水無川本谷

天候:晴れ
今年最後の沢納めは、綿貫リーダーが計画してくれた水無川本谷に参加させてもらいました。当日の気温はそれほど低くなく、南面の沢ということもあり寒さを感じずに気持ちよく行動できました。水量沿いを避ければほとんど濡れることなく遡行できるので冬の沢登りにはとても良かったです。

戸沢駐車場までの林道は車が通ることはできますが、悪路のため車の車種によっては走行するのに大変な道です。今年1月に源次郎沢遡行した際に通ったときより道が悪くなっている気がしました(気のせい?)。戸沢駐車場には5~6台の車が駐車していました。河原で焚火をしたりキャンプの方がいて、年末年始のお休みはここでのんびり過ごすのでしょうか。私たちは沢支度を整えて水無川本谷へ出発です!

戸沢駐車場にて沢支度する畑さんと綿貫さん

駐車場から20分ほど登山道を歩くと堰堤です。堰堤左側にロープで作ったアブミが垂れ下がっておりそれを使って堰堤を越えます。ロープの輪の中に足をいれるのにモタモタしていると、後続の石田さんが左奥からスッと越えたのを横目で見て、私もおとなしくそこから越えました。

入渓直後の堰堤を左から越える。ロープの輪に足を引っ掛けて登ります。見た目より難しかったです。

さっそく6mのF1。ネットの過去遡行記録を見ると二条の滝になっている時もあるようですが、今回は水流が左だけです。

F1の6m滝。

左壁に斜め上に沿って鎖があり、そのルート沿いを登りました。

F1の6m滝は、左壁を登る。登るルート上に鎖が設置されています。

左岸から細い水流のセドノ沢との出合を越えると、4mのF2。水流左にロープが垂れ下がっていますがヌメってそうなので、ガイドブックに従って右壁から登ることにします。上部に残置シュリンゲが2つ見えます。綿貫リーダーがトライするも断念。畑さんにトップをお願いしてロープ確保で登りました。上部が少し緊張しましたが残置シュリンゲのおかげで登ることができました。

F2の4m滝。左岩壁をロープ確保で登る。

巨岩が積み重なったところからゴーロ帯を過ぎると、F3の滝が見えてきました。

手前に2m小滝、奥の7mのF3。

手前の2m滝を越えた左斜面に上から残置ロープが垂れ下がっています。上まで登ると、太い鎖がトラバースしながら回り込んで滝落ち口のほうに続いているようです。

トラバースするとF3滝落ち口に続いています。
トラバースをして滝落ち口から見るとこんな感じです。

すぐに6×7m滝。左から簡単に登れます。

6×7m滝。

この後、F4とF5の滝は左岸を高巻きして懸垂下降。対岸には書策(かいさく)新道の径がはっきりと見てとれました。懸垂下降を終え、ゴーロ帯を歩く。左の沖ノ源次郎沢は、ここから見る限り土砂や石が大量に堆積していて水流もほとんどなしです。右に進むとすぐに木ノ又大日沢がはいります。
CS6mのF6。左右の巨岩から滝が水量少なく流れ落ちています。右側の巨岩と壁の間にシュリンゲが垂れ下がっていて、ごぼうの要領で乗り越えるようになっています。

CS6mのF6。

綿貫リーダーがチャレンジするも断念。畑さんにトップを交替し上でビレイしてもらいます。一発チャレンジ、全開の力で一気に登ります。残置シュリンゲがなければ乗り越えるのはかなり難しそうです。

F6は、右の大岩と壁との間の残置シュリンゲを使って登ります。

F7は崩壊、岩で埋まっています。このあたりから大きめの岩で沢が埋め尽くされている様相に。岩もボロボロと剥がれます。

㏇1050あたり、水が溜まるところが氷となっていました。暖かくても季節は冬ですね。
見た目にも岩がボロボロと脆そうな感じです。

大岩と大岩の隙間から流れる小滝をいくつか越えると、大滝30mのF8。3段ということだが上のほうははっきりとはわかりません。一筋の細い滝がまっすぐに落ちています。両岸はボロボロの岩壁でガレ場となっていて、左岸から巻けるとのことですがどこから巻けばよいのやら・・。

大滝30mのF8。両岸の岩壁が迫力あります。

滝の近くに行ってみると滝そばの右側に登れそうなルンゼがありました。取り付くと砂壁のように脆い。落石に気を付けながら慎重に登っていくと、巻きみちにそってロープが張られていました。急斜面なので残置ロープはありがたく使わせてもらい、結構な高巻きを終えて沢床に戻ってこられました。

滝近くに行ってみると、滝そばの左岸側に登れそうなリッジがありました。

沢に戻ると、大きな岩はなくなりザレザレの歩きにくいところです。崩壊、落石の巣窟のよう。

さきほどより細かい石が沢を埋め尽くしています。

頃合いをみて、塔ノ岳直下の尾根(右岸)㏇1340付近に詰め上げました。あと130mほど尾根を辿っていくと塔ノ岳山頂近くの登山道です。

このまま登るだけと思っていたのですが、謎のトゲトゲの枝が前方に立ち塞がってなかなか前に進めません。避けることもままならず、お互い「痛い~」と叫びながら登るハメに・・。登山道に出たときにはホッと一安心でした。そこからすぐに塔ノ岳山頂。山頂からは見えた富士山は霞んでいました。

塔ノ岳山頂で見た富士山。幻想的でこれもまた良いです。

風が強いので休憩もそこそこに下山開始。下山路は予定していたホソノノ尾根ではなく、安心安全の大倉尾根、そして天神尾根で下りました。天神尾根は倒木などで荒れており、木道の階段も補修がされてない状況です。完全に復旧するまでには時間がかかりそうな様子でした。
下山時間1時間30分、陽が完全に落ちる前に駐車場に戻ってこれました!
2023年最後の沢登りが年末にできたのと、充実した山行で楽しかったです。2024年に向けてパワーチャージもできたような気がします。みなさま、お疲れ様でした、ありがとうございました!!

山頂で記念撮影。無事遡行できました~。

メンバー:綿貫(L) 石田 畑 星野 
山域:丹沢
山行形態:沢登り
コースタイム:
戸沢駐車場(9:03)-水無川本谷入渓(9:22)-F1(9:39)-セドノ沢出合(9:43)-F2(9:44)-F3(10:29)-F4(11:15)-沖ノ源次郎沢出合(11:47)-木ノ又大日沢出合(11:53)-F6(11:56)-昼休憩(12:34-12:53)-金冷シ沢出合(13:11)-F8(13:25)-㏇1340尾根(14:29)-塔ノ岳山頂(15:10)-大倉尾根~天神尾根で下山~戸沢駐車場(16:56)
地形図:秦野・大山
報告者:星野

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