月山立谷沢川清川

前から紅葉の時期に行きたかった月山立谷沢川清川、なかなか週末の天気が噛合わず、しょうがないので天気の良い平日に単独で2泊とゆっくり目で行ってみました。紅葉の時期には少し早かったですが、月山のメインの登山道以外は一人も登山者に合わず、清流の流れる清川を時間をかけてゆっくりと遡行し、静かな山行を楽しめました。

9/30(月) 曇り時々晴れ、山頂部はガス気味

前日の橋倉川本谷からその日のうちに新幹線で山形に移動し、カーシェアを借りて道の駅西川でSBと詰め詰めの日程だが、天気が持つのが水曜午前中までなのでしょうがない。ガソリンが少ししか入っていなかったのと寒河江SAのガソリンスタンドが深夜はCloseで給油できなかったため、朝から寒河江まで戻って給油しなければならないハプニングで出だしが遅れたが、登りはリフト利用予定なのでどうにかなった。姥沢駐車場は、平日なのに既に結構車が停まっていて、切符売りのおじさんからはまだ紅葉には早い旨が告げられ出鼻をくじかれるおまけもついた。駐車場で既にガスっていて様子はわからないがリフトに乗って終点で降り姥ヶ岳からのルートで登り始める。道には木道が敷設され歩きやすい。

登っていると、ガスが晴れて月山の方向が臨める瞬間もあった。情報通り紅葉はイマイチだが、沢登りではガスが晴れて視界が広がることはあまりないので久々に登山の醍醐味を思い出した。

雲が徐々に上がってきて、月山湖も眼下に見えてきた。紅葉にはまだ早いと言われたがそれでも一部綺麗に紅葉していた。

2時間程度の登りで山頂の月山神社に到着。本当の山頂はこの裏の岩場のてっぺんらしいがピークハンターではないので、比較的風の弱い東側で大勢の登山者と同様に昼食休憩をとる。

山頂から東方向の肘折温泉方面の登山道に入ると登山者は皆無となる。

ガスと風でしばらくはうら寂しい雰囲気です。

ある程度下るとガスが晴れてきて進行方向が遠くまで見渡せるようななだらかな区間になり気持ちよく下れる。なだらか区間の終点は千本桜という地名のポイントで湿原になっているが桜は見当たらない。ここから急な下りになり所々ロープが張られていた。

山頂から3時間程度の下りで清川がやっと見えてきた。川というだけあって結構水量がある流れだ。

清川橋の上流方向30m程の左岸に極上テン場があり、そこを今夜の幕場とした。

焚き木がテン場周りには少なく、清川橋を渡った対岸からかき集めどうにか形になる量を集めた。テント設営と焚火準備で2時間近くかかったが、日没まで1時間程度あるので、ジョギングシューズをサワーシューズに履き替え今年最後の魚釣りに出かける。テン場の近くで少ないながら魚影があり、どうにか塩焼きサイズを1匹釣り上げ納竿とした。清川はもっと魚影が濃いかと思ったが、今回の遡行で魚が走ることはほとんどなく釣られてしまったのか随分少ないなと思った。

夜は焚き木集めのおかげで安定した焚火を川原で楽しみ、星空もばっちりで明日の晴天が期待できた。

10/1(火) 晴れ後時々曇り

翌日は予想通り快晴。朝から焚火を楽しみ、8:30に清川橋テン場を出発する。今日はco925mの清川橋から登山道横断点まで標高差が425m、水平距離で4.5kmぐらいの普通に歩けば4時間ちょいの行程なので、とにかくゆっくりと遡行することを心がける。

清川は名前通りの清流で結構大きめの岩がゴロゴロしたなだらかな開けた川原が延々と続く。水量はあるが、徒渉は場所を選べばせいぜい膝上といったところで、濡れパンにならずに遡行していける。清川橋から上流1km程度までの区間には、草刈りや整地が必要ではあるがテン場適地がちらほらとあった。清川橋での焚き木集めにかかる時間を考えると上流でテン場に選んだ方が良いかもしれない。

2時間ぐらい同じような川原を徒渉を繰り返して遡行していくとほぼ登山道まで中間程度となり、右側に茶色い崩壊地が出てくる。崩壊地の左側から比較的大きな枝沢が2本1:10で多段滝のような急なゴーロ帯を伴って流下していた。

