徒渉訓練の翌日、早速訓練の成果を試しに葛野川小金沢本谷に行ってきました。丸山リーダーのもと、参加者は総勢5名、当会としては比較的賑やかな遡行となった。小金沢公園は夜間はトイレが閉まっており、結構厳格に公園の管理がされているようだ。身支度している間に昨日入渓している釣り師からかなり増水しているとの情報を仕入れ、これは途中敗退の恐れがあるかと思い出発した。まずは、ゲートが閉まった林道のトンネルを行く。
林道はアスファルト舗装で奥に発電施設があるのできちんと管理されている。
20分程度の歩きで、スバノ沢手前の小沢に到着し、下降ポイントを探す。
小沢は特に問題なく下降可能だ。本流が下に直ぐ見えてくる。
増水がかなり激しく遡行が困難とのことであったが、本流に降り立つと増水はそれほどでもない。というか、穏やか流れの河原がしばらく続く。
左手からスバノ沢、エノマゴヤ沢が合わさり、7時半過ぎに鶏淵ノ滝(5m)に到着する。結構な水量を落としている。
左壁が登れそうなのでリーダーが釜をヘつって取りつき突破した。念のためロープを出したが、ホールド、スタンスともに豊富でザイルはひっこめる。
後続は、どんどん続いて登っていく。
その上の2条滝は積極的に水流に入り、中央の岩を登ってみる。気温も高く夏の沢登りの楽しみだ。
その先、カネツケ窪を右に見送った所の少し先までは、所々徒渉を繰り返し遡行していく。
しばらく行くと谷が狭まりゴルジュっぽくなってくる。右壁から残置コードがかかるが、増水していないので余裕でへつれる。2年前に来たときはここが増水しておりロープを出して進んだ記憶があるが、今回はずいぶん楽だ。
沢が右に曲がるところには大木がかかっておりその上を通過する。無理せず下からもいけるが、少々遊んでみた。
その先に大釜をもった4m滝がかかる。
右壁が登りやすそうなのでリーダーがトライするが滝近くの流れが強く取りつけない。
結局、左から取りついて水流の陰でピッチを切って後続を確保した。
その先暫くで2段堰堤がでてくる。
左の泥斜面の獣道を拾い堰堤を巻く。途中から明瞭な踏み跡となった。
堰堤を越えて平凡な流れを暫く行くと左から滝沢が合わさる。ここまで、1時間ちょっと、結構いいペースで進めている。
その先で右岸が崩れており、大岩で構成される石組み滝がでてくるが、左の大岩地帯を簡単に越えられる。
30分程度、河原を遡行していくとやっとゴルジュ帯となる。まずは、右側をヘつって最初の淵を突破する。
その先で右壁を小さく巻いた後、トラロープが数本垂れ下がる右側の淵を胸近くまで浸かって突破する。
ゴルジュ地帯を抜けると、3段滝をかけた大樺沢が左から合わさる。
その先、少々流れが強いポイントもあるがロープ徒渉が必要なレベルではない。
前方のゴルジュに大木がもたれかかるお茶ノ水滝が見えてくる。
手前の大釜は泳げば越えられそうだが、その先の大木がかかった10m滝は登れそうになく、素直に右の泥ルンゼを樹林帯まで登って巻いた。
この滝の巻き道は、結構踏まれていて明瞭だった。
その先の大釜つき3m滝は、リーダーが右側から取りつき後続を確保した。
その先は所々トラロープがかかるゴルジュが続くが特に困難なく通過した。
3条の滝は右バンドを難なく通過。
続いて出てくる5m滝は、左壁が登れそうでリーダーがトライする。カム1個を決め、あっけなく突破する。
上部は立っているが、ガバホールドがありそれ程難しくはない登りであった。
左から12m滝が流れこむ支沢の出合いで昼食とした。
倒木のかかる4m滝が出てくるが、右のルンゼ状にトラロープが登ってくださいとばかりにかかっていて、そのルートを取らせてもらい小さく巻いた。
その先で流れが一旦穏やかになり、ナメ状の流れも出てくる。
塩地沢が左から合わさると直ぐに豪快に水を落とす不動滝(10m)が出てくる。ここで雷が鳴り始め、大粒の雨が降ってくる。
リーダーから大事をとってエスケープの判断が出た。堰堤のかかる塩地沢の右岸斜面を登り15分程度で林道に出た。(不動滝の巻きもこのルートらしい。)
林道に出ても雨はやまないので、ここで遡行を打ち切り駐車場に戻る判断となる。途中雨は止んで晴れ間が出てきたが、充分水と戯れたので遡行打ち切りを後悔する人はいなかった。
起点のトンネルまでは1時間半程度かかった。
小金沢本谷は、滝のスケールが大きく、真夏に遡行するにはうってつけと思う。ただし、トラロープのかかり具合から釣り師が結構入っているようだ。
小金沢公園(6:47)-スバノ沢手前小沢入渓(7:21)-鶏淵ノ滝(7:34)-滝沢出合(9:09)-大樺沢出合(10:27)-お茶ノ水ノ滝(10:45)-不動滝(13:20)-林道(13:33)-小金沢公園(14:51)