武尊川武尊沢

天候:曇ときどき晴

翌25日は、高森さん計画の大源太川北沢本谷に参加予定だが、前日もどこかに…ということで、近隣の日帰りできそうな沢を選択。翌日、越後湯沢まで移動しやすいエリアの群馬県側の沢を選定して提案。高森さんは一度遡行したことがあるということだったが、まだ沢を始めたばかりの頃に行っているので、また行ってもokとのお返事をいただいたため、予定通りに実施することにした。前泊は、道の駅みなかみ水紀行館。

当日は、それほど早出しなくてもよかろうと、7時過ぎに道の駅を出て登山口へ向かうと、駐車場はほぼ満車。百名山を甘く見ていた…。
林道終点まで車で入りたかったが、神社の少し先でロックアウトされており、止む無く神社脇のスペースに駐車して、支度をする。
林道終点は広場になっており10台程度は駐車できそうだが…混雑することを見越して通行止めにしたのだろうか?広場からしばらく、車道跡のような幅広の道が続いている。調子よく歩いていたところ、あれ?地図がない…。どうも途中で落としたようだ。地図がないと難儀なので、高森さんに待っていてもらって取りに戻る。幸い、5分ほど戻ると道に落ちているのを発見。よかった…。気を取り直して、先に進む。入渓点は、登山道が武尊沢を渡る箇所だが、意外と時間がかかる。入渓点の標高は1,500mほどなので、駐車地点から標高差で400mほどあり、それなりの行程である。
さて、沢沿いに登山道がトラバースを始めると、やっと渡渉点に到着。ちょうど、先行する登山グループが休憩を終えて出発するところだった。

武尊沢下流部
下流部は樹林の中を流れる、穏やかな流れだ

入渓してすぐに、右から枝沢が流入する。水量比は本流2対支流1ほどである。しばらくはゴーロ歩きだが、30分ほどでナメが続くようになる。

しばらく歩くと、ナメが出てくる
しばらく歩くと、ナメが出てくる

天候は、晴れたり曇ったりだが、陽が差すと、水流脇の落ち葉がいい色合いだ。時おり出てくる滝は、全体にのっぺりしており、若干ヌメる感じだが、倒木に助けられたりもして、順調に高度を稼ぐ。

倒木沿いに登る
のっぺりした滝も、倒木があると楽に登れる

30分ほどナメ+ナメ滝歩きを続けると、左岸から細い滝で枝沢が流入するところに、6m滝が懸かる。右壁から取り付いて、そのまま水流右側を越えようとしたが、左手のホールドがヌメヌメで、からだを支えきれずにそのまま振り出しに戻ってしまった。(滑落とも言ふ…)斜度もゆるく、高さもそれほどではなかったため、幸い何のダメージもなかった。気を取り直してリトライ。落ち口付近は、あれこれ試すが、やはり水流沿いはヌメる。暫し試案の後、少し立っているが右手の壁沿いに活路を見出し、何とかクリア。やれやれ…。

振り出しに戻ってしまった滝
落ち口がヌメるので、振出しに戻ってしまった…

その先も、ナメ滝をいくつか越えていくと、左手に岸壁が高くそびえるようになってきて独特の景観となる。
沢床は、相変わらずナメが続いている。1か所、ゴルジュっぽくなった出口に、6m滝が懸かるが、下部が被っている。ショルダーで登りましょうと、高森さんから提案があり、身軽な高森さんに先に上がってもらうことに。古巻は、ザイルを掴んでゴボウで上がる、2m程上がると、ホールドがあるので、そこからは通常の登攀に。登り始めの頭上には、ハーケンが残置されていた。

残置ハーケンを見つけた
ショルダーで越えた滝には、ハーケンが残置されていた

さらに続くナメ・ナメ滝を越えて行くが、だんだん全体的に傾斜が出てくる。終盤のポイントとなる、数段に落ちる滝は、前に来た時に落石があったそうだ。確かに岩が脆く崩れやすい。というか、それ以降、結構脆い箇所が多くなってきた感じだ。風景も荒涼とした風景になって、日本離れしてきたし。
問題の数段の滝は、ザイルを引いて左から越える。

だんだんと傾斜も増し、荒涼とした風景に
だんだんと傾斜も増し、周辺の風景も荒涼としてきた
上流部の滝を登る
上流部の滝を登る

源頭部に差し掛かる頃には青空が広がってきて、荒涼とした風景とのコントラストが独特の雰囲気だ。ただ、枝が凍り付いていたりして、季節は冬に差し掛かっていることを感じさせた。

秋もすっかり深まり、枝も凍り付いていた
標高も1900mを越える辺りには、凍り付いた枝も…

終盤に登場した脆い2段の8m滝は、先に古巻が登ってからザイルを出すが、支点がない。止む無く、ハーケンを2枚使って支点工作をして、後続の高森さんを確保した。

終盤の2段の滝
終盤の2段の滝は、上部で支点工作をして後続を確保した

水量も段々と細くなり、涸れ滝のような6mほどの滝?崖?を右岸から回り込むように越えると詰めに突入。結構な急斜面だ。ただ、眺望は開け、振り返ると、左の方に剣ヶ峰が聳えて、なかなか恰好いい。

源頭部からは剣ヶ峰が大きい
源頭部からは剣ヶ峰が大きい

途中、武尊沢を見下ろす所で昼食休憩を取る。最後は、笹薮を少々漕いで登山道に飛び出すが、ちょうど下山中の登山グループが通るのとかち合ってしまい。どこから来たんですか?と、ありがちな質問を受けた。沢です…と答えたけど、少し驚かせてしまったかもしれない。
飛び出したところは、沖武尊頂上からわずかに下ったところ。せっかくなので、ピークまでと思って5分ほど登山道を登って、ピークに。さすがに眺めがいい。写真を撮ったりしてから、下山を開始した。下山は、手小屋沢避難小屋経由の登山道を下る。途中には、くさり場があり、変化のある登山道だった。

下山路にはくさり場が2か所ある
手小屋沢避難小屋経由の道にはくさり場が2か所ある

右下方に手小屋沢避難小屋を見下ろす先で、左折。避難小屋は流れに面しており、宿泊先として快適そうだ。
分岐を過ぎるあたりから、雨がぽつぽつ落ちてきた。すぐに止むかとと思ったところ、やがて本降りに。
急ぎ足で車まで戻り、手早く片付けた後、みなかみ交流館で、汚れを落として、明日のために、待ち合わせ場所の湯沢中央公園への道を急いだ。


メンバー:古巻(L) 高森
山域:上州武尊山
山行形態:沢登り
コースタイム:
武尊神社脇駐車スペース(7:58)-林道終点(8:20)-入渓点(9:19)-ヌメる6m滝(10:20)-ショルダーで越えた滝(11:20)-稜線登山道(13:35)-沖武尊頂上(13:40/45)-手小屋沢避難小屋付近登山道(15:05)-林道分岐(16:08)-駐車スペース(16:30)
地形図:藤原湖・鎌田
報告者:古巻

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

TOP

プライバシーポリシー ©Copyright 2024 渓人「流」 All Rights Reserved.