コゴミ、春の集中山行にて

集中山行(春)B班:伊南川巽沢上ノ沢


(天候)5月24日:曇のち雨

今年の春の集中山行は南会津の稲子山集中のはずだったのだが…

今年の春の集中山行は、1泊で南会津の稲子山へ集中するというプランが担当より提案された。安越又川の支流や黒谷川の源流部を巡る計画が各班より示されて実施日を楽しみにしていたのだが、どうも天候が思わしくない。特に土曜の夜から日曜日にかけては雨のようだ。
週末が近づくにつれて焚火がだんだんと遠のくのを悔しく思いながら、最終的には土曜日に日帰りで家向山へ集中するプランに変更となった。

綿貫L率いる我がB班は、家向山南面の巽沢を詰めて家向山へ集中する計画で南会津へと向かった。通い慣れた檜枝岐への道の途中。国道が巽沢を渡る駒ヶ岳スノーシェッド東口の路肩に車を停める。低い橋から巽沢を覗くとボサに覆われたぱっとしない渓相の沢だ。橋の下流は堰堤というか水路というかになっていてすぐ伊南川へと流れ込んでいる。

橋の下流は水路のようになっている
橋の下流は人工的な流れで直ぐに伊南川に合流している。
国道から巽沢の上流方面
橋の上流の方を覗くとぱっとしない渓相である。

ただ、季節柄雪代のために水量は結構多い。右岸に古い林道の跡があったが、荒れた様子なのでほぼ廃道だろうとは思ったものの、ひとまず林道跡を上流へ少し歩き、林道が崩落しているところから沢に降りる。小滝を2つほど越えるとゴルジュっぽくなり目の前に3段の滝が立ちふさがった。合計すると10mを超える立派な滝だ。しかも増水しているから結構な迫力。リーダーは1段目の右壁を登って更に水流近くにルートを探しているが、いやいやこの水量で直登は無謀だろう。1段目の落ち口には何やら人口の水路が造られていて左岸沿いに水を流している。農業用の取水設備とかだろうか。結局1段目落ち口から左岸の斜面に取りつき上部は巻いて越える。巻きの途中で下を見ると、一番下から見えた3段の上にさらに滝が続いていた。1段目4m、2段目4m、3段目5m、最上段は3mくらいの見た目である。

出だしから何だか大きな滝が現れた
1段目を上がると、上にはさらに滝が3段続いているのが見えた。予想外でちょっとびっくりの滝である。

いきなり大滝が出現してちょっとびっくりしたが、斜面を上がると左岸に車道の跡のような立派な道が続いていた。地図に記載はないが、時間を稼ぐためにその道を上流へ辿る。その道がだんだんと不明瞭になってきた辺りで再度沢に復帰する。
しばらく何もない沢を進むと、Co810付近で左岸から水量の少ない沢を合わせる。地形図に記載はないが、下ノ沢と呼ばれている支流である。下ノ沢を過ぎて数分、今度は堰堤が出てきた。造られてから少し時間が経っているようだ。左岸の道はこの堰堤工事のためのだったのだろうか?ともあれ堰堤の下まで行って左右を見ると、左端に向けて土砂が積もっておりそこを登ると越えられそう。堤体の手前の数歩の足場が悪いが、横に伸びた木の枝を掴んで慎重に越える。堰堤の上は荒れた河原になっている。

雪渓は想定していたけれど、意外と滝の多い渓相で飽きないぞ

堰堤を越えて15分ほど進むと雪渓が出てきた。想定より少し早い。雪渓自体は安定しているようなので、上に乗って越える。雪渓を過ぎてすぐに3mほどの滝。平水ならばなんて言うこともない滝なのだろうが、今日の水量で迫力マシマシだ。脇から越えると、右に流れを分けているような雰囲気。谷が切れ込んでいるようにも見えるが、水量が極少なので支流っぽくない。高度計を確認してGPSで答え合わせをするとやはり中ノ沢出合(Co870)のようだ。中ノ沢は出合の少し先で雪渓に埋まっており、水量もあまり多いように見えない。

