湯場ノ沢狭隘部の滝

小坂志川湯場ノ沢


天候:曇のち晴

4月の緊急事態宣言以降、家族の入院(新型コロナではない)なども重なり、全く山行ができない状態が長く続いた。実に4ヶ月(以上)ぶりの山行である。
不本意ながら、東京在住者は都外では歓迎されなかろうということで、都内の沢、かつ、しばらくぶりのリハビリ山行なので、無理なく沢登りができそうな、小坂志川支流の湯場ノ沢を選択。本当なら、1週早くの実施を考えていたのだが、相当の降雨と増水の状況を見てキャンセルした計画の順延である。

当日は、早朝に自宅を出発したが、梅雨明けしたばかりの好天の日曜日で、交通量は1週間前よりだいぶ多く感じた。五日市駅前からの秋川沿いも水遊びやBBQを楽しむ人の姿が多く見られた。
笹平バス停から、小坂志川沿いの林道へ入り、何やらの宗教施設の手前の広くなった箇所に駐車。林道はそこから数百m入った箇所にゲートがあり、関係車両以外通行止めだ。駐車地点で身支度をしていると、タクシーが1台通り過ぎる。2~3人乗っていたようだが、沢登りだろうか。結局、そのグループとは最後まで遭遇しなかったので、詳細不明。
駐車地点から30分ほどで、湯場ノ沢を渡る橋に到達。橋を渡った右岸側から、踏み跡を辿って入渓。
橋のすぐ下流で本流と合流しているが、出合からしばらくはナメっぽい沢床の穏やかな流れだ。ただし、水量はかなり多めなのだろうと感じる。

出合直後の穏やかな渓相
林道の橋から入渓して、しばらくはナメっぽい沢床の穏やかな流れだ。

遡行開始後すぐ、沢が右へカーブするところに石槽が放置されている。かつて鉱泉が湧き出ていたころのものらしい。”湯場”という名称はこの鉱泉が元になっているようだ。今は、何やらボウフラの泳ぐ単なる溜まり水になっているが…

旧鉱泉跡
鉱泉が湧いていた跡と言われるコンクリート製の貯水槽のような遺構。

鉱泉跡からしばらくで、最初の滝場となる2m・4mと2連の滝が薄暗いゴルジュ状の中に懸っている。釜があるので、左岸をへつって滝に取り付くが、久しぶりなので体の動きがぎこちない。
「…あ、向きが違う…えと、どうやって向きを変えよう…」とかいう感じで、たかだか4mほどだが、登り切ってほっと一息である。なかなか先が思いやられる…。ゴーロ歩きもぎくしゃくしているし…。

湯場ノ沢最初の滝場
奥の滝は水流の右側を半部濡れながら登るが、しばらくぶりなので少々戸惑う…

出合から25分でトバノ万六沢との出合となる。正面から本流の半分ほどの水量でトバノ万六沢が合流し、本流は左に大きく向きを変える。奥に4m程の幅広すだれ状の滝が見える。ただ、「すだれ状」に見えるのは水量が多いからだろう。水流右を快適に越える。

トバノ万六沢との出合から本流を望む
トバノ万六沢出合から本流を見ると、スダレ状の滝が懸かっているのが見える。

その先に3連の滝、さらに弓なりにカーブしたやはり3連の滝が架かる。

弓なりにカーブした滝
三段に落ちる滝。水流沿いに快適に登攀。最上部に古びたリングが残置されていた。

右岸に台地を見て、流れがインゼル状になったところで、左岸から段々の小滝でナカノ万六沢が出合う。水量比は2対1。トバノ万六沢からやはり25分ほどである。

ナカノ万六沢出合
ナカノ万六沢は段々の小滝で出合う。

先に進むと、左岸にはワサビ田の跡らしき石積みがあり、その先に大きな倒木。倒木を左岸から巻くと、前方に、狭隘部から落ちる滝が見える。左側の壁がハングしているので、結構見映えのするところだ。
見える範囲は、越えて行けそうなので突入。入り口の3m滝は難なく越えたが、2番目の4mは激シャワーになりそうだ。暫し思案して、左岸のバンドを使って小さく巻いた。他は、出口まで少々濡れる程度で突破可能。側壁にはイワタバコが多くみられた。

