南秋川矢沢熊倉沢右俣

(天候)4月13日: 晴

沢始めの足慣らしと言うことで、近郊の短い沢の遡下降を計画した。

当日朝、JR八王子駅に集合して、車で檜原村へ向かう。渋滞もなく順調。
檜原街道から矢沢林道に入る箇所は、一瞬ためらうくらい道幅が狭い。集落を抜けて、林道を進む。落合橋手前の広場に差し掛かると、前方からバックしてくる車が…。広場に退避してやり過ごそうとすると、その車も広場に停車。聞けば、落合橋には既に2台が駐車していたので戻ってきたそうだ。男性2人組で、沢登りとのこと。熊倉沢は意外と人気コース?
広場で支度をして、落合橋を確認して右手に分岐する熊倉林道へ入る。林道を20分ほどで終点の広場に到着した。広場の奥から沢沿いの踏み跡を進み、適当なところで沢に降りる。すぐに4×5mの斜瀑。先行した男性2人組が取り付いていた。どうやら同じコースのようだ。二人が登り切り、先に進むのを見計らって、こちらも滝に取り付く。少々ぬめるが、傾斜が緩いので問題なし。

右俣最初の滝
少しヌメるが、水流右を登る。

先行パーティは、それなりに歩き慣れているようで既に姿は見えない。抜きつ抜かれつは望むところではないので、少しのんびりと足を運ぶことにした。
最初の滝から10分ほどで左沢との二俣。下降する予定の左沢は暗い樹林の奥から流れてきている。右沢は明るい雰囲気で、少し進むと大きな滝が落ちているのが目に入ってきた。「陸軍滝」と名前の付いた大滝である。18mと過去のガイドブックにはある。こんな小さな沢なのに、結構立派な滝だ。先行者はちょうど高巻きを始めるところだった。
こちらは、写真を撮ったりして、しばらく時間をおいた。高巻きは右岸。落ち葉の積もった急斜面から。先人たちの踏み跡がある。少し上がると、仕事道があるので、そこを辿ると自然と落ち口へ抜けられる。

陸軍滝
意外と立派な陸軍滝。右岸の斜面を高巻く。

沢に戻ると、右岸からトヤド沢が水量比3:1で流入。滝の上はしばらく穏やかだ。

炭焼き窯跡
途中で現れる炭焼き窯の跡

穏やかな流れをしばし辿ると、ゴルジュっぽい中にCSのある4m滝が懸る。左壁がのっぺりしている。先行パーティが「残置が無いのでハーケンでも打とうか」と一旦引き返してきた。お先にどうぞとのことなので、偵察に向かう。以前は左手の岩に残置があったようだが、抜けてしまったのだろう。スタンスはわずかにあるので、何とか行けそうな感じである。身軽なnao氏がスタンスに立ちこんだところを、足を押さえてサポート。「足押してください~」というコールに応えて、下から足をプッシュ。nao氏からお助けを垂らしてもらって、F薪も同じルートで上がる。左手の壁の下向きクラックを手掛かりにすると、意外とすんなりと抜けることができた。振り返ると、二人パーティが拍手してくれていた。軽く一礼して、先行させていただく。

CS4m滝落ち口から
CS4mを登って、下流を振り返る

その先も、小さいながら、それなりに滝も懸り変化のある渓相だ。

上部の滝
滝が多く懸り、変化のある渓相だ

Co680で、右手に大き目の滝が現れる。正面の流れは水流がほとんどない。一瞬枝沢に大きな滝が…と思ったが、いやいや滝の方が本流だ。滝に気付かないと、だまされるかもしれない。滝は階段状で、水流右から快適に直登。落ち口直下は中央を登るが、ここだけちょっと高度感があり滑り気味なので慎重に。

Co680付近、10m滝
Co680付近に懸る10m滝。水流右を直上し、最上部は中央水流沿いから越える。

その後も、しばらく滝が続くが、次第に終了感が漂う。左右に水流のない枝沢を分け、しばらくすると浅間峠の東屋のところへ出た。ヤブ漕ぎはない。峠では5人ほどが休憩中だったが、こちらは少し前に休憩をしたばかりなので、すぐに登山道を熊倉山方面へ。
しばらく山腹を巻くように道がつけられている。右手の尾根が下りてきて、道が尾根上をいくようになるあたりで、左手の少々急な斜面を沢型に向けて下降。
10分ほどで、水がちょろちょろと流れ始める。昼少し前にCo620二俣。右手から合わさる沢の方がわずかに水量がある。本流はそちらのようだ。ここで、昼食休憩とした。陽だまりで気持ちがいい。のんびりと30分ほども腰を落ち着けてしまった。

キクラゲ採集中
昼食休憩の場所でキクラゲを見つけ、採集に励むnao氏

その後は、ところどころ滝が出るようになる。大きな滝はないので、クライムダウンで、小さく巻いて下降可能。

左沢上部の滝をクライムダウン
左沢上部の滝をクライムダウン

一か所、5mの黒く光る滝は、右岸の急斜面を巻き下りたが、つる植物が繁茂しており、少々難儀した。

黒光りする滝
左壁をクライムダウンしたが、つる植物に絡まれて難儀。nao氏は、さらに左のルンゼ状を下降。

そうこうしているうちに、左沢右沢の二俣に到着。やっぱり早く降りてきてしまったなあ、左俣も計画に入れておけばよかった…と思いながら下っていくと。滝が…そうそう、開始早々滝を一つ登ったよね。
スタンスを確認しながら、慎重にクライムダウン。
同じコースの二人組もここで追いついてきた。

右俣最初に登った滝
最初に登った滝を、慎重にクライムダウン

林道終点に戻ると、時間は13時10分。かなり早い。やはり左俣遡下降も計画しておくんだったと思っても時すでに遅し。左俣はしばらく山道が付いているので、様子だけ見てみようと、少し左俣に入ってみた。Co510二俣は、左沢が2段のねじれ滝、右沢は大きなチョックストンのある4m滝で出合っている。いずれ、こちらにも来てみようと話して、山道を戻る。
林道を戻りながら流れを覗き込むと、ところどころ魚が走る姿が目に入った。上流では魚影は見なかったが、二俣より下流には結構魚がいるようだ。

遡行図(20190413_南秋川熊倉沢右俣右沢~左沢)


メンバー:古巻(L) 高森
山域:奥多摩
山行形態:沢登り
コースタイム:
矢沢林道駐車地点(9:05)-林道終点(9:27)-Co550二俣・陸軍滝下(9:40/50)-トヤド沢出合(9:55)-Co680付近(10:28)-浅間峠(11:07)-下降点(11:15)-Co620(11:52/12:20 ※昼休憩)-Co550二俣(12:55)-林道終点(13:10)-左俣Co510二俣(13:24)-林道復帰(13:37)-矢沢林道駐車地点(14:00)
地形図:五日市・猪丸
報告者:古巻

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