当初は東谷新山沢遡行・行福沢下降の計画だったが、観光釣場の茶屋のかなり手前のスペースで車を停めたところ、軽トラを運転する人に声を掛けられて東谷を遡行する予定を話すと、東谷は入山禁止だと教えられて石楠花沢を遡行することにした。林道がヘアピンを描いて大血川を離れて行くところへ向かう途中で、東谷林道の入口を見るとたしかに「入山禁止 秩父警察署」と書いてあった。
カーブ手前の少し広くなったすれ違いスペースに車を停めて入渓点へ向かう。大血川沿いにも未舗装の林道が伸びているが車での立ち入りは禁止されている。林道は橋を渡った後間もなく終点となり、その先は取水設備へ向かう道なのか導水パイプ用の橋が3本架かっていて道は沢を縫うように登っていく。3本目の橋を渡るとフェンスに囲まれた取水設備があり、その脇を通り抜けると水量乏しいタカノス谷に架かる橋を渡る。すぐに堰堤がありその上で入渓する。河原を少し歩くと小滝があってその上がワレイワ谷との出合となっている。
石楠花沢に入っても河原が続き、やがて正面に7M2段の左俣の滝が見えてくる。
右俣は右に折れて小滝が続いている。一連の小滝を登ると右にルンゼが入って少し開けた感じになる。
これでゴルジュは終わりかと思うと正面に大きな滝が見える。基部付近まで行くと滝は二つに分かれており、下部は7M2段で左壁を登る。上部は基部に立たなかったが15Mくらいありそうだ。左側のスラブ壁を登って落口に立つ。
谷は一旦開けるが、間もなく右側がハング壁で下部がルーフになった短いゴルジュとなる。
水流は二つの大岩の下から流れ出ている。右の岩の下に空間があり、ここを潜り抜けて大岩の上に抜けることができた。その先しばらく河原が続く。
1200M手前で右に浅い谷が分かれており、この辺りからゴルジュとなる。ゴルジュには小滝が多く、ぽつぽつと5M前後の滝も懸っている。
最初の4M滝は左を登った方が簡単そうだが右壁の外傾スタンスを繋いで登り、次の7Mは左から取付き中段から右側を登る。落口には3×6の樋状ナメが続いている。
右岸がやや開けると狭い割れ目のようなゴルジュとなって3Mと8Mの滝が続いている。ここは左壁の上を簡単に巻くことができる。
8M滝の上は開けたゴーロの河原となって左に涸れ沢が分かれる。
そのすぐ上流で右に涸れ沢が分かれ、続いて右に湧水があると思われる小沢から水流が注いでいる。1380Mの奥の二俣に至るころには、流れが雪や氷に覆われがちになる。
右沢へ入ると間もなく3M2段の滝が懸るが、簡単に越えられる。上部はガレとなって、すぐに長い雪渓に覆われる。雪渓は次第に薄くなり、谷の右側は不安定なガレとなって度々小さな落石が見られる。
左側は草混じりの急斜面だが所々凍っていて気が抜けない。枯木交じりの右岸の疎林帯に逃げて登山道に出た。
登山道を辿って長沢山山頂に詰め上がる。左俣右沢の源頭部は雪に埋もれている上に結構傾斜があるので左沢を降ることにする。稜線直下の左沢は谷型がはっきりしない広い斜面だがほぼ全面積雪がある。
次第に谷型がはっきりしてくるがびっしり雪がついている。しばらく右岸の樹林帯を降って、途中で昼食を摂った後1500M付近に懸垂2Pで奥の二俣より下部の左俣に降りた。
沢は思ったより平凡だが、小滝が雪や氷に埋もれていて、積雪の下部に空洞ができているところが多いので結構苦労して下降していく。
1350M付近からの連瀑帯は左岸の疎林帯をトラバースしてザレルンゼに降りて、ザレを下降して連瀑の下に出た。そこから比較的開けた河原が続く。
1100Mでは右岸に大規模な山抜けがあり、流れ落ちた石がかなり下の方まで沢を埋めている。
間もなく二俣らしき光景が見えてきて、小滝が続くと7Mの滝となって出合に注いでいる。
一連の滝を右岸から巻いて二俣の下に降りた。
河原を歩くとすぐにワレイワ谷出合、そして堰堤が現れ山道にあがる。往路を辿って林道の駐車スペースに戻った
林道(7:10)-タカノス谷出合上流堰堤(7:30)-二俣(7:45)-右俣1240M(9:00)-登山道(10:25)-長沢山(10:40)-左俣左沢右岸1520M(11:15-30)-左俣1500M(11:45)-林道(13:45)
この沢を遡行・下降している間に、花粉症の症状が出て火曜日まで鼻がグズグズしていた。檜に反応するようになってきたのか、スギ花粉がどこかに残っていたのか、それ以外の原因なのか・・・。