釜川千倉沢横沢右俣

梅雨明け最初の週末となる8月3-4日は、釜川への山行に参加した。天候が安定しており、両日とも暑く熱中症に気を付けながらの遡行となる。前日夜に関越道を飛ばし、釜川林道ゲート前に23時過ぎに到着。ゲート前には車が1台既にビバーク体制で止まっていた。我々は左に50m程入った駐車スペースの砂地上にテントを張る。テント内は蒸し暑いほどだったが入山祝いを少しやって眠りにつく

3日晴れ

前回は清水沢にも到達できなかったので、今回は1時間半以上早い6時に駐車場出発。取水堰に15分ほどで到着する。前回は増水がひどく左をまとめて巻いたが今回は楽々と堰堤上を歩ける。

しばらく河原を歩き細い流れの合わさる三俣を過ぎるとトロ場が出てくる。右のトラロープつき巻き道を使って簡単通過する。

しばらく大岩がゴロゴロしている河原を時に腰下まで浸かり、或はアスレチック的に岩に登って遡行していく。

1時間ちょいで二俣に到着。休憩として3:1で合わさる左俣を見に行くとゴルジュに滝が連続してかかっているのが確認できた。結構険しそうな印象だ。

右俣を選択し少し行くと釜つき5mCS滝が出てくる。腰まで浸かって右に取り付く。

右にトラロープ2カ所Fixしてあり、それを利用させてもらい通過するが、上のロープを固定している残置が甘くあまり頼れない。

いずれの滝も大きな釜を持つものが多い。6m2段滝は右を巻き、続く6m二条滝も右を小さく巻く。特に難しくはない。

続いて出てく5mヒョグ滝は取り付けず、左のチムニー状を山崎Lにロープを引いてもらう(残置Pあり)。懸垂で滝上に降り立つ。

増水していないが、50cm程度の滝に大きな釜がついていて胸まで浸かって少し泳いで突破していく必要がある。

ここが一番狭いところか、右をヘつって3x5mのネジレ滝の右水流沿いを登った。

4mの巨岩が乗った滝の右を全身オポジションで越えると三つ釜が見えてくる。前回はここで右岸スラブをいってしまい降りられなくなりかなり時間を食った。今回は、左岸水流沿いをヘつっていく。水流中にスタンスがあり特に難しくはない。山崎Lは右岸にいってしまい、案の定身動きできなくなり、強引にいこうとするが最後はスラブを3m滑落して突破?した。

三つ釜最初の滝の美しい姿。2年前は全体から水が流れ落ちていた。今回はそれからすると全然少ない。

右のリッジをリーダーにロープを引いて行ってもらう。前回上部が結構ザレていて嫌らしかったので簡単そうだが念のためFixしてもらった。

三つ釜2段目の滝の姿形。今回は左のぬめぬめを登ってみる。

念のためザイルを出していってもらう。ぬめっているところ時々あるが潅木に中間支点をとれるので安心だ。

その上で昼食休憩とする。後から2人組2パーティーの入渓を認める。三つ釜中間の釜で泳いだりして満喫している。本当にここは何度来ても良い素晴らしい景観の開放的な場所だ。

ナメと釜を何個か越えて行くと5mヒョグ滝が出る。取り付けないので左手前のルンゼ状を空身ザイル確保で登り突破する。

8m滝は左を登れそうだったが無理をせず、かなり戻って左を大きく巻いて懸垂下降で滝上に出た。滝をフリーで直登してきた後続パーティーがここで追いつく。

前回巻いてしまった12x15m滝は先行パーティーを見習い我々もフリーで左を登った。後から考えるとロープを出した方が良かったが。

このトロ場は少し泳いだ。

15m滝は登れないので左の岩場をザイル確保空身で登って懸垂で滝上に出た。ここで2パーティに追い抜かれたが本日の核心だったかな。。。

まだまだ滝が出てきて気が抜けない。2条15m滝は左を小巻き3m懸垂で滝上に降り立つ。

エメラルドグリーン系の釜を持った流れ。右から12m滝が流入しているのでこのような大きな釜になったのだろう。

ここから上は河原が開けてきてしばらく行くと林道に到着した。時間は16時50分、増水していなければここまで1日で十分遡行可能であることを確認した。橋の下には先行した2人組が既にタープを張っていた。その隣に張ることも可能であったが、少し先の流木が溜まった陰に狭いながらも砂地があり、本日の幕場とした。夜は満点の星の下で盛大な焚火ができた。

