四十八瀬川勘七ノ沢

天候:晴

丹沢の勘七ノ沢へ行ってきました。前回の源次郎沢に続き、丹沢の登攀系の沢になります。
初っ端から道に迷ったり、ツメを断念して本流に戻ったり、大倉尾根を最後まで下ったり…で気づけば下山が20時近くなり、行動時間が11時間を超えるというなかなかヘビーな1日でした(笑)

登攀系の滝がつづく勘七ノ沢

勘七ノ沢は、本当に1級沢?と思うほど登攀力が問われる沢で、登攀力の乏しい私はどの滝も苦労しました。ですが先輩達のフォローのお陰でなんとか超えられて今回はかなり勉強になりました!
初級の方がちょっと頑張って挑戦する、というのにとても良い沢かと思います。

最後までアグレッシブな山行でしたが、お陰で下山の大倉尾根から、普段見ることのない夜景が楽しめたり(笑)して、思い出に残る山行になりました。

・アプローチ

渋沢駅より、大倉方面の「表丹沢県民の森」にて駐車。駐車場にて用意し、入渓地へ向かいます。

朝から駐車場が満車で、道路脇に停め出発です。

…が、初っ端道を間違えて林道を四十八瀬川の方の林道へ行ってました(笑)
この看板が見えたら、北側の「西山林道を経て大倉」方面に向かってください。注意です。

この看板が見えたら北に。絶対な!

・遡行開始(9:20~)

F1

初めの堰堤と小滝を越え、小草平ノ沢との分岐を左に曲がったらF1の8m滝が見えてきます。
丹沢らしく、わかりやすい看板アリです。

F1滝。初っ端から難しいのです…

F1滝は左壁から登りますが出だしからホールドが見当たらず、全く登れなくて大変苦労しました。難所のあたりに残置シュリンゲの跡がありましたが、切れていたため使用できず。
しばらく膠着状態に陥り、一度降りてリードを畑さんに交換していただきました。

スルスルとF1を登る畑さん。さすが・・・!

残置がなくなったから?か前より難易度が上がった気がすると石田さんも仰ってました。トップロープにしていただき、私は時間をかけてなんとか登れました。
難しいと聞いておりましたが、初級の方は初っ端から心を挫かれますのでご注意ください。

F2

8m滝に続いて、10m滝が見えてきます。
その後ろには堰堤が続いています。

直登は難しそうなので巻きになります

本来ならば右側(左岸)のリッジよりロープの張られた径路からすんなり巻けるようです。が、私たちは間違えて左側(右岸)のリッジを登って高巻きし、ザレザレの道を行く大変な巻きになってしまいました(笑)

ザレザレのザレ。

どんどん沢から離れていってしまい、更にどんどん標高が上がっていきます。(笑)
沢の方へ50m程度降りたら、ちょうど堰堤の上に戻ることができて一安心です。懸垂下降は2回ほど行いました。

懸垂下降×2回。ちょうど良い場所に降りられました!

F3

釜あり8m斜瀑。
右壁から登るため滝に取り付くまでに、釜に入らないといけない。

右壁よりヘツってF3滝前へ。

濡れたくなかったので色々ルートを考えましたが、釜に入った方が早いということで
意を決して腰あたりまで浸かり右壁をつたいながら滝前へ。今年初の沢濡れです。寒い〜。この日が暖かい日でよかったです。

さっっっむ! でも天候が良くすぐに乾きました。

滝はロープも出していただきましたが、ホールドがしっかりしてて比較的登りやすかったです。

8m滝は右壁から

F3を超えた時点で12:00を過ぎているのでここでお昼休憩を挟みます。

F4

3m滝・10m滝の2段滝です。両方ともを右側(左岸)から登っていきます。

2段目に近づくところが難しい

前衛の3m滝を越えたあと、右側の斜面に沿って10m滝に向かう途中には残置ロープがあります。

堰堤ゾーン

しばらく堰堤が続きます。微妙に登れそうで登れない感じの高さなので全て右側から巻いていきます。

最初の堰堤は左からも登れそうです!

