薄根川荒山沢右俣

天候:曇り時々晴れ

前日雨が降ったので多少の増水を期待して武尊山前武尊に突き上げる薄根川荒山沢右俣に行ってきました。高森さんが増水時に行くと良い沢として温めていた計画を前日雨が降り実行しましたが、いつもよりは水量はあったものの期待したほどでは無かったです。

スタートは標高1220mの川場野営場です。50台停められる駐車場にたった3台、囲炉裏付きの避難小屋が解放されていますが、水は出ません。身支度を済ませ9時半と遅めの出発となりました。

沢沿いの登山道を30分ほど行くと分岐となり、左の川場尾根方面に少し入ると涸れ沢が横切る。

この涸れ沢が、目的の荒山沢右俣であることを地形図で確認し、遡行を開始する。

しばらく行くと細い水流が出てくるが、期待していた水量には程遠い。水流に従ってまっすぐ進むが、これは間違い。右の枝沢の方が水量が多く、入りこむがすぐに高森さんが気づき軌道修正する。

しばらく、巨岩がゴロゴロした谷間を隙間を縫って登っていく。

両岸が迫ってきて岩場が目立つような地形になってくるが相変わらず流れは細い。

左が岸壁のルンゼ状を登る。

登り終えたところが、co1540mの左沢と右沢の二俣となる。右沢は5x6mのスラブ状滝がかかり、左沢は更に細い流れのルンゼ状になっている。左沢に一旦入り少し登ったところでブッシュを右沢にトラバースする。

5×6m滝の上には、8x10mのスロープ滝が続いており、ちょうどその落ち口に出ることができた。

続く5m滝の左を小さく巻いて越えると、本日の核心巨岩が乗った4mCS滝となる。岩下に潜り込みたいがスタンス、ホールドが細かい。リーダーの足を二人がかりで抑えて突破した。

岩の下は前方に明かりは見えるが、岩が結構詰まっている。果たして潜り抜けられるか心配していたが、岩上からリーダーが現れたので一安心。

セカンド以降はザイルをFixしてもらい、インラインエイトノットでアブミや手がかりを多数作りゴボウで突破する。ザックは引っかかるので外側から引きあげた。

岩穴から出てくる綿貫さん。かなり出口は狭い。

続く5x6mのスラブ滝は念のためロープを引いてあがる。

登ると直ぐに10mのスラブ滝が続く。左の草付きスラブをロープ確保でブッシュまで登り小さく巻いて突破する。

降りたところが、巨岩に塞がれた6mCS滝となり、この下で昼食休憩をとる。
昼食後、リーダーが左の岩との隙間を空身で登り突破する。ザックは全て外側からピストンして引き上げた。

右側が岸壁状になり短いスラブ滝を登っていくと、7×8m滝となり難しいので左のブッシュに入りその上の20x30m滝とまとめて巻いてしまう。

co1670mで二俣となる。右沢には5m滝がかかっており、入りやすい左沢を選択し遡行を継続する。

ウツギのピンクの花が所々で出てくるようになり和ませてくれる。

どこまでか滝かわからないような、V字状スラブ滝をいくつも越えていき、飽きてきた頃に巨岩の乗った4mCS滝が出てくる。リーダーが空身+足抑えで登り切り、後続はロープ確保やゴボウで登る。

時々ガスがかかり、亜高山帯に来ていることを認識させられる。体感的には少々ひんやりしており自分は雨具を羽織って遡行を継続した。

順調に高度を上げていくと、水が涸れ始め笹を交えたボサっぽい窪になっていく。

左側がハング状の岸壁となっているところ。細い流れの溝を登っていく。

巨岩で窪が塞がれたところは、出だしでロープを使って左のブッシュに逃げ込み巻いて突破した。

その上は草付きスラブ状の窪となり、弱点を拾って登っていく。

下をみると夏っぽい雲が浮いている。登山道が左側にかなり近づいているはずなので笹藪を尾根方向にトラバース状に進む。

10分ほどの藪漕ぎで登山道に出ることができた。ここから山頂まで標高差140mの登りが地味につらい。

前武尊の山頂には、日本武尊が祀られた簡素な祠がたっていた。

剣ヶ峰の岩峰が見えたが、武尊山の山頂は雲に隠れているようで見えなかった。

下山に使った登山道には所々祠や仏像が安置されており信仰の山であったことを感じさせる。オグナスキー場のトップは前武尊山頂から標高差200mほど下降したところにある。

動いていれば楽に下山できるのだが・・・

時々ガスがかる登山道を1時間半ほど下ると駐車場に着いた。

開始時間が遅く、ロープも多数出したので時間がかかり19時前の下山となってしまったが、最近運動が足りない山行だったので、今回は水流は少なかったが充実した山行となったのであった。


メンバー:高森(L) 綿貫 坂部
山域:上州武尊山
山行形態:沢登り
コースタイム:
川場野営場(9:28)-登山道-co1375m荒山沢右俣入渓(9:57)-co1550m二俣右沢(10:40)-co1670m二俣左沢(14:30)-co1900m登山道(16:58)-前武尊(17:21/30)-川場野営場(18:54)
地形図:鎌田
報告者:坂部
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