4日:晴れ後曇り

虫も少なく快適なテンバで目が覚めた。今日も天気は良い。おじさん二人組パーティーは7時過ぎに我々の前を通過。10分ほど遅れて出発する。

30分ほどゴーロを歩いて行くと突然3段釜つき滝が出てくる。トップの山崎さんはロープを引いて下段に取り付いていくが、出さないでもここは大丈夫だった。下段5mは右を登り、中段6x8mは左を登った。

上段6mは、空身で左の凹角を登る。うまい具合にカムが2つ決まり中間支点もばっちり。スタンスが細かく慎重に登った。後続の2人組パーティが追いついたが、しびれを切らし右の泥ルンゼ状を攻めて行った。

滝の上の釜つき5x7mを右から越すと左から6m滝を伴って、横沢が1:1で合わさる。この上で休憩をとっていると、3段滝の右を攻めていた若い2人組が藪から現れる。一人はNHKの山岳カメラマンとのことで、どうりでかなりの突破力を持っていると納得。横沢を遡行するとのことで出合いの滝の左側をフリーで登って行った。

そこから先は、大きめの岩が転がるゴーロ状となり時々岩組滝が出てくる。

大岩の上に小岩が2つ乗っていて面白い。どんな塩梅になるとこんな岩が乗るのだろうか?不思議だ。

ここで3段(10+20+10m)の大滝が出てくる。下部は右の凹部をザイルを出して高森さんが空身でリードしてクリア。左に移り残置Pで中間支点をとって中断もクリアする。

大滝の上段は潅木2カ所に支点がとれるが、上部がなめっていて少し緊張する。

大滝の上は岩盤上の沢床となり、詰めの様相を呈してくる。途中5mと4mの滝が出てくるが特に難しいところはない。

岩盤状の沢床を詰めていくと、30分ほどで登山道と交差する。そこから15分ほどで小松原小屋に到着した。

小屋のすぐ先に水場があり、山崎さんお勧めのソーメンを茹でる。真夏の山で食べる冷たいソーメンは最高に美味しい。ミョウガやキュウリがアクセントになって食が進んだ。

小屋からはすぐに小松原湿原が広がり開放的な気分に浸る。池塘に映る林や山が美しい。たまには、木道を歩いて景色や花を愛でるのもいいものだ。

湿原をぶらぶらと歩き、林道へは1時間20分ほどで出る。日が隠れ時々ガスがかかる曇り空になったため歩きやすいがそれでも長くてだるい行程だ。あと30分程度で駐車場に到着というところで、地元釣り師の車に3人とも乗せてもらえ、16時過ぎに到着できたのはラッキーだった。横沢に入渓した2パーティーの車がありまだ戻ってきていないようだ。我々はそこから30分ほどのゆくら妻有(600円)で汗を流し、食事をとった後、帰路に着いた。筋肉痛がでてきたが、小松原湿原まで到達でき満足できる沢旅であった。

遡行図

bema


山行最終日:2019年8月4日
メンバー:山崎(L) 高森 坂部
山域:上信越国境山群
山行形態:沢登り
コースタイム:
3日:林道ゲート駐車場(6:02)-釜川取水堰入渓(6:15)-二俣(7:29-49)-三ツ釜上(11:10-35)-清水沢出合(15:10)-林道下(泊)(16:50)
4日:泊り場(7:15)-横沢出合(8:44-56)-二俣・右俣遡行(10:03)-大滝上(11:38)-小松原小屋(12:33/13:29)-林道(14:48)-林道車に乗せてもらう(16:00)-林道ゲート駐車場(16:10)
地形図:赤沢・苗場山
報告者:坂部

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