道を進む。
時間のせいか、反対方向から登ってくる人が増えてきた。グループ、家族連れ、おしゃべりの言葉遣いから地元の方以外も多いようだ。とは言え、混雑するほどでもない。
周辺の登山道は京都一周トレイルの一部でもあるので、分岐には道標が立ててありとてもわかりやすい。
四つ辻から1時間強で日向大神宮。そこから20分ほどで蹴上船溜と呼ばれる、蹴上インクラインの始まる地点に到着。今回は、蹴上インクラインも歩いてみたかったので、そのままインクラインを南禅寺橋まで辿って下山完了とした。
銀閣寺橋(9:02)-大文字火床・弘法大師堂(9:40/10:00)-大文字山(10:25/50)-四つ辻(10:55)-日向大神宮(12:10)-蹴上船溜(12:27)-南禅寺橋(12:40)