摺上川叶道沢

誰が言い始めたかはわからないが、東北三大ナメ沢の一つ(他の二つは桃洞沢、大行沢)、栗子山塊 叶道沢へ。初日は焚火と山菜、翌日新緑の中、どこまでも続くナメを遡下降してきました。当初の予定では、前泊して叶道沢中流の枝沢を山菜狙いで遡下降して中流部に泊る予定でしたが、土曜の天気が日中は結構な雨予報なのであきらめ、止んでくる15時以降に入渓し1時間ぐらい下降した二俣あたりで泊る計画に変更して実施しました。

5/17(土) 雨後曇り
東京を当日9時に予報通りの雨の中を出発する。天気が悪いので高速はほとんど渋滞なくスムースに運転できた。15時以降に止んでくる予定なので、途中七ヶ宿ダムを見学しダムカードを入手し、道の駅に立ち寄る。道の駅では、地元産の新鮮なワラビ、シドケ、タラの芽、ワサビの芽などが販売されており、山菜採取の期待が高まる。身の回りの準備を済ませ目的の林道に向かう。スキー場の先は道がぬかるんでいたが、地形図のco641m標高点までは問題なく入れた。

林道脇のスペース駐車し15:30頃に出発する。

早速、杉植林地の脇に大量の良質なワラビを発見。2-3分で十分な量が採れたので幸先が良い。林道から山道を辿り、10分ほどでユノムラ沢源頭部に到着し下降を開始する。

ユノムラ沢の上流部は基本穏やかな流れで少しナメがある感じ。新緑の中下降していくが、ここでシドケとうるいが採れた。イワナが時々走る沢を下降していくと少し両岸が迫り小滝が現れ始めヘツリを楽しむ。

その先が切れ落ちていて予想外の9m滝がかかっていた。巻き道の山道は右岸にあるようだが少し戻る必要があるので、右岸の泥壁を懸垂下降した。

その先は真っ平らな素晴らしいナメがしばらく続く。

この5x7mスラブ滝は右岸にトラロープがかかっていたので利用させてもらいました。

クロノ沢方面への二俣(co390m)には17:15到着。どちらもナメが続いていた。

二俣の上が定番の泊り場になっていて釣り師のブルーシートが立木に巻き付けられていた。雨は降ったり止んだりしていたが、タープを設営して濡れた薪を集めて焚火の準備をする。18時過ぎに、焚火熾しを高森さんに任せ、古巻さんと30分程度釣りに出た。小さなイワナが1匹かかっただけで、反応はそれほどなかった。

雨は19時過ぎには止み、今年初めての焚火も熾きて各種山菜を夕朝と楽しみました。九州姶良市名物の豚あご肉の焼肉が夕食のメインです。

5/18(日) 曇り時々晴れ
翌日は6時過ぎに起床。焚火を楽しみワラビの味噌汁メインの朝食を摂った後、荷物はそのままデポして出発する。日差しが時々、新緑のナメに入ってきて思いのほか美しい光景を見せる。

二俣から上は基本的に道路のようなナメが続く。時々、2-4m程度のナメ滝が出てくるが難しい所はないし、トラロープもかけられていた。

こんなナメが延々と続いている。さすが東北三大ナメ沢だ。

クロノ沢と地神沢の二俣に30分程度で到着。どちらもナメが続くがクロノ沢を遡行していく。

クロノ沢のナメは、苔のため少し黒っぽい。

小滝もアクセントで時々かかるが大部分はナメです。

どこまでもナメが続きます。

三段滝が1箇所でてきますが、トラロープもあり難なく越えられます。

林道が近くなると、苔むした小川の流れになってきます。

途中休憩を挟みましたが、地神沢の分岐から1時間半程で林道に到着。少し休んで林道を地神沢の上流部の方に進みます。

林道はぬかるんでいましたが、オフロード車が通った跡がありました。タラの芽やコシアブラもありましたがこれらは育ちすぎでした。2-3週間遅いかな。

30分ほど林道を行くと、地神沢の左沢に出ます。上流部は変哲もない小川です。

が、すぐにナメが始まります。

途中、トイ状のミニヒトマタギがありました。

イワナがここいらも時々走りますがサイズは小さめでした。熊やシカの足跡も時々見られましたが、ヒトの足跡はあまりなかったです。

このナメ滝は左岸を巻き気味に降りました。

とにかくナメが続きます。クロノ沢が8割ナメ、地神沢が9割ナメで構成されていた印象です。

二俣近くのナメ滝、滑りやすく慎重に降ります(自分はここで尻もち着きました)。

二俣、少し上のナメが素晴らしい所はゆっくりと通過しました。

地神沢をゆっくりと下降し2時間かからずテン場に到着。荷物を片付けて昼過ぎにユノムラ沢の登り返し(といってもなだらかな沢ですが)にかかります。
最初のナメ滝は左のトラロープを利用させてもらいます。

下降した時に懸垂下降した9m滝は、右岸を巻こうと思い斜面を登ってみましたが上部がえぐれていたので諦め、懸垂下降した泥斜面を高森さんにリードしてもらいました。途中の潅木までが結構ぐずぐずでアイスハンマーが大活躍したそうです。後続は、プルージックで登りました。

この滝の突破で結構時間がかかり、駐車スペースまで2時間ちょいの遡行となりました。駐車スペースの手前でワラビをそれぞれ満足する量を収獲し、天ぷら用にブドウの芽も少し採取し、道の駅でタラの芽お土産も購入して帰京しました。
東北三大ナメ沢と言われるだけあって、大部分がナメで構成されるので好みは分かれるところですが、山菜やキノコを絡めれば魚もそこそこいるし楽しめる沢と思います。

 


山行最終日:2025年5月18日
メンバー:坂部(L) 高森 古巻
山域:栗子山塊
山行形態:沢登り
コースタイム:
5/17:ユノムラ沢源頭付近co641mP(15:25)-ユノムラ沢下降-co390m二俣泊場(17:15)
5/18:co390m二俣泊場(7:40)-クロノ沢遡行-co650m付近林道(9:12/20)-林道-地神沢入渓・下降(9:49)-co390m二俣泊場(11:34/12:08)-ユノムラ沢遡行-ユノムラ沢源頭付近co641mP(14:16)
地形図:関
報告者:坂部

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