下流部の雪渓
予想より早く雪渓が現れた。

中ノ沢出合の少し先で、右岸の河原に土管が埋もれているのを見つける。その昔、このあたりまで林道が伸びていたらしいのでその名残だろう。ぱっと見た感じ林道の痕跡を見つけるのは難しそうだ。中ノ沢を過ぎた先の河原で小休止。水分とカロリーを補給する。

中ノ沢出合付近に残る土管
中ノ沢出合付近には林道の名残りと思われる土管が残されていた。

休憩後、すぐにまた雪渓。乗って大丈夫そうなものはなるべく上から越えるが、その先は雪渓が断続的に出てくる。合間に小滝もかかっている。滝を越えるのは難しくないのだが、雪渓をどう越えるか確かめながらになり、少し時間がかかる。
比較的安全そうなものは下を潜って越えたが、気分のいいものではない。ドキドキしながら足早に通過した。

適度に小滝が懸かる渓相
小滝が適度に懸かり思ったよりも渓相はいいが、水量が多く時間もかかる。

山菜を取りに地元の方が入るのだろうか。ところどころ見られた獲物には採集痕が見られた。大きくはないが滝も懸かっていたりするので沢通しでは苦労しそうに思うが、多分楽に歩けるルートが存在するのだろう。しばらくは、そんな感じで小滝登りと雪渓処理が続く。時間は刻々と過ぎていくが、歩みはなかなか捗らない。

雪渓処理の練習にはいい
予想通り雪渓が多いが、雪渓処理の練習にはちょうどいい。
崩落したスノーブリッジの残骸が散乱している
スノーブリッジが落ちてブロックが散乱しているところもあった。
段々のナメ滝
雪渓と雪代で時間を取られるが、小滝が続き結構楽しい。
雪渓を潜る
雪渓を潜って越えるのは、何回やっても心臓に悪い。
両岸が狭まりV字状に
規模は小さいが、雪国の沢らしい光景だ。
雪渓と小滝が交互に現れる
雪渓と小滝が交互に現れる。

家向山集中指定の時刻は13時である。事前の無線連絡の交信時刻は11時と12時の2回。Co1140付近で右岸から流入する小沢の出合で11時となったので、荷物を下ろして無線機の電源を入れる。家向山の北面から集中予定のA班との交信は難しいだろうと、保太橋沢を登路に選んだC班の無線を呼び出してみるも感度なし。A班との交信は言うまでもない。交信時間の5分を経過したので先に進むことにする。

交信地点から少し進むと再び沢幅が狭まり岩壁に挟まれた5mの滝が現れる。リーダーは左壁から突破するつもりの様子。ちょっと見た感じ難しいように思ったが、大きく巻くという選択はしないようだ。石田さんも様子を見ている。結局、上部が少し悪かったようで右岸から大きめに巻くことになった。右岸斜面をトラバースして、滝を越えたあたりで沢に戻ろうと思ったがゴルジュっぽい流れが続いていて、しかも水量が多いので苦労しそう。

左壁から越えようとして諦めた5m滝
左壁から越えようとしたが、上部が少し悪かったらしく、右岸を大きく巻いた。

巻いている途中で、このまま沢通しに行くと集中時間には到底間に合わないだろうという話にもなり、もう登山道へ上がってしまおうと意見が一致する。ただ、水がないとちょっと辛いなあということで、一旦沢へ降りて水を汲んでから登り返して登山道を目指すこととした。
Co1160あたりで一旦沢へ降りて水を汲む。そしてその先で左手の斜面へ取りつき、登山道めがけて登り始めた。藪は少なくていい感じなのだが、灌木も少なくて登るのに手掛かりが少なく少々苦労する。斜面に取り付いてから15分ほどで12時の交信時刻になったため、無線機の電源を入れると微かにC班・高森さんの声を拾えた。C班は登山道の尾根を挟んだ保太橋沢を登路に選んでいたが、こちらより沢の規模も大きいので苦労したようだ。雪代と雪渓のために撤退中とのこと。集中場所には行かずに下山して待機するという。一方で安越又川東沢から家向山を目指すA班とは大きな尾根を挟んでいるためか交信には至らなかった。

