黒川谷連瀑帯入り口の滝

丹波川黒川谷~泉水谷ホウロク沢


天候:晴

近場の沢計画第2弾は、毎年渡渉訓練で訪れる丹波川本流、三条新橋の少し上流で流入する小さな沢である。小さなとは言え、なかなかの水量の沢でもあり、上流はどうなっているのか、気になっていた。

少し調べると、黒川金山跡や、青梅街道の旧道(黒川通りとか黒川道とか呼ばれていたらしい)といった、ちょっと気になる情報が得られた。自粛ムード溢れる今日この頃でなければ、きっと訪れることもなかっただろうが、安近短の計画として実施した。(若干越境するが、”東京都水道局”の水源林ということでご容赦)

三連休の中日なので、それなりの混雑は想定していたが、往路も普通に渋滞があり、三条新橋の到着は9時過ぎになってしまった。しかも、既に満車状態で、やむなく国道沿いの尾崎行雄水源踏査記念碑の駐車場に駐車した。
身支度を整え、河原に降りると、タープの下で2人ほどが寛いでいる。デイキャンプに来た人たちのようだ。
しばらく本流を遡り、本流の中州のある辺りで出合う黒川谷に入る。

黒川谷出合
黒川谷の出合。水量もそれなりに…。

入ってしばらくは、狭い谷間に段々で水を落とす渓相が続く。と、何やら煙が上流から漂ってくるではないか。誰かが焚火をしているようだ。釣り人でもいて、トラブルになると面倒だと思ったが、倒木を越えて前方の川原を見ると、同年輩の男性が、焚火を熾して水浴びを楽しんでいた。ビール片手に…まあ、何も身に着けていらっしゃらない!誰も来ないと安心していたのだろうが、こちらも男ひとりなので、遠慮なく背後から、「こんにちは!通りますね~」と声をかけて、通らせていただいた。お寛ぎのところ、誠に申し訳ない…という気分。でも、いいな~。気持ちよさそうだ。
その後、2段になったちょっとした滝を越えると堰堤が現れた。堰堤を越えると、登山道の木橋が無残な姿で目に飛び込んできた…。この橋は渡れないね~。まあ、登山靴でも渡渉には支障なさそうだけれど、ハイキングの人は、この状況を見たら「え~~っ」と驚くのではなかろうか。

登山道の壊れた橋
登山道が最初に横切る地点の木橋は、中央から折れてしまっている。奥には古い時代のコンクリート橋脚の遺構が見える。

前方は谷が狭まり、いい感じに滝が懸かっている。右岸には、「黒川道」と呼ばれた古い道の遺構であるコンクリート橋脚が立っている。古い道も好きなのだが、現役当時はどんな風景だったのかな~と想像するのも楽しい。
ここから、次の堰堤までの区間は楽しく滝登りができる唯一の場所だ。少し滑るところもあるが、全てが直登できて、沢登りらしい。

連瀑帯最初の滝
壊れた木の橋を越えると、連瀑帯が始まる。
壊れた登山道の木橋とコンクリート橋脚の遺構
最初の2つの滝を登り、登山道の壊れた橋とコンクリート橋脚の遺構を振り返る。
連瀑帯後半の5x7m滝
連瀑帯後半の5x7m滝は、右のやや乾いた岩場から越えた。
連瀑帯最後の滝
黒川橋上流部の連瀑帯も、この滝でお終い。

この連瀑帯を過ぎ、2つ目の堰堤を越えると、時折小さな滝はあるものの、基本はぼぼゴーロの平凡な渓相に。ただ、何か所か湧水が見られた。

黒川谷中流部の湧水
黒川谷は両岸のあちらこちらに湧水が見られた。
黒川谷上流部の渓相
上流部は、ほぼゴーロに終始する。やや退屈である。

堰堤を越えて1時間ほどのところに幅広のナメが現れる。そこから数分で不規則な三俣となる。地図上の1157m地点だ。水量は、圧倒的に左俣が多いのだが、中俣に気になるスラブ滝が懸かっている。高さは10mほどか。今日一番の「大滝」だ。水量が少ないので、迫力はないが…。そして、右俣はさらに水量が少ない。

