天候:晴のち曇
群馬県観光名所「めがね橋」の下を流れる碓氷川。
登攀要素は少なく、綺麗なナメやナメ滝と小滝が続く癒し系の沢で、下山では旧中山道の歴史散策も楽しめるという一粒で二度美味しい沢登りルートです。
蛭生息地であり夏場は厳しいそうなので、晩秋の候、11月末の適期に碓氷川本流を遡行してきました。
—
・アクセス〜入渓地までのアプローチ
横川・松井田妙義インター方面より国道18号の〈めがね橋駐車場〉にて駐車。遊歩道にてめがね橋へ。橋の下を通過し「旧中山道」を少しだけ道なりに進み、5分程度で入渓します。
・碓氷川遡行開始(09:00〜)
入渓後、最初の小滝を越えると、再度堰堤が見えてきます。この堰堤をやや手前左岸(右側)から巻くと、そこからは綺麗なナメが続き、その後2条の滝(3m)・幅広6mの滝を越えていきます。
緩やかで広いナメの多い碓氷川は、終始穏やかでとても癒されます。
その後も穏やかナメが続きます。幅が広くてとても綺麗です。
ナメを進んで行くとまた6m幅広滝が現れます。碓氷川はだいだいこの程度の大きさがMAXです。3m小滝の前に大きな岩があるので、その隙間を潜ります。
そのまま小滝とナメを進むとc760付近で炭焼き窯跡を発見。ここ以降、随所に炭焼き窯跡や石積滝が多々見られます。昔はここまで人が働きに来ていたという証ですね。今は誰も通らないこの場所で、人の生活があったと思うと慕情が募ります。
緩やかに続くナメの道と小滝(3mナメ滝や2m滝)がしばらく交互に現れます。その後石積み堰堤を越えた後は、6m滝・2mナメ滝・6mナメ滝などやや大きい滝が続きます。
その後、最後の規模となる6mナメ滝で、小さなヒョングリ滝を発見。
「ヒョングる」「ヒョングリ滝」というのは滝用語で、落下によって水量が増した滝が岩の角に当たって「跳ね上がる」という意味を持つのだそうです。
人生で初めて発音しました…
ナメ滝を2個ほど越え、c1000地点にある最後の4m滝を越えると、滝は終了です。
その後はそのまま歩いて行くと旧中山道の登山道に合流します。
ツメで急な箇所は全く無く、終始緩やかな道で難なく遡行終了。「人馬施行所跡」の看板が旧中山道の合流地です。
・帰路・旧中山道(オマケ)
旧中山道の道中には、様々な案内看板が立っていて帰路は飽きることがありません。説明が少々雑すぎる時もありますが、語りすぎない説明板は味が出ていて良いと思います。
江戸に向かう大名の気持ちになって、一同張り切って参勤(と言う名の下山)します。
江戸時代の参勤交代の歴史だけでなく、安中藩による〈日本最古のマラソン発祥の地〉でもあり様々な歴史を持つ碓氷峠。また、道中には昭和初期に作られたであろう別荘地の廃墟郡もあり見応えがあります。
歴史好きの方からランナー、廃墟マニアまで幅広い層の心をわし掴む、趣深い碓氷峠の帰路でありました。
14:40 めがね橋に到着。お疲れ様でした!
沢登りの後に観光としても楽しめる碓氷川本流。最初から最後までとても楽しかったです。蛭のいない早春や晩秋にぜひまた行きたいですね。
めがね橋駐車場(08:40)-入渓地(09:00)-人馬施行所跡(12:55)-陣馬が原(13:10)-めがね橋(14:50)