エスケープ地点
時間切れで、ここからエスケープ。

交信後登攀を再開。12時25分傾斜が緩み、ようやく登山道へ飛び出した。集中時間まで35分。時間内の到達は難しそうだが、取りあえず集中地点へ向けて足を進める。途中残雪が出てきたためチェーンスパイクを装着する。

登山道に残る雪
登山道にはところどころ雪が残っていた。

150mほど登山道を上がると集中時間の13時となったので、再度無線機の電源を入れる。すると、今度はA班の星野リーダーの声が明瞭に入ってきた。なんとA班、集中地点の家向山頂とのこと。一方、こちらは頂上へ向かうとあと30分はかかりそう。どうせ窓明山のこの登山道を下山するのだから我々のところへ降りてきてもらって合流しようと話がまとまり、A班を待つこととした。その時点でC班は下山中だったが、もう直ぐ国道とのこと。
ということで全員の去就が確認できたので、我々は待機時間に入った。お腹もだいぶ空いたのでここでお昼を食べて待つことにする。お昼を食べ終えてしばらくすると、A班畑さんの元気な声が聞こえてきた。星野さんと二人で「おーい!」と手を振りながら降りてくる。う~ん元気だ。すぐに星野さんの姿と、後からゆっくり坂部さんが登場。A班・B班がここで集中と相成った。

元気なA班女子
山頂集中はできなかったけど、にこにこと元気なA班女子たち

「窓明の湯」集中という結果に終わったけれど

13時35分、6人で下山を開始する。標高1300m付近まではそれなりに雪が残っており、スリップに気を付けながら降りる。巽沢山は気づかずに…というより先を急いでいたので意識することもなく通過。

巽沢山の山頂標
気づかず通過はぼくだけか?誰かが写真を撮っていた!

下山開始から1時間半ほどで登山口に降りてきた。C班の高森さんが車で待っていてくれたので、B班A班の車を回収に向かう。戻ってきた石田さんの車に乗り窓明の湯まで。C班の他のメンバーは既に入浴を済ませて休憩室で寛いでいた。窓明の湯は一昨年、高森さんとタケナグラ沢を訪問して以来である。入浴を済ませてこちらも休憩室で待機しているとA班、高森さんも到着。全員が入浴し終わってから、駐車場で獲物を山分けして解散となった。

獲物の一部
獲物は窓明の湯の駐車場で山分けに

今回の集中山行、山中での集中ならぬ窓明の湯で集中という結果に終わったが、南会津の春に触れることができたという意味では楽しく思い出深い山行になった。巽沢は秋頃の水量が落ち着いた時分に検証の遡行をして全貌を解明するのも面白そうだ。

今回春の集中担当初体験の星野さんは、集中場所の選定、班分け、天候の心配や要所要所での連絡など気苦労も多かったことと思う。大変お疲れさまでした。


山行実施日:
2025年5月24日
メンバー:
綿貫(L) 石田 古巻
山域:
山行形態:
コースタイム:
駒ヶ岳スノーシェッド東口駐車地点(7:20)-Co810下ノ沢出合(8:05)-Co870中ノ沢出合(8:40/55)-Co1030右岸枝沢出合(10:05)-Co1135右岸枝沢出合(11:00/05)-Co1160エスケープ地点(11:40/45)-Co1210付近(12:00/05)-登山道1316m標高点付近(12:25)-登山道Co1475付近引き返し地点(13:00/35)-巽沢山(14:35)-窓明山登山口(15:10)
地形図:
内川
報告者:
古巻

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