黒川谷支流のスラブ滝
1157m付近の三俣から。中俣に懸かるスラブ滝。

ここには登山道が降りて来ており、本流の左俣左岸沿いに続いている。
時間も昼となったので、ここで荷物を降ろして、気になるスラブ滝を見学し、昼食休憩とした。おむすびをパクついていると、上流方面から登山道を女性ハイカーが通りかかった。少し離れていたので、お互いに会釈で挨拶したが、ヘルメット被ってこんなところで何してるんだろうと思われたのではないだろうか(笑。
昼食後は、本流沿いに進む。と、10分ほどでまた三俣状。登山道は右俣に沿って続いているが、ここも右はほとんど水流がなく。左と真ん中でほぼ同水量。
よく見ると、真ん中は、少し先の斜面で地中から湧き出た水が流れ出している。

湧水が水源の沢もいくつか経験しているが、ここの湧水は水量も多く印象的。とてもきれいな水が湧き出していて、清涼感満点だ。

源頭部で見つけた湧水
びっくりするくらいの水量で湧き出た水が水源のひとつだった。

地形図からすると、右俣が本流っぽいのだが、水の多い左を進んでみることに…。もしかすると、左も湧水が水源なのでは…と思ったが、予想通り、数分で岩の下から湧き出ている水源を発見した。

水源の湧水(その2)
左に進んでしばらくで、やはり岩の下から水が湧き出ていた。

湧水から上流は窪状にはなっているが、水もなく歩くのも楽ではなさそうなので、右俣沿いの登山道を目指して右の方へ斜面のトラバースを始める。斜面と言っても、この辺りはかつて千人が暮らしていたという黒川金山の跡なので、至る所に平地があり、大きな平地は石垣で補強がしてあるという状況で、大変歩きやすい。いつの間にか水流が復活した右沢が見えてくると、その先に道標が確認でき、登山道に突き当たった。三条新橋からの登山道と左右に金山跡を周回する道の三叉路となっている。ここでも、男性のハイカーと遭遇。この日山中であったのはこの2人だけだった。

黒川金山跡にある道標
三条新橋からの登山道の黒川金山跡に立つ道標。手前側「鶏冠山(黒川山)・新横手山峠(林道)」方面へと進んだ。

道標と地図で位置を確認して、泉水谷へ乗っ越す方向へと進む。しばらくは登りが続き、ひと汗かかせられるが、いわゆる「黒川千軒」と呼ばれた周囲の様子を観察しながらたどる山道も、またオツなものだ。傾斜が緩んで、コルを越えた辺りで降りやすそうなところから、ホウロク沢へ下降する。上の方はガレ沢だろうと思っていたが、こちらも予想通り。しかし、いくら下っても水が現れない…。枝沢もいくつかあるようだが、水なしの窪状が合わさるのみだ。結局、泉水谷林道に降りつく直前の堰堤(三連発)まで水流はないままだった。

下降したホウロク沢
ホウロク沢はは、ほぼ水のないガレ沢に終始。おかげで、軽く熱中症気味に…。

暑くて熱中症になりかけそうだったが、堰堤から落ちる水でクールダウン。堰堤は右岸に踏み跡があり、3基まとめて、巻き降りる。最後、林道までは落石ネットに阻まれて降りられないので、沢を左岸に渡り返して、なんとか林道に降り立つ。やれやれと水分補給をしてから、林道を駐車地点に戻った。

林道からホウロク沢を見る
林道から見ると、少しは水が流れているように思えるが、実際には…

黒川谷は、予想してはいたものの沢登りとしては、いささか物足りない内容だったが、湧水が水源だったのは予想外で、何か得したような気分になった。下降のホウロク沢は、もはや論外だが、まあそれも経験ということで…。黒川金山跡から三条新橋へ戻るには、黒川谷沿いの登山道を下山した方が、時間もかからずに楽に降りられたろう。

丹波川黒川谷遡行図
遡行図:丹波川黒川谷(2020年8月9日)

山行実施日:
2020年8月9日
メンバー:
古巻
山域:
山行形態:
コースタイム:
記念碑駐車場(9:35)-黒川谷出合(9:45)-黒川橋(10:28)-1157m地点(11:58/12:20)-Co1200付近(12:30)-登山道分岐(12:40)-ホウロク沢下降点(13:15)-泉水谷林道(14:30)-記念碑駐車場(15:13)
地形図:
柳沢峠
報告者:
古巻

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