こんなところになぜ堰堤が…こんな中流にあって、意味を為している(た)のだろうか…?といつも沢の中の堰堤を通るたび不思議に思うのです。。

F5

12m大滝。左壁を直登します。こちらも初級者には難易度高めです。

中盤諦めかけました…(泣)

畑さんにリードしていただき、続いて私が続いて登りますが、途中でまた手も足も出ない膠着状態に…。
中盤はホールドと足場が見つけられず全く登れず、時間もかかってしまい完全に諦めかけたところ、上から畑さんの声援が!「気持ちを少しでも上に上に!」とアドバイスをもらってからエイヤ!で登り切ることができました。登攀は勇気とか、精神的なものとか、かなり影響するんだなぁと思いました。。。大感謝です。

リードで果敢に登る畑さん

私の膠着状態を見兼ねて、後続の石田さんが左側(右岸)から巻いていましたが
巻道の途中が崩壊していたとのことです。結局引き返して滝を登られましたので、F5を巻く方はお気をつけください。

ツメ上げたいけど上がれない。ツメ断念。

F5を超えたら、大倉尾根の方へツメ上げようということでCo810近くの左岸(右側)支流より尾根へ向かいます。F5までで気持ちは既に全員、遡行終了の感じだったのですが(笑)支流の先を行くと、かなりの急斜面になっていて、ここを歩くのは危ない。。

支流の滝を越えますが…

支流沿いに5mほどの滝があるので石田さんと畑さんに登っていただきます。(私はずり落ちました。笑)様子を見ていただきますがその後もツメ上がれそうな道がなく・・・
色々悶着して、ここでツメるのを断念し、本流に戻って進むことにします。

以前来られた時はこの辺りからツメたと仰っていたのですが、どこからツメたのでしょうか…?とても気になります。。

この時点で16時を超え、一同に焦りの色が見えます(笑)

F6〜連瀑帯〜大倉尾根

…ということで本流に戻り、早足で連瀑帯を超えていきますが、気持ちがかなり焦っていたからか全てサクサクと超えていきまして、正直記録と記憶が曖昧です(笑)
連続する小滝を登りますが、チムニー状の岩などがあり楽しかった…と思います。(笑)

(急いでて正直あまり覚えていない…)

Co880まで登ったら、今度こそ大倉尾根に向かってツメ開始です。
こちらもかなり急斜面ではありますが、先ほどのツメより段違いに安定しているので安心して登っていきます。

ツメは長めの急斜面。

そしてツメ上げたところに柵が出てきて、その合間から大倉尾根に合流しました!ちょうどCo1128の木道とベンチがあるところです。大倉尾根に出た時点で17時45分。日没ギリギリの時間でした(笑)日が長くなって良かった~~

日没前に知ってる道に出て一安心

・下山開始(17:55~)

ここから大倉尾根を下山です。夕日から夜景へ景色が変わり、そして完全に真っ暗になりましたのでベッドライトをつけて下山です。以下、左側の勘七ノ沢から大倉尾根のGPS軌跡ですが

本来は、Co960の堀山の家(山荘)より、尾根伝いに林道へ戻る道があったそうなのですが
暗くて全く道がわかりませんでした…。安全を考えてそのまま大倉尾根を下山し、大倉バス停よりタクシーで表丹沢の森駐車場まで向かいました。
今回は下調べが甘かったのと、私も沢の途中で地図を落としてしまったので道がわからず反省しております。
1点心残りなのは、F1の滝前で地図を落としてしまったので、沢へ人工物のゴミを増やしてしまったこと…
もしもF1前で地図が落ちていたら、拾って捨ててくださると嬉しいです…

とはいえアグレッシブに楽しいことが多く、充実した山行でした。
長い1日でしたが、とても楽しかったです。お疲れ様でした!


メンバー:石田(L) 畑 綿貫
山域:丹沢
山行形態:沢登り
コースタイム:
表丹沢の森駐車場(08:40)-小草平分岐(09:30)-F5大滝(14:25)-Co880(16:50)-大倉尾根C01129(17:45)-大倉バス停(19:40)
地形図:大山
報告者:綿貫

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