関東が梅雨時期でも日本海側の新潟県なら雨を避けられ沢旅が出来るのではないか?そして気になっていた五頭山塊。少し距離があるが一度行ってみたいと思っていたので今年思い切って計画してみた。ネットで情報収集すると広田さんが詳しく記録を上げていらっしゃったので参考にさせていただいた。その中で早くから雪渓が無くなりそうな五頭山に詰める沢(大荒川本流と西小倉沢)を一泊し日帰りで2本行くことにした。ところが天気予報は日に日に悪化するばかり。遠征自体をあきらめようかと思ったがパートナーと相談し「行ける時に行かないと機会をなくす」と意見が一致したので天候が持ちそうな14日に前泊日帰り、半日で抜けられる安野川小倉沢ハゲ沢に転進し実施した。
13日金曜日、仕事から帰宅後すぐに支度し19時に家を出た。鶴ヶ島駅で合流し「道の駅 阿賀の里」目指して走る。高速道路を順調に走り日付けが変わる頃到着出来た。この道の駅は新しくてとても奇麗だった。機会があればまた訪れたい。軽く入山祝いをしながら天気予報をチェックするとなんと降雨時間がさらに早まっていた。このため入渓時間を7時から6時に前倒しし、昼過ぎの下山を目指すことにした。
翌朝は4時に目が覚めた。パンを食べながら沢支度を整える。入渓点の「どんぐりの森キャンプ場」までは車で約20分。キャンプ場は五頭山へのメジャーな登山口の脇にあるため駐車場が広く安心して駐車できた。駐車場から約5分、橋を一つ渡るとキャンプ場に到着。ここには水場は無いがバイオトイレがあった。装備を付けていると駐車場で挨拶した二人組の釣り師がやってきて私たちが入る沢がどこなのか聞いてきた。同じ沢だったが「追いついたら先行してください」と言ってくれたので安心した。ニコニコして余裕が感じられる良い人たちだった。彼らから遅れる事10分、私たちも出発した。出だしの登れない3つの滝を巻いてから入渓するため15分ほど踏み跡を辿ってから沢に降りた。水量は少なくこじんまりした沢で何となく濁っていたが水温はそれほど低くなかった。
入渓後はしばらく単調な沢歩き。ミニゴルジュに入ると小滝が出てきた。フエルトでは気にならないがパートナーのラバーはかなり滑るようで慎重に歩いていた。ここで先の釣り師に追いついた。伺うと釣果は小さいのがポツポツぐらいとのこと。お互い楽しみましょうと会話して別れた。気持ちよく譲ってくれたが申し訳ないので少しのあいだ水から離れて歩いた。。両脇は締まった土の壁で色々な草が生えていて食べられそうな山菜が無いかときょろきょろしたが私に見つけられたのは育ち過ぎたウルイくらいだった。Co360 でこの沢一番のお楽しみ、6m滝に到着。岩は水流に磨かれてつるつるしていて一見直登は難かしそう。記録にも載っている左水流に垂れる残置ロープをありがたく使わせていただいた。少し水を被るがこの残置のお陰でスムーズに登る事ができた。(ありがたい事です)



左から水呑沢、大杉沢が合わさると沢床に倒木が目立つようになった。どれも新しく、雪の重さに負けて根元から滑り落ちてきたのか根の周りには土が付いていて水に浸っていた。これが濁りの原因のようだった。腐っていないので弾力があり中途半端に浮いていてとにかく歩き難かった。そしてこの辺りで雨が落ちてきた。

それでも時折出てくる2~3mの小滝を楽しみながら進むとようやく落差のある滝が続くようになり二人ともテンションが上がった。4段9mナメ滝は左から問題なく登れ、その後の3段9mは登れないが右岸にしっかりした踏み跡があり容易に巻けた。この滝の上で右から合わさる沢の出合いに小さいスノーブリッジがあった。来週の気温上昇で崩れるかもしれない。雪が残っていたのは前情報の通りここだけだった。


このまま倒木に埋もれたままなのかと心配していたがCo550で奥の朴木沢を分けハゲ沢に入ると倒木は無くなり本来の姿であろう奇麗なナメ床の沢となり「ようやく来たか!」と二人ではしゃいだ。ボルダーチックなナメ滝をいくつか楽しむみいよいよ源頭が近くなる。最後の二俣ではコルに向かう左沢は水量がほぼ無くボサっているのが見えたので少ないものの水がある右沢を進んだ。こちらも間もなくに水が涸れた。それから約10分の藪漕ぎで稜線登山道へでた。稜線は雨に加えて風が強く吹いていた。気温はそれほど低くなかったのでカッパは着なくても平気だった。まだ時間も早いし次はいつ来られるか分からないので五頭山頂まで往復してから下山した。この天候なのに結構な人達とすれ違った。このルートは東京でいう高尾山くらいに地元の方にとって親しまれているというのもうなづける。とてもよく整備された道だった。


下山後はふもとの村杉温泉でさっぱりして安田インター近くの有名なとんかつ屋さんで豪華な下山飯を戴いてから帰宅しました。とんかつ山花(やまか)さんまた行きたい!
どんぐりの森キャンプ場(6:20)-入渓点(6:45)-2条6m(7:20)-スノーブリッジ(8:15)-奥の朴木沢(8:40)- Co865稜線登山道-五頭山頂(10:30)-どんぐりの森キャンプ場(12:00)