大岳山

武蔵五日市駅のホームは氷が張っていてツルツルだった。バスが来るまで寒いのでコンビニで待つ。出発5分前になりバス停に行くと、ちょうどバスが入って来た。標準的なバスよりも小ぶりで、座席は15席くらいしかない。それほど上養沢方面に行く人は少ないということだろう。上養沢のひとつ手前の大岳鍾乳洞入口で降りる。他に単独男性が3人。そそくさと一番乗りで出発する。養沢神社でお参りし、その裏から登って行く。いきなり雪の斜面となるが、すぐに雪はなくなり安堵したのもつかの間、とんでもない急登になる。手すりや木の枝を使いながら50mくらい登って行く。急登が終わったところで、パーカーを脱いでタオルを出す。サルギ尾根を登って行くとチラホラ雪が出てくる。トレースはない。自分の足跡を刻んで行くのはなかなか楽しいが少し不安もある。後続の人たちは登って来ているのだろうか。あまりに静かな空間でさみしく思っていると鹿の足跡が出てくる。ちょうど私の歩く方向にトレースは続いており、鹿トレースに案内されるように進んで行った。

鹿トレース

高岩山は展望もなく一瞬で通過。上高岩山までは、一旦下って登り返すようだ。お腹が空いたので休憩していると熊鈴の音が聞こえて来る。後続のおじさんが登って来たようだ。普段なら先に行くが、この日は雪があるため、ここでおじさんに先に行ってもらいトレースをつけてもらうことにする。行動を再開すると、いつの間にかもう一人のおじさんも前にいた。たいした雪ではないが、トレースがあると楽なので、しばらく後をついて行く。尾根を登る手前で、おじさんAが地図を読んでいて、おじさんBは尾根を巻くように進んで行った。地図を見てみると、これは尾根を直進だと思うが、おじさんたちの判断は分かれた。おじさんAは、尾根を登り出すが、おじさんBの姿はもうない。大丈夫かな、巻道もあるのかなと思い、どうしようとしばらく考えていると、おじさんBが戻ってきたのでほっとした。結局、上高岩山までおじさんたちの後を行くことになる。登り切ると小屋のようなものが見えて来る。上高岩山の展望台のようだ。まだ先は長いので、ここも休憩せずに通過する。ロックガーデンとの分岐を過ぎると、登山者が増え、踏み跡も増え、何の苦もなく歩くことができる。鎖場をいくつか越えると大岳山荘が見えてきて、階段を上り下りすると大岳神社に到着。神社でお参りをして、大岳山頂を目指す。この最後の登りがけっこう辛かった。大岳山頂に着くと富士山が綺麗に見える。ベンチもあるし、ここで休憩しようかと思ったが、よくよく見ると10人くらい登山者がいたので、その案は却下とし、すぐに下山を開始する。10分弱で海沢探勝路との分岐になる。不安だったがトレースがあったので少し安心。突っ込んで行くものの、なかなか雪が深い。20mくらい下ったところでベンチになりそうな倒木があったので、お昼休憩を取り、軽アイゼンを付けて出発する。トレースは登って来た人のもので、1人分。これがあるとないではだいぶ違うため、感謝しながら下って行く。海沢方面への道標が出てきたところで、ぐるっと左に曲がる。急登になり、真新しい緑色のザイルが取り付けてあったので有り難く使わせて頂く。しばらくはトラロープがいくつか出て来るが、不思議なことにポイントポイントでトレースが途切れる。どう登ったんだろうと不思議に思っていると、ところどころカモシカらしき動物の足跡が登山者のトレースに混じる。もしかして、登って来た人のトレースだと思っていたのは、カモシカの化身で、カモシカが私を導いてくれたのかもしれない。こんなメルヘンな妄想をすることが楽しかったりする。沢に出たところで、雪も少なくなったので軽アイゼンを外す。数年前にこのあたりは散策したので、なんとなく記憶はある。大滝の少し上で、御岳山まで行くという年配の3人組の登山者とすれ違った。三ッ釜の滝が見えてくるとほとんど雪もなくなる。

三ッ釜の滝

海沢園地のベンチで少し休憩する。ここから奥多摩駅までは1時間半。面倒くさいな、車があったら一瞬なのになと思いながら歩き出すと、左手に三段の滝があることに気づく。歩かないとわからない発見で、歩くのも悪くないなと少しだけ嬉しくなる。20分くらい歩くと河原で焚き火をしている男性を発見。色んな楽しみがあるものだ。長かったが、それなりに新しい発見があった林道歩きだった。


メンバー:K
山域:奥多摩
山行形態:ハイキング
コースタイム:
武蔵五日市駅(07:01)-大岳鍾乳洞入口(07:28)-養沢神社(7:30)-高岩山(09:01)-上高岩山(09:59)-ロックガーデン分岐(10:09)-鍋割山分岐(10:16)-大岳神社(10:51)-大岳山(11:10)-海沢探勝路(11:18)-大滝(13:04)-三ッ釜の滝(13:22)-海沢園地(13:28/13:33)-奥多摩駅(14:40)
地形図:武蔵御岳・奥多摩湖
報告者:K

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