大雲取谷は牛久さんに振られてしまい、どうしようかと思案していると、以前畑さんと話していたことを思い出した。東京起点ルート100の奥多摩を埋めるプロジェクトだ。
沢を始めて6年目。調べてみると、コンプリートまで残すところあと2本、入川谷と坊主谷のみだった。
ということで星野さんを誘い、さらに石田会長にも参加いただき、3人のパーティーで入川谷へ突入した。
沢に着くまでは雨がぱらつき、前夜もしっかり降ったようで地面は濡れていた。しかし入渓時には雨も止み、気温は低めながら沢日和の空気だった。
ただ、先日の熊騒動の影響か、奥多摩はどこか物々しい雰囲気。
入渓地点へ向かう途中ではハンターの方に遭遇した。犬を山へ放って熊を追っているとのこと。
「いろんな動物が出るかもしれないから気をつけてね」
と言われたが、正直どう気をつければよいのかよくわからない。
入川谷は、小さなゴルジュ状のトバの倉骨から始まる。
いきなり微妙なへつり。右からトラバース気味に越えられそうだったので挑戦したが、あえなく足を滑らせてドボン。肩までしっかり水没した。情けない。
びしょ濡れ状態で遡行開始。
トバの倉骨を抜けると、しばらくは平坦な渓相が続く。
熊に怯えながら進むが、遠くから犬の声、さらに発砲音まで聞こえてきてなかなか落ち着かない。
やがて水が増えてくると、今度は苔の世界。
前夜の雨のおかげか、青々とした苔がとても美しく、終始沢を彩っていた。
途中では綺麗な布滝も見学。
そして、そこからが本番だった。
入川谷は基本的に「巻きの沢」。
外道滝、銚子滝、速滝はいずれも右岸から巻いた。
ロープも複数回出したが、登攀そのものより、微妙なトラバース場面で使うことが多かった。
「出すか出さないか微妙」
そんな場面が多かったが、そういう時こそ出す方針にして正解だった。
速滝巻きの終盤、沢へ復帰する途中のトラバースで、星野さんが足を滑らせた。しかしロープのおかげで事なきを得た。
やはり沢では、「たぶん大丈夫」より気になるなら「一応出しておく」が大事だと実感した。
速滝を越えても小滝は続く。
8m、10mクラスも現れるが、どれも難しくはない。
気づけば、いつの間にか熊のことも忘れていた。
下山は作業道から登山道へ。峰集落の先からは再び作業道をつなぎ、広場へ戻って終了。
帰りの車中では、会長からいろいろな沢の話を聞かせてもらった。また行きたい沢が増えてしまった。
これからもいろいろ教わるため、引き続き沢へ連れ出そうと思う。
会長、次はどこへ行きますか?

トバの倉骨。核心へつり。私は落ちましたが、星野さんはクリア!(会長はさらっと巻いてました)

会長は左から。私は右から。

外道滝。右壁を登る人もいるようです。右岸巻きしました。

銚子滝。こちらも右岸巻き。登ってトラバースにロープを出した。

奥に速滝。手前の沢を登り、二つまとめて巻く。

巻き途中、スラブをロープ出して登った。

岸壁をすり抜け、少し嫌らしいトラーバースをして沢に戻った。ここで少し星野さんが足を滑らせた。

速滝を越えると小滝が続くがたまにこんな滝も。容易にフリーで行ける。

峰集落跡に続く道。






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