南牧川熊倉川

寒気の入りこんだ晴天の週末、焚火がてら西上州の南牧川熊倉川に行ってきました。初日は、入渓点の堰堤上で焚火を楽しみ、翌日熊倉川を遡行して「日本で海岸線から一番遠い地点の標柱」に行く目論見でしたが、その結果は・・・。

11/23(土) 晴れ

東京を11時に出発するが、関越が意外に混んでいて南牧村に到着したのは15時近くとなる。人の気配のない熊倉集落を過ぎ、象ヶ滝に向かう林道は通行止めのコーンが入口脇にあり車が入った跡があまりない。5年前に来たときは特に問題なく林道終点まで入れたが、路肩にコーンがたっておりCX-5だと結構ギリギリで通過するところが数カ所ありで30分ほどかけて最後の1kmを通過した。明日の遡行道具以外に泊りの道具や食料・酒を手提げに詰め込み出発。川沿いの山道を行くと15分ほどで堰堤上の泊り場に到着する。

堰堤上は以前来た時より大分荒れていたが、平らな部分にテントを張り、薪を集め目的の焚火を早速始める。冷やしたビールで乾杯し、まだお腹もすいていないのでかわき物でとりあえずチビチビと呑み始める。

焚き木は豊富で30分ほどで一杯集まりました。

暗くなってから、そろそろとシマチョウの塩だれ焼とマルチョウのもつ鍋を調理し舌鼓を打つ。食後の腹ごなしに焚き木を切ったり折ったりしてくべ続け、大きな焚火にしました。

かなり暑くて2mぐらい離れると丁度良いです。が、背中側は冷え冷えです。

火の粉が4-5m上空まで飛んで行きました。星もバッチリ出ていて今シーズンおそらく最後の焚火を楽しみました。

ちょっと木があぶられて可哀相でした。

翌日は5時半ごろに起床して、また焚火を始めます。もつ鍋を焚火で温めうどんを投入し朝ごはんとしました。結局、ノロノロしていたので8時前に余分な荷物をテントにデポして出発。象ヶ滝(30m3段)を見物します。

登れるようだが自分には難しいので右岸を巻きます。

堰堤まで戻り、右岸の植林帯を登って行きますが、植林帯が切れる急斜面は落ち葉が積もり泥斜面も固めで滑りやすく、慎重に登りました。

チェーンアイゼンとアイスハンマーがあるともう少し登りやすかったですね。

標高差150m程登り、尾根を乗越して植林帯を少し下った所から、30m3ピッチの懸垂下降で象ヶ滝上部の沢床におりました。

最後のピッチは、大きめの落石でロープを1本痛めてしまいました。

滝上部から先は落ち葉に埋まった穏やかな流れとなります。しばらくナメと2m程度の小滝が時々出てくる程度で先を急ぎます。

薄茶の穏やかなナメ。これ以外に赤っぽいナメや白っぽいナメと変化があります。

ナメ滝も所々かかっていますが、濡れたくないのでなるべく水流のない所を選んでいきます。

前半部で比較的大きな滝はスダレ状の4m滝ですが、右の乾いた苔岩場を簡単に登って越えられます。

赤茶のナメ床が続くポイント。

co900mの手前の右岸側には柱状節理状の大岩壁が聳えていて目を見張ります。

大岩壁沿いは白っぽいナメ床になります。

そのすぐ先に象ヶ滝以降最大の滝、8m2段滝となります。下部の5mは濡れたくないので落ち葉の積もった右側を登り、上段はスタンス・ホールド豊富な左側を登ってクリアしました。

滝上で左から枝沢が1:3で合わさるとしばらくテン場適地が広がるポイントとなり、所々に炭焼き釜の跡があります。

昔はこの沢沿いは結構炭焼きが盛んだったようです。

再び右岸側に岸壁が出てきます。

岸壁の下は岩屋状になっています。

荒れた倒木帯を左側を巻き気味に通過すると左からco935mの枝沢が1:2であわさります。それを過ぎると、突然目の前に石門が現れます。間に3mCS滝がかかりますが、かなり濡れそうなので枝沢まで戻り、その奥に見える5m滝とまとめて右岸を巻くことにします。

右岸の巻きは、途中2カ所ほど切れ込んだ悪そうなポイントがあり、ロープを出して2ピッチで40分ほどかけて通過しました。巻き終えたところが丁度co955mの二俣です。ここで12時半近くだったため、このまま「日本で海岸線から一番遠い地点の標柱」までいくと暗い林道を車で通過することになることが予測されたので当初の予定を変更し左の枝沢で山道にエスケープすることにしました。

左の枝沢は標高差300mの尾根まで滝はない比較的斜度の緩いゴーロです。

1時間ちょいの登りで、co1265mの広い鞍部に突き上げました。

そこからは、薄い踏み跡の山道と林道を辿り、余地峠経由で下山しました。

テン場には16時前に到着することができました。

てきぱきと撤収作業をして駐車地点に急いだのでどうにか日暮頃には狭い林道を通過することができましたが、あと2cmぐらいで側面を危うくこするところでヒヤヒヤものでした。ある意味、この林道通過が核心でした。夜になり全くひとけの感じられない熊倉集落を抜け、やっぱりひとけが乏しい南牧村を通過し、甘楽町でひとっ風呂浴びて帰京しました。

結局当初の目論見の「日本で海岸線から一番遠い地点の標柱」には到達出来なかったので、またの機会に再度チャレンジしたいと思いますが、今度来るときは軽自動車でチェーンアイゼンとアイスハンマーを持参したいと思います。

 


山行最終日:2024年11月24日
メンバー:坂部(L) 古巻
山域:西上州
山行形態:沢登り
コースタイム:
11/23:林道終点(15:23)-象ケ滝手前堰堤上(15:35)
11/24:象ケ滝手前堰堤上(7:53)-象ケ滝上(9:55)-co885m右枝沢出合(10:55/11:05)-co950m石門手前(11:39)-co955m左枝沢出合(12:20/40)-co1255m鞍部(13:55/14:00)-登山道・林道-象ケ滝手前堰堤上(15:53)
地形図:信濃田口・海瀬
報告者:坂部

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