葛葉川本谷

天候:晴れ

2022年3月初旬、本年一発目となる沢登りは表丹沢の葛葉川本谷からスタートです。冬の間は、皆さん各自で雪山登山やクライミング、山スキー・スノボなど各々の活動をされており、沢山行は久しぶりです!手始めにということで、初心者でも歩きやすい葛葉川を企画して下さいました。

小春日和で穏やかな天候でしたが、周りの草木も苔の色もまだ寒々しい感じです。今回は水量がかなり少なかったので、連続する滝も苦戦せずにスイスイと進めました。何より今時期は丹沢でもヒルの心配がない分、精神的な快適度が段違いですね。
本日はリーダーの伊藤さんと2名での山行です。  

葛葉川本谷
1. 登りやすい滝が続き、初心者デビューに向いている沢。途中のエスケープもしやすい。
2. 最初から2〜3m滝が連続で続き、所々に7〜10m級滝が現れる。(大滝には残置ハーケンあり)
3. 大平橋までが前半部、後半部は比較的ゆるやか。

・アクセス

神奈川県の秦野方面・国道246号より「葛葉の泉」に向かいます。
駐車場脇にはすぐ葛葉川が流れており、アクセス抜群で綺麗な公衆トイレも完備。
ここで身支度を行い、向かいの橋を渡って入渓地に向かいます。

駐車場のすぐ横にある橋より葛葉川右岸に渡ります。
駐車場。この日は他に車が止まってませんでした。



・葛葉川本谷遡行開始(08:30〜)

駐車場を出て、手前の橋を渡り右岸を5分ほど歩くと小堰堤があり、脇のステップを降りたところから葛葉川へ入渓です。歩き出し直後から小さい岩がゴロゴロしています。

堰堤超えた所に親切なステップ。ここから降りて入渓。

歩き始めて程なく現れるF1滝は2m。

この滝を登った直後、左岸に渡る際に逆相岩があり、これがまた足場が悪く初っ端から滑りまして少し怖い思いをしました。久々の沢なので慎重にいかないといけません。

F2は2段3m。右側より。

左岸(右側)から濡れないようにフチを渡り登っていきます。

さらに続くF3もその後、トイ状風な2m逆くの字滝。この日は水量がすごく少なかったので、事前に想像していた雰囲気とだいぶ違いました。

水量も少なく、チョロチョロという感じで流れます。

この後も続々と続きます。まず2m滝。階段状でしっかりとしていますが、意外と登りずらい。次も3m級の滝が続いていきます。

CS滝かと思いきや、岩崩れしている滝でした。

浮きはしませんが、いかにも崩れたて感が出てて見た目は少し怖いですね。
ここら辺の岩は切れ目が入っていたりして、少し脆いようです。要注意。

その後は1m・2m・4m小滝連瀑帯。4mは右側から巻いていきます。
続く3m滝を2つほど超えると大きめのナメ滝が見えてきます。

斜滝という名前がついているナメ滝6×8m

水量が少なく写真ではあまり迫力がなく見えるが結構大きい。
程なくして8mの大滝「横向ノ滝」が見えてきます。

8m。こちらは左壁から。

小滝を越えて、またすぐに7m滝が。

寒いのでここまでは滝に濡れないように登ってきましたが
少しは滝をちゃんと登ってる感のある図も欲しいよねとのことで、巻かずに滝中を登ります。
滝を登る勇姿と証拠写真、バッチリ撮影しました!(ちなみに濡れたのは唯一ここぐらいでした。)

タイトル画像にしましたよ!


その後の5m滝を2個ほど越えて、見えてくる大滝は8m「板立ノ滝」。

水量があるときはかなり迫力がありそうです

写真では伝わりづらいですが大きい滝で、滝の直登は難しいと言われています。右壁に残置ハーケンがあるので、ロープを出し支点を作りつつ右壁から登っていきます。

滝上の岩に支点用のボルト2個あり。支点の作り方を見せて頂きました。


板立ノ滝を超えたところで小休憩後、少し歩くと上の方に表丹沢林道のガードレールが見えます。程なくして大平橋が現れます。

大平橋!…の前にはばかる2段滝「曲り滝」

橋前に2段滝(小滝入れると3段)があるので超えていきます。意外と登りにくい。

へつりへつり…

大平橋下を通過。ここから簡単に林道へエスケープできます。
沢の中で人工物を見るといつもホッとします。自然の中に人間の存在を感じるからでしょうか。それにしてもこの橋、懸垂下降の練習に適してそうです。

