高田川内鹿野谷

GWの南紀での沢登りは、一昨日、昨日の滝本本谷-北谷に続き、大雲取山を挟んで反対側(東側)にある内鹿野谷に入渓した。前日は同じ高田川ナル谷の発電所手前のトイレ付東屋で快適にビバーク。内鹿野谷の西高田集落の旧水車小屋駐車場移動して身支度後、出発する。天気は本日も1日晴れ予報で幸先が良い。

内鹿野橋を渡り集落の中の道路を登っていくと、探勝路にいざなう標識があり、植林帯の中に山道が伸びている。木々の緑の様子から関東近辺よりは2-3週間季節が早く過ぎている感じだ。

探勝路は、出合滝まで1時間ほど続くが、案内板付きの4つの見どころがあり飽きさせない。一つ目は、左側にみえるスラブ壁の内鹿野1枚岩。

二つ目は、フケノ淵。正直名前がつくほど大きな淵ではないが・・・。

三つ目は、ズリ岩。明治時代に20mクラスのスラブ壁が割れ落ちたが、そのまま流れの中に立つ形となったものだ。

帰りについでに入口を除いてみた写真がこれですが、上手いこと立っている。流れが深くこれ以上は中に入らなかった。

その後すぐに四つ目の見どころ、ヨキトリ淵となる。入口(上流側)は壁と巨岩に挟まれた狭い廊下状になっている。

郷冬谷にかかる木橋を渡ると左岸に渡るための橋が本流架かるが、半分流されてしまっているので徒渉する。集落跡と思われる石垣地帯を歩いて行くと沢は左に曲がっていく。上の方にも探勝路があるようで道の補強のための石垣が構築されている。下山に使おうと考えている尾根を観察しながら過ぎていくと、4X6mのスダレ状の滝(ナマズ口ノ滝)が左に見える。

その滝を越えたところに端正なスダレ状に滝幅いっぱいに水を落とす出合滝(20x24m)となる。この滝は右側を簡単に巻くことができた。

巻き終わると左から水越沢が合わさるがその先はナメ状となる。

右手から細い流れが30mの滝を落とすのを見送ると15x18m二条スダレ滝となる。右の木の根っこにトラロープがかかっており利用させてもらい簡単に越えられた。

その先はしばらくナメ状となるが最初の方はトイ状に流れている。

その後、川幅一杯に広がるナメとなり癒し系の趣である。

しばらく比較的大きい岩が転がるゴーロ帯となるが右手から15m二条滝が合わさると10x13m滝が出てくる。右側のスラブ状の脇をいくとこの上の釜付き4x6m滝もまとめて越えられる。

その先すぐに、35m一ツ落ノ滝が臨める。前日の滝本本谷・北谷もそうだが、南紀の沢は関東近郊の沢と比較すると滝の高さと水量のスケールが大きく圧倒される。

リーダーの的確なルートファインディングで右側の植林を交えた急なガレ場を支尾根まで登り左方向に直上するとリッジ上尾根に乗ることができたが、ここから次の栂ノ戸滝を樹間に見ることができる。

巻き登り過ぎてしまったようなので、滝見物に薄い踏み跡(登り跡?)のあるリッジを下降し滝下方向にトラバースして川床に降り立つと栂ノ戸滝35mの全容が臨める。こちらの滝も豪快に水を落としている。

しばらく滝を見物し、来た道を戻りリッジを詰めていくと滝上に出られる。滝上には釜をもった6m, 5mの斜滝が続く。これらの滝は、左側の潅木帯を絡めて比較的簡単に登ることが可能だ。

これらの滝を越えると、渓相は一転して植林帯の中の単調な流れとなる。しばらく行くと、左岸に石垣がでてきて導水管が本流取水口に通じていた。導水管の保守のための山道が口高田まで通じているとのことで、随分ここら辺は汚らしくて若干興ざめする。

この山道はさらに上流部につながっているので利用させてもらう。

渓相は植林帯の中、苔むした岩がゴロゴロしている感じだ。co510mの二俣は少々わかりにくいが10時半過ぎに到着する。

左沢の方に進むと渓相が再びよくなりナメとナメ滝が続くようになる。

苔むした岩組滝途中一カ所出てくる。

が、その後は再びナメ滝となる。

co630mの二俣で右沢に入ると2m〜7m滝の連瀑帯となる。結構滑っているので慎重にこなしていく。

水流がかなり細くなって来たところで石積10m滝が出てくるが、この滝は右側を巻いて越えた。

水が涸れた二俣で昼食休憩をとり、倒木の少々煩い窪を詰めていくと白見山北北西尾根鞍部co820mに出る。尾根には踏み跡があり歩きやすい。

丁度シャクナゲの開花シーズンだった。

白見山の直前で視界が開け紀伊半島の山々が望めた。送電線や林道は全く見えず山深さが感じられる。

13時過ぎに白見山に到着。展望はないが、立派な三角点と古びた標識が幾つか見受けられ、結構メジャーな山のように思われた。

東南東方向の尾根をくだりco710mの鞍部は十字路となっている。右俣方向に踏み跡を辿って植林帯を下降していく。

co510mの二俣を過ぎたところで遡行時に確認した左岸に付けられた導水管の保守用の山道(トラバース道)に入る。

途中に植林帯の保守用の小屋がある。比較的整備された植林帯であった。

通常この山道を最後まで下山に使用するようだが、その場合は口高田に出て延々と車道を歩くことになり、1時間半程度下山時間がかかかるようなので、探勝路終点付近に伸びる尾根に入っていく。最初の下草は背丈ほどのシダ類で少々煩い。

このシダの藪漕ぎではダニに注意だ。下山後、スパッツに着く6mm程の大きなダニ(タカサゴキララマダニ♂?)を2匹発見。ここらへんでついたと思うのだが、吸血時は25mmにもなるそうだ。くわばらくわばら。

尾根はしばらく行くと植林帯の下草もまばらになり、co310mあたりで遡行時目星をつけておいた右手の植林帯に入ると特にロープも必要なく探勝路まで降りられた。このショートカットで1時間程度時間を短縮できお勧めである。

探勝路を順調に下り、西高田集落に16時前に到着した。

旧水車小屋駐車場でダニチェック後、近くの雲取温泉で汗を流し帰路についた。


遡行図

 


メンバー:高森(L) 坂部
山域:紀伊半島 南紀
山行形態:沢登り
コースタイム:
水車小屋広場P(6:57)-出合滝(入渓)(8:02)-一ツ落ノ滝下(8:53)-栂ノ戸滝上(10:00)-co510m二俣(10:37)-co820m北北西尾根鞍部(12:38)-白見山(13:02)-co710m東南東尾根鞍部(13:25)-co450m取水口(14:10)導水路-co400m尾根下降(14:39)-探勝路(15:07)-水車小屋広場P(15:55)
地形図:新宮
報告者:坂部

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

TOP

プライバシーポリシー ©Copyright 2024 渓人「流」 All Rights Reserved.