湯場ノ沢のハイライトの狭隘部
狭隘部の入り口。水量が多いので結構見映えがする。
イワタバコの花
狭隘部の側壁にはイワタバコが多く見られた

その先は、倒木の目立つ箇所もあるが、段々のナメ小滝が続き飽きさせない。

水が涸れると、しばらくはガラガラの窪状を登るが、源頭部は結構な急斜面となる。長雨で緩んでいて、少し登りづらい。木の根などにつかまりながら、やや右にトラバース気味に登り、水涸れから15分ほどで藪漕ぎもなしに登山道に飛び出した。<連行峰・柏木野バス停>の道標が立っている。

登山道に詰め上げる
詰め上げた登山道に、道標が立っていた。

息を整えるのに、暫し休憩。誰も通らず静かだ。休憩後、登山道を左へ進む。927m峰の頂稜に乗ると、左手下方に新しい林道が見える。地図より、更に林道が伸びているようだ。
927m峰は「湯場ノ頭」とも呼ばれている。特に特徴のない平坦な頂稜なのでどこがピークか判然としない。ピークと思われる辺りを超えたところで、斜面を林道に向けて下降。ひとまず林道に降り立つ。

地図にない林道
927m峰の頂陵のすぐ下には、地図にない林道が延びていた。

計画では、キットウ谷沢の下降を予定していたが、遡行だけでそこそこ満足したし、久しぶりなので無理せず林道を降りてしまおうかと思い始める。地形図に現れた林道沿いに下り始めてしばらく、林道が左にカーブするその先で、大型の動物が慌てて逃げ去る音がして、唸り声が聞こえた。「熊か?」と緊張したが、はたして熊の生息エリアだろうか?姿が見えなかったので何とも言えないが、イノシシだったのかもしれない。
しばらくホイッスルを鳴らしながら歩いたが、その後は動物の気配は感じなかった。
キットウ谷沢は、林道右のかなり下を流れているようだ。上部は林道工事のため、ほとんど沢の形状をとどめていないが、ある程度下流はまだ沢らしいのかもしれないと思いながらも、もうだいぶ降りてきてしまったので、そのまま林道を下る。
本流に降り着くあたりで、カラスアゲハだろうか、きれいな翅の蝶々が群れで飛んでいた。しばし鑑賞して写真撮影。

林道にはカラスアゲハが....
カラスアゲハが群れをなしていた。

また、林道のあちらこちらにはミツバも自生している。今年は、春の山菜シーズンをまるまる逃してしまっているので、ついついミツバ摘みに精を出してしまった。
時間も早く一人だったので、お気楽に引っ掛かりながら車に戻ったので、林道に降りてからのコースタイムは全くあてにならない。悪しからず。

林道沿いの小坂志川では、ウルシガ谷沢出合の少し下流の河原で、高校生らしきジャージ集団がBBQをしていたり、フライフィッシャーマンがいたりと、それなりに人出が。車に戻ると、出発した時にはいなかった車が増えていた。

今日は水量が多かったこともあり、復帰戦としてはまずまずの沢登りができたと思う。湯場ノ沢、少し流程は短いが、登れる滝が適度に懸かり、初心者にはよさそうな沢だった。

湯場ノ沢遡行図
遡行図:小坂志川湯場ノ沢(2020年8月2日)

山行実施日:
2020年8月2日
メンバー:
古巻
山域:
山行形態:
コースタイム:
林道駐車地点(8:15)-湯場ノ沢出合(8:45)-トバノ万六沢出合(9:10)-ナカノ万六沢出合(9:35)-Co690付近二俣(10:52)-登山道(11:24/30)-林道(11:40)-駐車地点(14:30)
地形図:
五日市
報告者:
古巻

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