橋を超えた先の4m滝にもスリング・ハーケンが設置されています。
そのあとの2mの滝を超え、小さい1m級の小滝が連続します。さらにCS滝がありますが、枯れ枯れですね。

4m滝。なくなりつつある水量。
CS滝。滝というか、岩。

このあたりから詰めまでずっとこんな感じの岩ゴロゴロ地帯が続きます。
滝の勢いがなく枯れ始めてきます。

岩ゴロゴロ。右岸から崩れてきているのがわかります。

C800を超えたあたりに残雪がありました。その後は山頂付近までは見当たりません。

C800付近に残雪。塔ノ岳などはまだ雪がかなり残ってると登山者が言ってました。


そして最後の大滝10m「富士形ノ滝」。

滝・・・?

た、滝・・?!岩?? 水がないのでわかりずらかったですが、ちゃんとルンゼの中に少し流れておりました。良かった。ちゃんと滝だ。

間違いなく滝である。良かった。

富士形ノ滝は、ハーケンが打ってある右側の壁を登りました。いくつかハーケンがあるので支点を作りつつ登ります。私の方も、先日の岩トレで習ったビレイをやらせて頂きました。

無事登りました。

その後C855付近で、目印となる三又。一番左側の沢を行きます。

右側2つも二ノ塔側へ詰められなくなさそうですが、ちょっと厳しそうですね。
ここで間違えると大変なので、コンパスで方角を確かめつつ、三ノ塔方面向かいます。

三ノ岳尾根へ!

そして最後の滝は、2段7mの滝。
ほぼ枯れかけだったので、右壁側から登るのは苦労しませんでした。

ここにて滝は終了!

さて、最後に残る関門は一枚岩。
いかにも「登ってください」と言わんばかりの風貌をしていますがホールドがなく、ツルッツルです。危険ですので一枚岩は避けて、左側の溝から登っていくのですが…
しかしクライマーの魂をくすぐるようです。

ツルツルの岩を
登る登る。。。

登っちゃいけないやつです、コレ。

果敢に挑戦する伊藤さん。クライマー魂。

少しズルッと行ったところで、危ないので途中で引き返えされました(ホッ
写真で見ると伝わりづらいのですが、上から見ると結構恐ろしい転げ道です。落ちたらかなりやばそうなので初心者は真似してはいけません。




さて、岩を超えたらここから三ノ塔尾根の登山道までツメになります。通常であれば、おおよそ15分ぐらいで尾根に突き当たるそうなのですが、めちゃくちゃ大変でした。

かなり急斜面な上に、途中から掴むものが無くなっていきます。(笑

登れど登れど…
地獄かな


途中で掴むものが無くなり、唯一掴めそうな草木がアザミの棘という拷問の刑。
しょうがなくアザミを頼りに、やっと越えたと思ったら次の一手にバラの棘
手が置けそうな箇所には、だいたい鹿フンが。。。

…というような、三重苦ゾーンが続きました。(笑)



後から、GPSの軌跡を見てみたら

思いっきり土砂崩れのルート上を行ってましたね(笑)

途中でロープを出したりなんとか無事に登山道へ。
到着した先に看板が見えたので確認して見ると

だよねぇ・・・


しばらく登山道沿いを歩き三ノ塔山頂到着です。

東を見ると大山、西を見ると烏尾山・塔ノ岳、南西には富士山も見えるというロケーション。
山頂には立派な休憩所もあり、烏尾山や塔ノ岳方面からの登山者で賑わってました。

三ノ塔山頂の立派な休憩所


・帰路・二ノ塔尾根(14:50〜)

帰路は二ノ塔方面へ行き、そこから尾根の登山道をひたすら降ります。道は途中からあまり整備されていないので少し急な箇所もありました。私が右足を痛めていたため、ペースをだいぶ緩めて頂き、1時間半程度で下山しました。

葛葉の泉。

葛葉の泉に到着。お疲れ様でした!

沢シーズン幕開けに相応しい、歩きやすく快適な楽しい沢でした。
新緑と水量が多い夏のシーズンにもぜひ行ってみたいですね。

遡行図


メンバー:伊藤(L) 綿貫
山域:丹沢
山行形態:沢登り
コースタイム:
駐車場(08:30)-大平橋(10:45)-富士形ノ滝(11:25)-三ノ塔山頂(14:20)-ニノ塔(15:00)-葛葉の泉(16:16)
地形図:秦野・大山
報告者:綿貫

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