天候:曇り
この時期ヤマビルの生息区域でもある丹沢での沢登りは敬遠されるとのことですが、笹子沢はその丹沢の中でもヒルがでてこないという西丹沢・中川流域の沢です。
奥多摩の沢が3連続でしたので、久々の丹沢での沢登りとなります。
天気予報では雨がぱらつきそうで少し心配でしたが、一瞬晴れ間ものぞいたりして雨にあたらずにすみました。
電車組は新松田駅前で集合し、高森Lの車でピックアップしていただき、本日宿泊予定のキャンプ場・中川ロッヂへと向います。
キャンプ場のスペースに車を停めさせてもらい、さっそく沢装備を準備。
近年、ヒルは生息範囲をじわじわと広げているそうで念のためヒル避けスプレーを沢靴に噴射しておこう。
中川ロッヂから徒歩数分にある笹子橋を渡ってすぐの、笹子沢右岸と並行している林道へとはいっていきます。
10分ほど歩くと行き止まりになり、傾斜もなく入渓点に到着しました。
歩き始めてすぐに巨大な人工物が見えてきました、「岳山堰堤」です。
堰堤といえばよくあるコンクリート造りのものしか知らなかったので、このような堰堤があることを初めて知りました。
水や砂利などは隙間から通して、流木や巨石は堰き止め、貯まると取り除きます。
向こう側は人の背丈ほど石や流木で埋まっていましたが、隙間から入り乗り越えます。
最初の滝、2×4mほどのナメ滝。
釜の水が青みがかっていて綺麗です。
堰堤がありますが、左側に作業道の階段と通路が設けられています。
堰堤を越えると、伏流となっていて石がゴロゴロしています。
緩やかなナメ滝が続いていて、とても癒されます。
水量の少ない左沢と3mほどの幅広滝が合わさっている印象的な滝です。
CO500付近で二俣の出合に到着。
出合は開けていて、小塚沢は伏流となっています。
倒木が行く手を阻んでいます。アドベンチャー気分で隙間を縫って進んでいきます。
いくつかの滝を越えていきます。
CO580mの二俣に到着。
右俣には10m大滝。右俣をつめていくと源頭の屏風岩山となるようです。
近づいていくと左俣すぐには15mのY字大滝。
大滝を左右に従えて迫力満点です。
左俣にほうに進むので、Y字大滝の左斜面を登っていきます。
土が柔らかいので慎重に滑り落ちないように気を付けました。
上部がナメ滝、下部が直滝になっている5m滝は左斜面を登っていきます。
ここではロープをつけて登りました。
3m滝、4m滝は左側をロープを使って高巻きしました。
トップは何か所か支点を構築しながら登っていきます。
トップが見えなくなったり、沢の音で意思疎通が困難になるため、登る前にホイッスルの合図をみんなで確認しました。
プルージックで登って(ピピーピッピ)
ごぼうで登って(ピーピーピー)
止まって(ビービービー強く鳴らす)など。
ずっと続いてほしいような緩やかなナメ滝に癒されます。
4mのスダレ状滝。
右手に見える細い筋のように流れている沢に沿う感じで滝を登っていきます。
CO738あたりで水量が少なくなってきて、CO773付近で水が涸れていました。
3m涸棚。
岩が脆く、高森Lが状況を確認しながら登っていきます。
崩壊進行中の涸棚。
直登するのはやめて、右手の土の斜面からロープを使ってごぼうで登りました。
そのまま登山道を目指してつめあげていきます。
951mピークより少し屏風岩山よりの登山道にでました。
権現山と上ノ原登山口の分岐点である二本杉峠を経由。
下山途中、崩落箇所にロープが張られているところもあり慎重に進みます。
右手にガードレールが見えてくると、到着まであともう少しです。
お疲れ様でした!
事前に教えてもらっていた通り、小さな岩がボロボロしていたり、土壁の斜面を登るときは足元に全神経集中という場面がとてもありました。
ハンマーを使うときは中級者以上の沢に行く時だと思っていた私ですが、崩壊が進んでいる丹沢の沢遡行こそ必要な道具なんだと教えていただきました。
泥壁にさしこんで手掛かりにしながら登る用途として使う場面もあるので、近々揃えたいと思います。
笹子沢は、核心部の左右ふたつの大滝がとても印象深く、ナメ滝も時々あって、私のような初級者でも遡行できる素敵な沢でした。
また「岳山堰堤」も何か惹きつけられるものがありました。
私以外のメンバーは明日の沢登りも控えているので、中川ロッヂでキャンプ泊。
私は仕事があるため新松田駅まで送っていただき、後ろ髪をひかれながら帰路につきました。
西丹沢中川ロッヂ駐車場(9:15)-笹子沢入渓点(9:30)-岳山堰堤(9:44)-小塚沢出合(10:08)-Co580二俣の大滝(10:38)-Co647付近・昼食(12:00-17)-Co773付近・水涸れる(12:52)-Co773付近・登山道(14:28)-二本杉峠(15:14)-西丹沢中川ロッヂ駐車場(16:06)