水流は光を通すとターコイズブルーの非常に美しい流れに見える。これで紅葉が進んでいれば素晴らしい景観の中の遡行となるだろうが、今年の高温続きで紅葉が遅れているのが非常に残念だ。

後半部を半分程度いくと、右岸が少し立ってきて、最終的に両岸が狭まり、そこに今回の遡行で数少ない滝が2m、3m多条、5x10m岩組と続くが、何れも簡単に越えられる。

そのポイントを越えると再び開けた川原が続き木々が少し色づき始める。川原の石が結構苔で覆われぬめってくるようになり、つい滑って痛恨の濡れパンツになってしまう。稜線が見えてくると1:5で枝沢が左から合わさる。これが、co1305mのポイントで枝沢に入り登山道を目指す。

すぐに両岸が草原上になりその中を通る踏み跡をたどって行く。気持ちの良い道だ。

登山道直前に2m滝がかかり、踏み跡はこの左の泥壁に続いていたが、スタンスがほとんど効かず這い上がるのに苦労した(今回の山行で一番頑張ったところです)。

登山道を左に折れ5分程度いくと清川行人小屋に到着した。案の定、一人も登山者はいない。1階の日当りのある所に陣取り、着替えやビール冷やしを済ませてもまだまだ日暮れまでには時間があるので、小屋裏の1380mピークに行ってみた。

雲が出てきてしまっていたが、ピークからは360℃の展望があり月山方面、朝日連峰、飯豊連峰、蔵王方面等の山並みが臨めた。

山頂には月山方向に太陽(満月?)と三日月をの彫り込みをあしらった石の祠が安置されています。昔からの信仰の山なんですね。

小屋に戻って、まだ日没まで十分時間はあるが、取りあえず夕食の準備をしてチビチビと呑んで時間をつぶす。結局この日は宿泊者はいなかったが、小屋のメモ帳には前日までは結構な人数が泊っていたようだ。

2階建ての居心地の良い小屋でした。協力費1000円は格安だと思います。ただ、夕暮れ時に大きな蛾が2階の窓に20匹位張り付き飛び回るのが邪魔でした。

10/2(水) 晴れ時々曇り、山頂部は強風

翌日は、東京で夕方から所用があるのでお昼前の下山を目指し小屋を出発する。昨日の脱渓地点を横切り、比較的なだらかな登山道を一路山頂を目指す。台風崩れが三陸沖に来ている影響が出始めているのか風はかなり強い。

30分位登ると清川本流を横切る。30分程度でなだらかな尾根にとり付きさらに高度を上げていく。

後ろを振り返ると寒河江の町と朝日連峰東部、蔵王方面の山並みが見える。
お世話になった行人小屋ともここでお別れです。

・y

そこからは、岩混じりの草地&低潅木帯を登り続けていくと、巨岩に到着。中に人の入れる隙間の空いている胎内岩だ。周りには墓石?がいくつも安置されていた。

胎内岩からはひと登りで月山山頂部に到着。風が真っすぐに歩けないほど強い。月山神社は一昨日お参りを済ませているのですぐに姥沢方面に下山を開始した。

2日間でまた少し紅葉が進んだようだ。リフトに朝一で乗った登山者が登ってきて言葉を交わす。

姥沢方面へ延びる木道は、登山道の約8割敷き詰められていてとても歩きやすい。姥沢駐車場には予定どおり、お昼前に到着することができた。

いつものようにハーネスと今回は補助ロープを持っていたが、結局使用することはなかった。清川の遡行も難しくはなく、増水していなければ沢慣れた人にはこのコースは単独でも問題ないだろう。次回はもう少し紅葉の進んだ時期にきてみたい。

 


山行最終日:2024年10月2日
メンバー:坂部
山域:月山・湯殿山・羽黒山
山行形態:沢登り ハイキング
コースタイム:
9/30:姥沢駐車場(8:39)-リフト終点(9:13)-月山山頂(11:15/45)-清川橋(14:36)
10/1:清川橋(8:31)-清川行人小屋(13:48)
10/2:清川行人小屋(7:00)-月山(9:30)-姥沢駐車場(11:40)
地形図:月山
報告者:坂部

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